ベルドゥーガにソードシャイニングが直撃した。

 

 


ぐああああああああああ!!!

 

 

シルビの銃弾とソードシャイニングの直撃を受けて血を噴出し、ベルドゥーガは苦しみもがいた。

 

 


止めだ!

 

 

シルビは銃弾を即座に再び浴びせようとした瞬間・・・大きな地震が起きた。

 

 


!!!

 


な、なんだ、この揺れは!!

 


大魔王です・・・

 


え?

 


大魔王が、ついに封印を食い破ったのです・・・

 


何ですって、何で!?

 

 

いずれとは分かってはいた。
だが、さすがにその時になると、足元がすくむ。

 

 


闇の力だ・・・
俺と・・・そのリスキンという男のな・・・・・・

 

 

血を噴出し、立てない状態ながらも、ベルドゥーガは言った。

 

 


皮肉だったな。
俺を圧倒しつつあった、その男の闇の力が魔王様の贄となった。

 


!!

 

本来は俺とドゥーガでするつもりだったが・・・。
今の魔王様なら俺とドゥーガだけの闇の力でもどうにかなるはずだったからな。
でも、まさか、こんな形になるとはな。
まあ、目的は果たしたからよしとするか・・・。

 

 

リスキンは唇を噛んだ。
まさか、自分の力でこんなことが引き起こされようとは。
そのリスキンの様子を見てフェルリスは静かに言葉をかけた。

 

 


自分を否定するのはやめなさい、リスキン。
あなたがいなければ全員無事ではなかった。

 

 

事実、リスキンの闇の力の暴走に耐える姿に全員が心を一つにしたのだ。
リスキンの心と力なしでは、あそこまでの力を皆出せなかった。

 

 


フェルリスの言うとおりよ。
それに、これはいずれ起こることだった。
そもそも私達の目的は封印を食いやぶった大魔王を倒すこと!

 

 

そう力強くリスキンに言った。
唐突に足元がすくむ出来事が起きた。
しかし、それはリスキンのせいではない。
いずれ起こることが今起きただけに過ぎない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ごごごごごごごご・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地震は更に激しくなった。
その時・・・

 

 


!!!

 

 

マリコの腰にきつく巻かれた荷物が闇を吐き出し始めた。
そして、中身が袋を突き破って出てきた。

 

 

ノーティの扉の錠前。

 

ヘルガの鎌の宝石。

 

アルテメシアの百合。

 

 

魔王につながると思って持ち歩いていたものが、今、まがまがしい闇を放っている。
そして・・・地震の中心部に引き込まれていった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地震の中心部、そこは妖精の森の中心部でもある。
そこには封印の守り人である妖精達が必死で封印を食い破ろうとしている魔王を押さえ込んでいる。
その時・・・どこからか声がした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

“我ガ眷属ヨ、ソノ魂ニ宿ル闇ノ力・・・余ニ与エヨ・・・・・・”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声と同時に、完全に地震が収まり巨大な何かが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


・・・魔王様・・・魔王様、ようやく・・・・・・!!!

 

 

ベルドゥーガは痛みも忘れ倒れたままその巨大な何か・・・大魔王を見上げた・・・。
マリコ達は、唯、呆然とそれを見上げた。
あまりにも巨大な闇。
闇そのものの存在・・・ただ、その巨大な力にマリコ達は我を忘れて見上げていた。

 

 


大儀デアッタ、ベルドゥーガ。
オマエトソコノ男、ソシテ、我ガ眷属ノ闇ノ魂ガ余ヲ完全ニ封印カラ解き放ッタ。

 


俺の魂もお受け取り下さい、魔王様!
俺は見ての通りです、魔王様の顔に泥を塗りました。
眷属でありながらこのような姿に・・・
どうかこの魂もその身に預けてください・・・

 


ソレニハオヨバヌ。

 

 

大魔王はそう言うと、ベルドゥーガの傷を瞬時に治した。

 

 


オマエハ生キヨ、ベルドゥーガ。
ソレダケノ価値ガ、オマエニハアル。
ソノ忠義、全テノ魔族ニオイテ、右ニ出ルモノハオルマイ。
余ト共ニ来ルガイイ。

 

 

そう言うと、大魔王はマリコを見た。

 

 


ソレハミエラノ剣・・・。
愚カナミエラ。
オマエモイズレ、ミエラト同ジ運命ヲタドル。

 

 

その言葉を最後に、大魔王とベルドゥーガはその場から消えた。
煙のように・・・。

 

 

マリコは足が震えるのを必死で抑えた。
自分が震えるわけにはいかない、絶対に。

 

 


あれが大魔王・・・。

 


なんなんだ、あの闇は・・・。

 


なんていうこと・・・。

 


・・・。

 

 

リスキンは700年前のことを覚えている。
混沌とした闇が支配した頃を・・・。

 

 


驚いている暇はないわ。
大魔王がどこにいるか突き止めるの!
そして、倒さなければならない!!

 


でも、私の能力をもってしても、今のあなた達に勝ち目はありません。

 


やる前から白旗を揚げる気なんか、ないわ。

 

 

マリコは絶対的な決意を持って言い放った。

 

 


私は“今の”と言ったのです。
強くなりなさい・・・光の勇者、いえ、マリコ。
あなたはまだ未熟すぎる。
私が鍛えましょう・・・。

 


鍛えてもらっている時間はないわ。

 


なくとも、してもらいます。
特攻はお勧めできません。

 

 

その言葉に思わずシルビは噴出した。
それはいつも自分が言っている台詞だったからだ。

 

 


そうだな、マリコはいつだって特攻だからな!

 


なによ・・・!

 

 

そう言いつつ、マリコは自分の緊張がほぐれていくのが分かった。
かなわない、シルビには。

 

 


ありゃあ、今の俺たちには、確かに無理だ。
急がば回れってな。
俺たちも自分を鍛えなきゃならねえな、こりゃあ!

 

 

シルビはにっと笑った。
その笑顔に、ようやく全員が心を落ち着かせた。

 

 


うむ。

 


はい!

 


そうだな・・・。

 

 

その様子を見てフェルリスは微笑んだ。

 

 


あなた達なら、きっと大丈夫です。

 

 

そんなフェルリスに強く輝く眼を向けてマリコは言った。

 

 


きっと、じゃないわ。
絶対、よ。

 

 

続く

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ベルドゥーガの猛攻は止まらない。
前へ突進してくるのみだが、動きに無駄がない。
死角がまるでない。
攻撃という攻撃がはじかれる。
舞うように、ベルドゥーガは攻撃を繰り出し全ての攻撃を跳ね返す。

 

 


マリコ殿、そして、シルビ殿。
そなたらは準備しているのだ。

 


 


使いたくなくとも使え、シルビ。
信じろ、自分を・・・そして俺達を!

 


分かったわ!
私は何のことかは分からないけど、シルビを信じている!
皆、頼むわ!!

 

 

全員が、マリコの言葉にうなずく。
シルビも・・・。

 

 


マリコ、奴がわずかでも隙を見せたら、まずは俺が銃弾を撃ち込む。
その後、すぐにソードシャイニングを放て。

 

 

マリコはうなずいた。
シルビの銃弾は、刀剣も壊せなかった。
それ以上に硬いはずだ、ベルドゥーガは。
まとう闇の強烈さを見れば分かる。
だが、何か打開策があるのだ。
シルビと、そして皆の目はそう語っている。
マリコの出来ることは信じること、絶対に・・・それだけだ。

 

 


行くぞ!

 

 

どうやって隙を作るかなど、思いつかない。
だが、絶対に隙を作る。
そうでなければ勝てない。
そして、勝たなければならない。
この男をねじ伏せられずにどうやって魔王と戦うのか。

 

リスキンは自分の中の闇の力を、覚えていないカトゥーナとの戦いと同じぐらい出せねばならないと思った。
それは、さっきも、それにいつも考えていることだが一定以上になると暴走しそうになる。
自らの力をうまく扱えていなかったのは、自らの力を恐れる心がどうしてもあったことにリスキンは気がついてはいた。
だが、このまま恐れていては何も終わらない。
自分を信じなければ。
シルビに言ったように、自分も自分を信じる。

 

 


うおおおおおおお

 

 

リスキンは己のうちにある闇を更に解放させる。
限界まで・・・。

 

 

リスキン殿!?

 

 

リスキンは必死で自我を保つ。

 

 


大丈夫・・・だ。

 


・・・その力は!

 

 

カトゥーナをあっという間に倒したときと同じレベルの闇をまとっている。

 

 


これは・・・・
驚いたな。
純粋に限りなく近い闇があふれ出して来ている。
魔族の血を引いていることには気がついてはいたが・・・。
その男、スピードだけではなかったということか。

 


う・・・るさい!

 

 

魔族の血を引いている、それを言われると心が折れそうになる。
受け入れ始めているのにそれを言うな、リスキンはそう思ってしまい暴走しそうになる自分を必死に抑えた。

 

 


無理をしないでください、リスキン!

 


リスキン殿!

 


俺を信じろ!!

 


そうです、信じなさい。
リスキンは大丈夫です。

 


!!

 

 

そうだ、信じねば・・・ガラドゥとミランヌは思った。
リスキンにもフェルリスの言葉が届いた。

 

 


行きましょう!
ミランヌ、怪我は任せます!

 

 

全員が一丸となってベルドゥーガを襲う。
その中、リスキンは闇から剣を取り出した。
闇をまとった剣だった・・・。

 

 


何!!

 

 

純粋なる闇の剣。
純血の魔族でないはずのこの男からそのようなものが出てくるとは思っても見なかった。
だが、驚いている暇などない。
隙を見せるわけには行かない。
目の前の連中はドゥーガを倒したのだ。
何かしらの切り札を持っているのは当然。

 

 


お前は、なぜそちら側にいる。
それだけの闇をまとっていれば、いずれ排斥される。
人間側にいればな。

 


その時はその時だ、人間全体の思惑など知らん。
俺は俺が信じた事のために・・・そして、こんな俺を信じてくれた仲間の為に力を使う!

 

 

排斥など、今更だ。
魔族の血を引いた自分を受け入れてくれた仲間がいる。
進むべき道の迷いを断ってくれた皇王がいる。
リスキンにとって、それが全て。

 

 


その時はその時、か。
・・・なるほど。
たいした男だ、きさまは。

 

 

一気にベルドゥーガを攻め立てるリスキン。
それを援護するガラドゥとフェルリス。
二人とも、さらにスピードが上がったリスキンの動きに即座に対応した。

 

 


!!

 

 

そのあまりにも見事な連携に、必死で対応するベルドゥーガ。
明らかに、先ほどとは違う。
何が違う?
攻撃という攻撃をはじきながら、だが、リスキンの闇の剣は防いだ刀剣から闇がベルドゥーガに流れ込む。
それに必死に耐えるベルドゥーガ。
そして、全員をようやくはじき返した。

 

 


何が、変わったのだ・・・?

 

 

ベルドゥーガは疑問に思った。
おかしい、先ほどまでと明らかに全員の力がアップしている。

 

 


私の能力です。

 


なんだと?

 


私は仲間の信じる心を力に変える能力を持ちます。
ここへ来て、皆の結束が、信じる心が頂点に達しようとしている。
なれば、能力が上がるのは当然。

 

 

それにはベルドゥーガも含め全員が驚いた。

 

 


驚いている暇はありません、皆。
あなた達は私を含め仲間を絶対的に信じた。
それが、今、実を結んでいるのです。

 

 

そう言うと、再びフェルリスは一気にベルドゥーガに接近した。
ガラドゥとリスキンはそれに続いた。
ミランヌは傷ついたガラドゥとフェルリスの傷をあっという間に癒した。
そして、更にふわふわと軽やかに動きベルドゥーガを引き付け、ガラドゥはそれに呼応するように攻撃を繰り出した。
そこへきて、スピードがアップし、しかも闇の剣を握ったリスキンが攻め立てる。

 

リスキンの闇の剣を受け止めるたびに闇が侵食してくるのがベルドゥーガには分かった。
半魔族であるリスキンの闇の力がこれほどまでとは・・・。
これも、あのフェルリスという妖精の力なのか。

 

 


くっ!

 

 

かすかに、リスキンの闇の剣がかすった。
あまりにも見事な連携。
怪我を負わせたかと思ったら、後ろにいるエルフの女が瞬時に治癒してしまう。

 

焦りを覚えた。
光の勇者は参戦もしてないというのに、この体たらくとは。
ベルドゥーガは一瞬、焦りで動きが止まった。

 

シルビは、その、わずかなベルドゥーガの動揺を見逃さなかった。
そして、瞬時に銃弾をベルドゥーガめがけて撃ち込んだ。
ドゥーガをあっという間に黒煙に変えた銃弾で・・・

 

 


!!!

 

 

シルビの銃弾はベルドゥーガの頭に命中した。

 

 


な、なんだこれは・・・・・・・・・・・!!!!!!!!

 

 

ベルドゥーガはシルビの弾からにじみ出るリスキンの・・・魔族の闇とはまた“別の闇”を感じ取った。
それに苦しみもがくベルドゥーガ。

 

 


マリコ!!!

 


光よ!
私に力を・・・!

 

 

みるみるうちに今まで溜め込んだ光がマリコを包み込む。
仲間を信じきることで今までになく集中でき、マリコは内にある巨大な光を溜め込むことが出来た。

 

 


ソードシャイニング!!!!!!

 

 

マリコのソードシャイニングがベルドゥーガに直撃した。

 

 

続く

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ベルドゥーガはドゥーガの死に驚きと悲しみで震えていた。

 

 


ミランヌ、今のうちにマリコに治癒を!

 


はい!

 

 

治癒を受けているマリコにフェルリスは静かに語りかけた。

 

 


感情に任せて行動するなど・・・
勇者なのでしょう?
なぜ、皆と行動を共にしなかったのです?

 


!!
私・・・

 

 

そうだった。
怒りに任せて行動してしまった。
いつだって、皆のフォローがあったから自分は十分に力を発揮できていたのに。

 

 


今は、あのベルドゥーガという眷族を倒すことのみに集中しなさい。
でなければ、この殺戮は終わらない。

 

 

そう言うと、フェルリスは手のひらサイズの大きさから通常の人間のサイズ・・・マリコとシルビの中間ぐらいの背丈になった。

 

 


!!

 

 

それには全員が驚いた。

 

 


相手は刀剣の使い手。
戦闘手法は変えないといけないですね。

 

 

そうしているうちに、ベルドゥーガは再び双剣を構えた。

 

 


どのようにドゥーガを倒したかなど聞かん。
だが、お前達全員、ここで死んでもらおう。
一騎打ちは楽しかったが、お前達は黙って俺と光の勇者の決闘を見てはくれないようだしな。

 


お前を倒さなきゃ、意味ねーからな。
そっちに付き合ってる暇はねー。

 


そういうことだ。

 

 

リスキンはシルビに対して言った。

 

 


おそらく、奴はアルテメシアよりしぶとい。
シルビ、お前が鍵になる。
お前なら正しく使える、さっきみたいにな。
忘れるな。
お前は力を正義のために使える。

 


 


何の話?

 


説明は後でシルビがしてくれる。
今は奴を倒すことだけに集中するんだ。

 


シルビ、どうか自分を信じてください。

 

 

そうしているうちに、ベルドゥーガは刀剣を構えた。

 

 


会議は終わったか?

 


わざわざ待っててくれたのですか。
親切ですね。

 


武人として当然だ。
いざ!!

 

 

ベルドゥーガが一気に突っ込んできた。
そして、マリコを標準にして。

 

 


そうはさせねえ。

 

 

刀剣をはじこうとシルビが銃弾を撃つ。

 

 


同じ手はくわん。

 

 

だが、あっさりと刀剣ではじき返す。
シルビに向かって。

 

 


シルビ!

 

 

だが、返ってきた銃弾をガラドゥが斧ではじいた。

 

 


骨のある奴だ。
嫌いではない。

 

 

ベルドゥーガの突進はとまらない。
マリコめがけてやってくる。
治癒で回復したマリコは、ベルドゥーガの刀剣を受け止める。
リスキンとガラドゥも応戦するために、二人に突っ込んでいくが・・・

 

 


邪魔だ。

 

 

マリコを弾き飛ばし、二人に向けて短刀を投げつける。
ガラドゥは斧で、リスキンはスピードを生かして避ける。

 

 


束になれば、俺をしとめられると思ったか!?

 

 

そんな時、フェルリスがベルドゥーガに応戦した。

 

 


 

 

フェルリスは武器こそ持ってないが、ふわふわと浮きながらベルドゥーガの刀剣を綺麗によけて、その腹に蹴りを入れた。
ベルドゥーガはわずかだが、後ろに飛ばされた。
フェルリスはそれを追いかけ、ベルドゥーガもすぐに応戦していくが、なかなか刀剣が当たらない。
しかし、ベルドゥーガのほうが力量は上だった。

 

 


フェルリス!

 

 

フェルリスにあたりそうになった刀剣をマリコがはじく。

 

 


なるほど。
なめていたのは俺か。

 


そういうことです。
共に戦うということはこういうことです。
マリコ、助かりました。

 


フェルリス、あなた強すぎよ・・・。

 


そうでしょうか?
潜在的な力なら・・・あなたが上です。

 

 

そんな会話をしているうちにベルドゥーガが突進してきた。
それをガラドゥが斧で刀剣を受け止める。

 

 


前に出てくるしか脳がないのか、貴様は。

 


武人のたしなみだ。

 

 

そう言うと、ガラドゥの斧まではじき返した。

 

 


!!

 

 

ベルドゥーガはすぐに体制を整えて、一気にガラドゥを攻撃した。

 

 


ぐっ!

 

 

直撃こそ避けたものの。
腕に大怪我を負った。

 

 


おまかせを!

 


させん!

 

 

ミランヌの治癒画が効く前に、ガラドゥをミランヌめがけて蹴り飛ばした。
それを飛ばされながらもミランヌにぶつからないよう受け止めるリスキン。

 

 


くっ!

 


リスキン、ガラドゥ!!

 

 

この状況にマリコは焦った。
身をもって知っている、ベルドゥーガの強さを。

 

 


信じなさい、仲間を。
勇者であるならば。

 


 


あなたは・・・少々、仲間の力を過小評価してませんか?

 


そんなことない。
馬鹿なこと言わないで。

 

 

常に自分を支えて来てくれた仲間達なのだ。
信じないほうがおかしい。

 

 


なら信じなさい。
彼らはあなたの絶対的な力となる。
先ほどだって、シルビはあなたを守った。
今だって、リスキンはミランヌを守ったではないですか。

 


わかってるわ!!

 


ならば、なぜ、焦るのですか?
信じているのならば、焦らないはずです。

 

 

そう、マリコは焦っていた。
このままでは・・・と。

 

 


あいつは強い。
早々どうにかなるなんて・・・。

 


それが過小評価しているというのです。
確かにあの者は強い。
早々どうにかできないでしょう。
しかし、貴女の仲間たちが早々どうにかなってしまうとでも思っているのですか?

 


そんなこと・・・は・・・・・・。

 

 

思っていた。
マリコはそのことに気がついた。

 

 


今まで、貴女方の仲間はそう簡単にやられてしまうような者達ならば生き延びてはこれなかったのでは?
眷属を3人も倒した。
でも、彼らは生きている。

 


!!

 

 

そうだ、生き残ってきたではないか・・・。
それなのに自分は何を焦っていたのか。
まだ、戦いは終わっていない。

 

 


・・・あなたの言うとおりだわ。
私はもっと、仲間を信じなければいけなかった。

 


そして、私も信じなさい。
今の仲間には私も含まれているのです。

 


 


信じるのです・・・仲間を。
そう、絶対的に。
勇者であるならば。
よいですか、それが全ての鍵となるのです。

 

 

続く

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マリコは満身創痍な状態でベルドゥーガと戦っていた。

 

マリコは攻撃を受けながらも急所にもらわないようにした。
そうしながら、攻撃を繰り出し続ける。
そんな時、腹にベルドゥーガの蹴りを食らい弾き飛ばされた。

 

 


くっ

 

 

それでも、マリコは立ち上がった。
負けられない、死ねない。

 

 


お前は素晴らしい戦士だ。
どんなことがあろうと・・・限界を過ぎようと闘争心は全く消える気配すら見えない。
どんなことがあろうと、お前は立ち上がる。
死ぬまでな。
誇り高き戦士よ。
俺の全てをこめて、貴様を打ち倒す!

 


それはこっちの台詞よ、この眷属が!!
私の全てをこめて、あなたを打ち倒す!!

 

 

マリコとベルドゥーガの打ち合いが再び始まった。
だが、その実力差・・・ダメージの深さ・・・マリコは不利過ぎた。
後一歩でマリコの首をベルドゥーガが刀剣で跳ね飛ばす寸前だった・・・
そのとき・・・

 

ベルドゥーガの、マリコの首をはねるはずだったが刀剣がはじかれた。
シルビの銃弾によって。

 

 


シルビ!

 

 

マリコは喜びを隠せなかった。
後ろではシルビたちが不利な戦いをしていたのは気がついていたからだ。

 

 


唯の銃弾じゃ刀も折れねえとか、お前ら反則もいいところだぜ。

 

 

そう言いながら、それでもマリコを守れたことにシルビは笑顔をこぼした。

 

 


お前たちは・・・何故・・・。
ドゥーガはどうした・・・?

 


我たちがここにいるのを見て、分からぬのか?

 


!!

 

 

すぐに分かった。
ドゥーガはやられたのだ。
そうでなければ、ここに誰かがやってくるはずがない。

 

ドゥーガが死んだと知って、ベルドゥーガは動揺を隠せないでいた。

 

“魔王様が封印されて、あなたの力も弱まった!
死にに行くようなものです!
魔王様がこのまま封印されたままであるはずがないのです!
時を待つのです、ベルドゥーガ様!!
魔王様のためにも!!!”

 

そう諌め、自分がミエラたちに特攻するのを止めたのはドゥーガだった。
そのドゥーガが死んだ。
ドゥーガとは喧嘩ばっかりだったが、互いを知り尽くし信頼しあっていた。
今、この瞬間まで光の勇者と一騎打ち出来ていたのはドゥーガがあってのこそだった。

 

ノーティは虎の威を借りる狐、自分の力をきちんと把握できない愚か者。
ヘルガは元々は光の大賢者。
アルテメシアは大魔王を超えようとしていた、眷属の風上にも置けない奴。

 

直属の眷属にあってベルドゥーガが一番、大魔王を信望していた。
必ず、大魔王は封印を破る。
それは信じるに値することだった。
だからこそ、ドゥーガの言葉に従った。

 

ドゥーガはそれらを知っていた。
だからこそ、アホとか言いつつベルドゥーガに忠誠を誓った。
ベルドゥーガの、その忠義の在り方に心酔したのだ。

 

 


ドゥーガ・・・。

 

 

続く

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そんなやり取りを遠くで見ながら、ドゥーガは口を開いた。

 

 


その後ろにいる狙撃銃のお兄さんがあなた方の切り札ですか?
先ほどから何か狙っているようですからね。

 


 


何をしようとしているかは分かりません。
でも、油断は出来ないようですね、そこのお兄さんにも。
先ほどの銃弾が私には何も効かなくとも。

 


・・・お見通しか。

 

 

頭が切れる上に、慢心しない。
今までの相手とは違う。

 

 


フェルリス、奴の炎は任せた。
無理やりにでも、俺とガラドゥで隙を作らせる。

 


あなたは闇の力を持っている。
あの炎はあまりにも毒。
万が一が・・・。

 


それはない。

 

 

リスキンは断言した。
根拠はない。
だが、闇の炎だろが龍だろうが、己可愛さに逃げ回ることは出来ない。
ここはドゥーガの炎をかき消すだけの力を持ったフェルリスに全てをかける。

 

 


信用している、フェルリス殿。

 

 

ガラドゥはかすかに笑みをこぼしてフェルリスに言った。
フェルリスも笑みを返しうなずいた。

 

 


どんな怪我でも治癒して見せます!
存分に戦ってくださいませ!

 


頼んだ、ミランヌ、フェルリス。

 

 

そして、リスキンは集中を高めているシルビを見た。
シルビは、唯、うなずいた。
覚悟の眼をしている。

 

ガラドゥとリスキンは一気にドゥーガに接近した。
ガラドゥは武具を外したままだった。
スピードが落ちないように・・・。

 

 


素晴らしいスピードです。

 

 

そう言いつつ急接近して攻撃を繰り出すガラドゥとリスキンに炎を作って防御しようとした。

 

 


ビッグフラワーマジック!!

 

 

その炎はフェルリスによってかき消された。

 

 


そんなことだと思ってましたよ。

 

 

炎をかき消された一瞬の隙を突くどころか、ドゥーガは一切の焦りを見せずにガラドゥとリスキンの攻撃を、先ほどと同じように杖でなぎ倒した。

 

 


まだだ!

 

 

なぎ倒されながらも、すぐに受身を二人とも取って攻撃を繰り出す。
それを、ドゥーガはやはり杖で受け流し、繰り出し、なぎ倒す。
リスキンの攻撃はわずかに効いてはいるが、フェルリスの言うとおり焼け石に水状態だ。

 

これの繰り返しでは、シルビは何も出来ない。
二人は焦りの色を見せ始めた。

 

 


隙を見せましたね?

 

 

ドゥーガは、二人の一瞬の焦りを見逃さなかった。
そして黒龍を一瞬で作り出しリスキンに放った。

 

 


ぐっ!!

 


!!!

 

 

それをリスキンをかばいガラドゥが受け止めた。
黒龍が追尾しないよう、それを握りながら。
ガラドゥの体は見る見るうちに血で染まった。
リスキンは唖然とした。

 

 


ガラドゥ!!

 

 

ミランヌは即座にガラドゥに治癒をし続けた。

 

 


リスキン、何をほうけているのですか!!

 

 

ミランヌの言葉にリスキンは我にかえった。
ガラドゥが黒龍をつかんだままの今が好機だ。
リスキンは攻撃を繰り出す。
焦るな、と自分に言い聞かせながら・・・。

 

 


頭が下がりますね。

 

 

ドゥーガは黒龍を自分の元に返した。
顔や腕には、リスキンの攻撃で血がわずかずつだが流れていた。
リスキンは、ドゥーガに大きく跳ね飛ばされていた。
受身は取ったものの、黒龍は、今、ドゥーガの手に戻っている。

 

 


あなた方の連携は素晴らしい。
その信頼関係も。
ミエラ達を思い出しますよ。
だからこそ、今ここで潰します。
絶対に。

 

 

ドゥーガはさらに大きな黒龍を出した。

 

 


全員、ここで死んでもらいます。
まず、そこの後ろにいるお兄さんから。

 


!!

 


シルビ殿!!

 

 

大きな黒龍がシルビの元へ放たれた。
だが、シルビは動かなかった。
狙われているのは分かっている。
だが、信じている。
自分は時を待つ、それだけだ。

 

 


させない!!

 

 

フェルリスは、大きな防壁をシルビの前に作った。
花の・・・。
考えられないことだった。
あまりにも強大な炎で編み出された黒龍を“花”で防ぐなど。
さすがのドゥーガも驚いていていた。
今までかき消された炎などの比ではなかったのだ、今のは。
フェルリスの力量を測っての全力の黒龍だった。
驚いたのは、ガラドゥもリスキンも同じ。

 

しかし、フェルリスの大きな力に驚いている暇はない。
チャンスを逃すな。
ドゥーガは驚いている。

 

驚いているドゥーガに一気に攻め入るガラドゥとリスキン。

 

 


ぐっ!

 

 

隙を付かれて、ドゥーガはガラドゥとリスキンの攻撃を直撃を受けた。
特にリスキンの闇の力によろめいた。

 

 


いまだ、シルビ殿!

 

 

その時を待っていたシルビは、即座にドゥーガに銃弾を放った。

 

 


そうはさせません!

 

 

ドゥーガは傷を負いながらも、すぐに強大な炎の壁を作った。
分かっていたからだ、自分がこんなことになれば、この男が何か仕掛けてくることを。

 

 


なんて反応が早い!

 

 

銃弾は炎に呑まれた。
だが・・・シルビが放った銃弾はそれを突き抜けた。

 

 


!!!

 

 

そして、そのままドゥーガの胸に突き刺さった。

 

ドゥーガは大量の血を吐いた。
シルビの銃弾は効いたのだ。

 

 


随分、悪質な切り札があったものですね・・・。

 

 

皮肉気にドゥーガは笑った。
血を吐きながらも・・・。
そして、少しずつ、黒煙を出し始めた。

 

 


愚かな人間共・・・。
このような“兵器”を作り出すとは・・・。

 

 

その言葉を最後に、ドゥーガは完全に消えた。

 

 


シルビ殿!

 


凄いですわ!

 


・・・。

 

 

仲間の感嘆に、シルビはにこりとも笑わなかった。
それどころか、手が震えている。
“兵器”そうドゥーガは言った。
まさに、シルビが使った“力”はその類のものだったからだ。

 

 


シルビ殿、今の弾は・・・?

 

 

ガラドゥはシルビの様子に、また、あの強力な魔族があっという間に黒煙を出し消えたことを気がかりに思った。

 

 


おしゃべりしている暇はないわ。
すぐにでも光の勇者の援護を!!

 

 

全員がハッと我に帰った。
そうだ、行かねば。

 

 

続く

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ベルドゥーガとマリコの戦いが始まっていた。
マリコは早くも血まみれだった。

 

 


マリコ!

 

 

加勢に行こうとしたとき、ベルドゥーガの側近のドゥーガが立ちふさがった。

 

 


ベルドゥーガ様の一騎打ちを邪魔などさせませんよ?
あの方は突っ込んで戦うのが大好きなアホな方ですが・・・私はそこが好きなのです。

 


アホなのはマリコのお家芸だ。
負けねーよ。
それに・・・のんきにしゃべってるんじゃねーよ!

 

 

シルビはドゥーガに銃弾を浴びせた・・・寸前だった。
ドゥーガは杖で闇の炎の壁を作り銃弾を溶かしてしまった。
青い光を放ったドゥを撃った時と同じ銃弾だったはずだったのに・・・。

 

 


!!!

 


中々良い銃弾を使ってますね、あなた。
普通の魔族や魔物たちならいちころです。
噂には聞いていましたが・・・それが人間が魔族を殺す際に使っていると言われている魔族専用の銃弾ですか。
しかもかなり特殊・・・。
でも、私には効かない。
残念でしたね。
所詮、人間が作るものなど、それが限界です。

 


なんだと!

 


シルビ殿の銃弾を防ぐとは・・・。

 


強い・・・。

 

 

そんな時、唐突にフェルリスが口を開いた。

 

 


・・・連携を。

 


へ?

 


光の勇者は・・・今の状態ではあのベルドゥーガという者にかなわない。
連携を持ってして、この男を倒すのです。
一刻を争います。
仲間の絆で、倒すのです。

 


フェルリス殿の言うとおりだ。
皆、力を合わせるのだ!

 

 

シルビは焦っていた。
自分の使っている銃弾は、確かに魔族専用の銃弾だ。
それだけじゃない。
ドゥを苦しめた特別製だった。
それが全く通じないとは・・・。
これでは自分は唯のお荷物だ。

 

頭に掠める、“あの”銃弾のことを・・・。
でも、使ってよいのか、本当に・・・。

 

 


使え、シルビ。

 


え?

 


否定するな、「自らが生み出した力」を。
正義のために使え。
お前なら、出来る!

 

 

リスキンには、シルビの葛藤の正体が分かっていた。
何の力かまでは分からなくとも、それがシルビが躊躇うほど嫌悪する力であることを・・・。
少し前の自分のように・・・。

 

 


何をもめているんですか?
私はベルドゥーガ様とは違う。
勝つ為にはいかなる手段も用いる。
この炎で、お前達を焼き尽くす。
この森ごと!

 

 

そう言うと、ドゥーガの杖にある闇の炎は大きくなった。

 

いかなる手段を用いる・・・その言葉にシルビはハッとした。
手段は目的を正当化してはくれない。
奴のしようとしとしていることは、そういうことだ。
目的の為に手段を選ばなかった為に世界を破滅に追いやった太古の人々と同じように、この男は破滅させようとしている・・・。
全てを・・・。

 

 


時間は俺達が稼ぐ。
シルビ、お前は準備しろ。
ミランヌは怪我を負ったものが出たら治癒しろ!

 


はい!

 


ガラドゥ、行くぞ!

 


うむ!
シルビ殿、己を信じよ!

 

 

シルビは覚悟した。
このままでは皆焼き殺される・・・妖精たちも・・・・・・。
銃に普通の銃弾を取り出し“あの”銃弾を補充した。
手段は選ぶ、正義の為に。

 

 

続く

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その男がマリコに近づくと、魔物や魔族は道をあけた。

 

 


それだけの力を持っていて・・・わからんな。

 


あなたは・・・誰!
ここの妖精たちを虐殺していっているのはあなたの部下!?

 


虐殺か・・・耳が痛いな。
俺の名前はベルドゥーガ。
魔王様直属の眷属。

 


!!!

 


お前が・・・噂の光の勇者か。
なぜ、脆弱なる者共を守ろうなどと考える?
支配すればいい。
それだけの力は、貴様にはある。

 


私の力は支配するためのものじゃない!
力は正義を行うためのもの!

 


人間お得意だな。
その世迷言は。
力が強くなれば強くなるほど、その力は破壊に使いたくなるものだ。
その点を考えると、魔王様は全時代の人間どもにとっては科学力とやらを試すのには格好の口実だったのではないか。
楽しかっただろう、自分達の作り出した”力”を試せて。
まあ、そんなものが通じるほど魔王様はやわではないがな。

 


あの時代の人々は、してはいけないことをしてしまった。
でも、試すためじゃない!

 


そうかな?
強き力は、すなわち正義。
弱いということは、すなわち支配されるのみの存在。
それは人間でも魔族でも同じ。
太古の文明は科学力とやらで力関係が決まっていたぞ?
お前の言う正義は戯言だ。
愚かで弱き人間ども。
須らく魔王様の元へ下るといい。

 


人間はあなたが思っているほど弱くない!

 


まあ、貴様みたいのがいるのだ。
全部弱いとは断言せんさ。

 


違う!
そういうことなんかじゃない!
私は私の力だけで戦ってきたんじゃない。
それに、今だって・・・眷族なら知っているんでしょ?
戦う意思のある人はいっぱいいるって!!
戦っている人たちは大勢いるって!

 


戦っている、それだけだ。
戦うだけでどうにかできると思うなよ、我らが闇を。

 


絶対勝つという意思、共に戦おうという決意、それは決定的な強さとなる!
甘く見ているのはそちらのほうよ!

 


甘く見たくもなる。
俺は知っている。
他の連中は気にも留めていなかったがな。
700年前の人間どもの愚行。
守護された者たちの高慢さ。
力を“救う”とやらに使った結果。

 


知って・・・い・・・る?

 


当然だ。
俺は魔王様直属の眷属。
魔王様が封印されたとはいえ、それなりには動けた。
俺は知っている、ミエラの最後を。
ヘルガが魔王様を愛した理由を。

 


・・・!!!

 

 

ベルドゥーガは静かに刀剣を構えた。

 

 


そのようなことより・・・。
戦おうぞ・・・光の勇者よ!
1対1の対決ぞ。
卑劣なる行為はここまで。
さあ、来い!!!

 

 

そんなベルドゥーガにマリコは言い放った。

 

 


何が卑劣な行為はここまで、よ。
後ろであなたの部下たちは殺しまくってるじゃない!

 


またもや耳が痛いことを。
しかし、ここは魔王様が封印されている土地。
いざこのような時期が来れば自分達の運命も分かっていたはずだが?

 

 

そう言って、ベルドゥーガは持っていた双剣を鮮やかに繰り出し始めた。
あまりの無駄のない攻撃に防戦一方のマリコ。

 

 


その程度か、光の勇者よ。
アルテメシアを、あの女狐を殺したのだろ?
その程度ではないはずだ!

 

 

さらに攻撃を激しくするベルドゥーガ。
防戦しながらも、ところどころ血が出始めた。
双剣の攻撃があたり始めた。

 

 


その程度なら、一気に決めさせてもらう!

 

 

ベルドゥーガは一気に双剣を繰り出す。
一分の無駄もない見事な攻撃。
だが、その姿にマリコは思った。
自分は負けるわけには行かない、と。
どんな相手でも。
ダルメラは言った、自分が生きるということは希望なのだと。

 

 


どりゃああああああ

 

 

ベルドゥーガの攻撃を力ずくで弾き飛ばすマリコ。

 

 


必ず、勝つ。
あなたのその思想ごとねじ伏せる!!

 


見かけによらず、馬鹿力だな。
それに、今の攻撃をはじき返すのは・・・馬鹿力だけでは無理だ。
未熟だが、中々のものだ。
それでこそだ!!

 

 

ベルドゥーガは攻撃を仕掛ける、舞うように。
マリコは応戦する、ベルドゥーガと比べれば荒っぽいながらもスピードと技で。
しかし、実力差は歴然で、マリコはどんどん血が流れていく。

 

 


たいしたものだ・・・もう少しお前が成長してから出会いたかったな。
まあ、そんな我侭は言ってられぬか。

 


つまらないことを言ってるんじゃないわよ。
あなたはここで倒れる!

 

 

血まみれになりながらも鉄壁の精神力で剣を構えるマリコ。
負けない・・・絶対に。

 

 


その怪我で剣を構えることが出来るとはな。
たいした精神力だ。
さすがは光り輝く者。
そうでなくてはならん。
だが、精神力だけではどうにもならないことがある。

 

 

ベルドゥーガは一気に間をつめた。

 

 


言ったでしょ、倒れるのはあなただと。

 

 

一気に間をつめて全力でマリコを倒しにかかったベルドゥーガの剣を、マリコは弾き飛ばした。

 

 


!!

 

 

まともに動ける状態でないマリコが自らの最大の攻撃を弾き飛ばしたことにベルドゥーガは驚きを隠せなかった。

 

 


たいしたものだ・・・!
嬉しいぞ、俺は!!!

 

 

続く

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大量の魔族や魔物たちが妖精の森に押し寄せてきた。

 

 


私達もすぐ行くわ!!

 

 

行こうとしたそのとき、フェルリスがすぐに戻ってきた。

 

 


ルメンシャラ様!
退路という退路をふさがれています!
逃げ道がありません!
皆、殺されていくばかりです!!

 


!!!

 


フェルリス、お前も戦いなさい。

 


わかりました。

 


え?

 


フェルリスは妖精の中でも特殊。
戦闘に特化した子。
必ずや役に立つ。

 


行きましょう!

 

 

マリコ達はすぐに駆けつけた・・・つもりだった。
しかし、目の前に広がっているのは地獄絵図だった。
妖精は問答無用に殺されていき、森は火が放たれている。

 

 


このおおおおおお!!!!

 

 

その光景に、マリコは激高した。
マリコは怒りに任せて妖精を殺そうとする魔族や魔物を蹴散らせて行く。

 

 


くそっ!
マリコのやつ、怒りで我を忘れてやがる!
滅茶苦茶に剣を振り回してる!

 


無理もない。
とにかく、我らも戦うぞ!

 

 

フェルリスは呟いた。

 

 


勇者があれじゃあ、連携も何もあったものじゃないわね・・・。

 

 

マリコ達は蹴散らせて行く、魔物も魔族も。
しかし、数が多すぎる。
妖精は次々に殺されていく、それを止める術が分からない。

 

そんな中、強烈な闇を纏った男がマリコに近づいてきた。
男は二刀の刀剣を持っていた。

 

 

続く

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その頃、魔族の軍政を見守る二つの影があった。

 

 


好かん。

 


何がですか?

 


好かん!
何が悲しくて大量に押し寄せねばならんのだ!

 


ベルドゥーガ様はお一人で戦いんですね・・・。

 


いかんのか!

 


時間の無駄です。
ここまで我慢したのだからと言って、さっさと魔王様の封印を解きに行こうといったのは誰ですか。

 


普通に突破すれば良いではないか!

 


一人で突破してどうするんですか!
時間かかりますよ!
妖精、何気に多いんですから!!

 


四方から囲み、退路をことごとく魔族で埋め・・・
卑怯だ!

 


やること一緒なんですから、効率いいほうが良いでしょうが!
まったく・・・光の勇者が森にいなければ私ともめてたままでしたね。

 


なんだと!
手段は選ぶものなのだぞ!

 


選んでます!
凄い選んでます!!!
ヘルガ様やアルテメシア様と一緒にしないでください!
私が選んだのは真面目な戦術です!!
これだって、凄い譲歩しているんですよ!?

 


なんだと!

 

 

続く

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翌日。
マリコ達は樹海に向かい、入っていった。

 

 


これが樹海ってやつか・・・。
薄気味悪いな。

 


なんかいやな感じ。

 


そんなことを言っている場合ではあるまい。
進むぞ。

 

 

そう言うと、ガラドゥは方位磁石を取り出した。

 

 


ちょっと、樹海では方位磁石って使えないんじゃないの!?

 


ありゃあ、でまだ。

 


へ?

 


特殊な岩石の近く以外は平気なはずだ。

 


ここの付近にそういった岩が採掘されるとは聞いたことはない。
問題ない。

 

 

そんなやりとりをしながら、マリコ達は方位磁石を元に樹海の中心を目指した。
妖精の森に辿り着くために・・・。

 

樹海を進むと、死体が点在するようになった。
白骨から、最近のものまで・・・。

 

 


これが、妖精の森に辿り着けなかったものたちの末路か・・・。

 


むごいことを・・・。
我らエルフとて外のものを受け付けませんが・・・。
エルフの村では入り口に辿り着けるようにしてあるというのに・・・。

 


我々も受け入れられなければ、こうなる、というわけか。

 


私達は辿り着く。
絶対に。
希望を背負っている。
ここで死体になるわけにはいかない。

 


マリコに賛成だな。
死体になんかになってたまるかってーの。
大丈夫だって。

 

 

そういって、いつもと同じ笑顔でシルビは言った。

 

 


ここが中心か・・・。
この方位磁石がくるってなかったらな・・・。

 


だが、森らしきものは見当たらないな。

 

 

マリコ達は思案した。
どうしたら辿り着けるかを。
そのとき、唐突に声がした。

 

 


お待ちしておりました。
このまままっすぐにお進みください・・・。
妖精の森はすぐに現れるでしょう。

 

 

マリコ達はとっさに構えた。
そして周りを見渡す。
だが、誰もいない。

 

 


安心してください。
何もしません。
まっすぐ進むのです。
必ずやルメンシャラ様・・・妖精の女王様はお会いになります。

 

 

その言葉に一同は顔を見合わせ、うなずいた。
罠かもしれない。
でも、進むしかない。

 

そして、しばらく歩くと森が出てきた。

 

 


森だわ!
森が出てきたわ!

 


あの声は・・・妖精のものか・・・?

 


そうです。
私の名前はフェルリス。
森の外なので姿を隠しておりました。
案内しましょう、女王様の下へ。
女王様がお待ちしております・・・。

 

 

唐突に妖精らしき少女が現れた。
手のひらの大きさと同じぐらいの大きさだった。
その小さな少女はふわふわと浮かんでいる。

 

 


さあ、こちらへ・・・。

 

 

案内されたのは荘厳な聖堂のような場所だった。
その奥の一つ上の段に女性・・・ルメンシャラは立っていた。
フェルリスとは違って人間と同じ背丈の女性だった
ルメンシャラは神々しい雰囲気を持っていた。

 

 


良くぞ参られた、天啓によって選ばれし者達よ・・・。
私の名前はルメンシャラ。
妖精の頂点に立つ者。
そして・・・天啓を授ける者・・・。

 


!!!

 


あんたが天啓を与えているというのか・・・アッシャに・・・。

 


罪深きアッシャ。
彼女に天啓を授け、罪を背負わせ続けるために永遠の命を与えた。

 


疑問があったの。
教えて頂戴。
何でここに魔王が封印されているの?

 


正確には、魔王の封印が施されている場所に妖精の森を作った。
魔王の封印が綻びないようにするために・・・。

 


綻びないように?

 


そう。
ミエラや大賢者達は封印に成功したといっても、大魔王の力は強大すぎる。
必ずや大魔王は封印を食い破りにくる。
それを防ぐために、我々妖精は封印の綻びを直し続けた。
だが、それも限界・・・。

 

 

ルメンシャラは淡々と語った。

 

 


食い破られる・・・まさにその時にそなた達が現れた。
これこそ僥倖。
そして、アッシャの試練も乗り越えた。
そのような者達を招くのは必定。

 


つまらん天啓を与えたものだな。

 


そう申すと思っていた。
だがな、大賢者といえどもアッシャのみでどうにかできる問題ではない。
だからこそ、我が天啓をもってして大魔王を倒す者達を集めようと思ったのだ。

 

 

そこへ、フェルリスが何か感じ取った様子を見せた。

 

 


ルメンシャラ様。
魔族も軍政が此方へ着ております。

 


なんですって!

 


魔王様の封印を早々にこわそうということか。

 


ついに来たか・・・。
各々に伝えよ。
逃げれるものは逃げるように、と。
だが、魔王の封印を守護している者達は残るように。

 


わかりました。

 

 

ルメンシャラつぶやくように言った。

 

 


そなた達ごと、封印を守護している我々を殺し、大魔王の封印を壊そうということか・・・。

 

 

続く

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