大魔王は黒煙となって消えた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大魔王が、倒れた・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇に支配されていた空間は、ただの岩の部屋に変わっていた。

 

 

 

その時・・・

 

 

 

ごごごごごごご・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

大魔王の居城が大きな音を出して崩壊し始めていた。
マリコのソードシャイニングは大魔王の居城をも切り裂いていたのだ。

 

 

 

 


どうしよう、皆動けない!

 

 

その時、生き残った戦士達が入ってきた。
大魔王の影響を受けて強くなっていた魔族たちが一気に弱くなり、全部倒し、更にはマリコ達が入って行った部屋から闇が消えた事に大魔王が倒れたことを確信した為であった。

 

 


ついにやったのですね!

 


でもでも、皆が!!!
それに、城が崩れ始めている!
喜んでいる暇はない!!!!!

 

 

生き残った者達は、すぐに状況を把握した。

 

 


抱えあげろ!

 

 

動けないシルビ達をそれぞれが抱え上げ、崩壊する城を後にした。

 

マリコ達が出たと同時に、城は完全に崩壊した。

 

大魔王は倒れ、マリコ達は生き残った。
それに歓声を上げる戦士たち。

 

 


誰か治癒できる人はいないの!
ミランヌが!!!

 

 

ミランヌはかろうじて息をしている状態で、非常に危険な状態だった。

 

 


おい、お前。
すぐに治癒して差し上げろ!!!

 

 

わずかに治癒魔法を使える戦士が生き残っていた。
慌ててその戦士はミランヌを治癒した。
ミランヌはどうにか死を間逃れ、意識を取り戻した。

 

 


大魔王は!!!???

 


倒したわ・・・。

 


!!!!!

 

 

そのマリコの言葉と同時に更に大きな歓声が沸いた。

 

 


ざまあ、みろ・・・。

 


・・・。

 


これが死か・・・か・・・・・・。

 


宇宙と同時に産まれた者らしい最後ですね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

マリコ達は崩壊した大魔王の居城を見つめた。
そして、思い出した。
大魔王の最後の表情を。
あの、安堵した姿を・・・。

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、マリコ達のからだから、ミエラ、ウエスタ、ベルデア、ヴァムの魂が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 


世界中の人々の心を一つに・・・・・・
私には出来なかった・・・。
ありがとう・・・。

 


お礼を言うのは私のほう。
あなたの力があったから、世界中の人々の心を一つに出来たの。
あなたの想いがあったから・・・・・・。

 


・・・。
さよなら、光の勇者マリコ・・・。
光り輝く魂を永遠に持ち続けてくれ・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


じゃあな、シルビ。

 


・・・ウエスタ。

 


情けない顔をするなよ。
俺はまた会えて嬉しかったぜ。

 


俺もだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


もう行くのだな、ベルデア・・・。

 


ランヴィが待ってるから・・・。

 


そうだったな・・・。

 


さよなら、ガラドゥ。
そして、ありがとう・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


行かないで、ヴァム!

 


僕は死者だよ、ミランヌ。
死者は死者の世界へ・・・・・・。

 


でも、でも・・・・・・。

 


愛している、ミランヌ。
さよなら・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ミエラ、ウエスタ、ベルデア、ヴァムは、消えていった・・・。
だが、消えていく魂の中に意外な者の姿が混じっていた。

 

 

 

 

 


ヘルガ!!!????

 

 

ヘルガの姿があったのだ。
その魂はマリコが最後に感じ取った力と同じものを宿していた。

 

そう、最後の力を与えたのはヘルガだったのだ・・・。

 

 


なんで、ヘルガが私に力を・・・・・・。

 


大魔王から引き剥がされたことによって、世界の人々の本当の魂の在り方に触れることが出来たのだろう。
それがヘルガの心に変化をもたらしたのかもしれぬ・・・。

 

 

マリコ達は去っていった魂を見つめ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


戻りましょう、皆の下へ・・・。

 

 

続く

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大魔王は再び闇を増幅させていった。
だが、マリコ達は怯まなかった。
世界中運の人々と死んでいった仲間達と共に戦う。
それらが、マリコ達の心を強めていた。

 

 


余カラ、アノ者達ノ魂ヲ取リ出シタ程度デ勝テルト思ウナ・・・。

 

 

嘲笑うように言う大魔王。
それに対して、マリコは言い放った。

 

 


あんたには分からないでしょうね。
あんたが700年前の再現を失敗したわけを。

 


ク、ククク・・・
詰メガ甘カッタ、ソレダケダ。

 

 

そんな大魔王の言葉をマリコは鼻で笑った。

 

 


宇宙同じくして生まれたのよね、あんたは。

 


ソウダ。
ダカラコソ、破滅サセル使命ガアルノダ。
始マリニハ終ワリハツキモノ。

 


そんなんだから分からない。
思い上がった性根でどうにかできるほど、私達は脆くはない!!
あんたは・・・間違っている・・・!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び激戦が始まった。

 

 

 

 

今度はガラドゥの攻撃を斧をつかまず腕をへし折って、投げ捨てる大魔王。
即座に治癒するミランヌ。

 

 

大魔王の力は弱まったはずなのに、リスキンの闇の剣は通じない。
リスキンはスピードでかき回すことすら出来ない。
大魔王はリスキンの攻撃が通用しないことをわかっているから相手にしない。

 

 


くっ・・・。

 

 

また、大魔王は逆に本気になった為にフェルリスが炎を消すことが出来なくなりつつあった。
力が弱まっても、大魔王は強い。
強すぎた。

 

悔しそうに唇をかむリスキン。
産まれ出でたときから誰にも振り向かれず、ヘルガの元では虐殺しかしてこなかった自分に、内なる賢者がいるはずもない。

 

フェルリスは、パワーアップした皆の力を合わせてもまだ力が足りないことが悔しかった。
これほどまでにパワーアップしたのに、まだ足りない・・・。

 

リスキンとフェルリスは、あまりの無力さに悔しさしかなかった。

 

 


悔しがっている暇はないわ!!
リスキン、フェルリス!!
フェルリスがいなければ炎を少しでも軽く出来る人はここにはいないの!
ガラドゥは速さと力両方の扱いには慣れていない、リスキンの動きを真似るしかないの!
分かったら、腐ってないで動きなさい!!

 


!!

 

 

そうだ、腐っている場合ではない。
二人は動きを止めるのをやめた。

 

 

炎を若干軽くするフェルリス。
その中を多少ダメージを食いながらも進んでいくマリコ達。
ダメージはミランヌがすぐに治癒する。
即死しなければ、どうにかなる。

 

 

その混戦の中で正確に大魔王を狙うシルビ。
大魔王以外、誰にもかすらせもせずに・・・。
大魔王は避けるが避けきれずにかする。
シルビの銃弾に痛みを覚えている隙をつくマリコ達。

 

 

だが、極めて魔弾の数は限られている・・・。
底を突き始めた・・・。
シルビは焦り始めていた。
どうにかして大魔王に直撃させなければいけない、でも、そればかり狙ったら仲間にかすってしまうかもしれない。
そうなったら、死んでしまうのは分かりきったことだ。

 

 


散れ!!

 

 

シルビは叫んだ。
全員がその意図を理解して、一気に大魔王から離れそれに乗じて大魔王に魔弾を撃ち込むシルビ。
だが、分かりきったことといわんばかりに、今度はかすりもせずに避けた。
凄まじい速度を持った銃弾だが、その速度に大魔王は慣れ始めていた・・・。

 

 


!!

 

 

シルビの魔弾が最大の頼みの綱なのだ。
まだ、力が残っていた時に直撃した時の大魔王の苦しみ方を見れば分かる。
眷族の魂を抜かれて力の大半を失った大魔王には、更に強力に聞くのは分かりきったことだ。
そもそも、かすっただけで大魔王は痛みにこらえている。

 

 

 

シルビは思った。
どうしたらいい、どうしたら直撃できる・・・?

 

 

 


弱気になるな、シルビ!

 

 

ウエスタの声が脳に直接聞こえた。
そうだ、弱気になるな、そんな暇はない。

 

その後は、ひたすら消耗戦になった。
しかし、炎をどうにか軽くしてきたフェルリスの魔力が底をつき始めた。
フェルリスは焦った。

 

それを狙ってたかのように大魔王は一気に全員に向かって炎の海を出した。
フェルリスは動揺してしまっていた為にそれを軽くするタイミングを逃し、全員にぶつかった。

 

炎を受けたとはいえ、大魔王の力は弱まっていたためにどうにか全員は動ける状態だった。

 

 


ク、ククク・・・
死ネナカッタ分、苦シミガ増エルコトニナル。

 

 

ミランヌは必死で仲間を治癒する。
だが、流石に全員いっぺんにとは行かない。

 

その隙に大魔王は、再び闇の氷を作り出して、氷の刃を降らせる。

 

避けれたのは動きの速い、マリコとリスキンとガラドゥだけだった。
シルビとフェルリスとミランヌは直撃を受けた。
直撃とはいえ急所は外れている。
生きてはいる。
だが、それだけだ。

 

 

それに満足している大魔王に・・・

 

 

シルビが最後の魔弾を直撃させた。

 

 


グッ、グアアアアアアアアアア!!!

 

 

あまりの痛みに叫ぶ大魔王。
確実に効いていた。

 

 


ざまあ、見ろ・・・。

 

 

シルビは倒れながらも最後の力を振り絞ったのだ。

 

だが、大魔王は動ける程度には力を残していた。

 

 


頑丈だなあ・・・でも、結構なダメージにはなったぜ。

 


ありがとう、シルビ!
後は任せて!!

 

 

とはいえ、ミランヌは完全に動けない。
息もしているし意識もあるが、それだけだ。

 

ミランヌは動けない状態でも、何とか治癒をしようとするが意識が朦朧として治癒がうまくいかない。
何とか指一本動かしマリコの治癒はした。
そこで力尽きた。
意識がどうにかあるだけの状態、それだけになった。
ヴァムの力で息をしているだけだった。

 

マリコとガラドゥとリスキンは一気に連携して再び大魔王と戦った。
今度はリスキンの闇の剣も通じるようになっていた。
だが・・・

 

 


ぐああああああああ!!!

 

 

攻撃を繰り出している最中、リスキンの足がへし折られた。
闇の剣の攻撃が通じていることに集中し過ぎた為に、隙が出来ていた。

 

治癒するミランヌはいない。
先ほどの炎のダメージもある。
そして、最大の武器である足を封じられた。

 

そして、どうにかして、ガラドゥとマリコをはじき返す大魔王。
大魔王は息切れし始めている。
どうにかできるのではと思い始めたが・・・。

 

だが、その考えは甘かった。

 

再び炎の海を作り出す大魔王。
ガラドゥは慌てて一番ダメージが深いミランヌをかばった。
しかし、ガラドゥも先ほどの炎のダメージが酷く残っていた。
またも同じ炎を浴びたのだ。
動こうにも動けなくなった。

 

立っているのは、またもやマリコのみになった。
マリコはミランヌに全回復されていた。
また、大魔王の炎の海はシルビの攻撃で弱まっていたのもあった。
ゆえに立っていられた。
しかし、それは鉄壁の精神力によるものでもあった。

 

後、後少しなのに・・・体が言うことが効かない・・・・・・。
マリコは必死で動こうとあがいた。

 

その時・・・

 

 


世界を救う力を求めるのです。

 

 

脳内に声が響いた。

 

 


え?

 


祈るのです、力を貸してほしい、と。

 

 

このままでは自分達どころか世界は破滅してしまう。
その言葉に頷き、マリコは祈った。

 

どうか、力を・・・と。

 

すると、内側から、何か力を与えてくれるものが現れた、そう感じた。

 

誰かは分からない。
しかし、力がわいてくる。

 

大魔王は満足している、再びマリコしか立ってない状況下に。

 

今がチャンスだ。
マリコは祈った・・・すると・・・・・・

 

マリコの光る剣が更に光り輝いた。


!!!???

 

 

 

 

 

マリコは力があふれ出すのを感じた。
そして・・・・・・

 

 

 

 

 


ソードシャイニング!!!!!!!!!!!

 

 

 

大魔王にソードシャイニングが直撃した。
そのソードシャイニングはベルドゥーガを倒したときよりはるかに大きな光りの刃になって大魔王を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


・・・・・・コレガ死カ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大魔王はどこか安堵した表情を浮かべて黒煙となって消えた。

 

 

続く

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マリコのみしか立ってない状況。
そのマリコも、もう、限界をとっくに過ぎていた。

 

 

絶望が広がる空間。

 

 

マリコは唇をかんだ。
分かっていた、状況も、自分の無力さも。
700年前とは違うのだ。
8人もの大賢者達はいない。
自分の中の賢者・・・ミエラは召還できても、それだけだ。

 

 

世界中の人達の力を借りてもなお、大魔王に全く歯が立たない現実にマリコは悔しさがにじみ出た。

 

 

自分は無力だ。
力が欲しい。
力をかして欲しい・・・。
世界中の人々の力のお陰でベルドゥーガを倒した時のように、また力をと。

 

 

そうマリコが願った、その時だった。

 

 

シルビ、ガラドゥ、ミランヌ、それぞれの体が光り、小さな魂達が出てきた・・・。

 

 

シルビの体からは、ウエスタの魂が。

 

 

ガラドゥの体からは、ベルデアの魂が。

 

 

ミランヌの体からは、ヴァムの魂が。

 

 

 


!?

 

 

 


シルビ、まだお前死んでないじゃんかよ、弱気になるなよ。

 

 


ガラドゥ、私、あなたにランヴィのように死んで欲しくないの。

 

 


ミランヌ、僕がついてるよ。

 

 

 

そして言った。
賢者として力を貸す、と。

 

 


いったい何が・・・?

 

 

この状況にマリコは驚きを隠せなかった。

 

 


マリコ、あなたの能力です。

 

 

怪我だらけの体でフェルリスは上半身を起こしマリコに語った。

 

 


私の?

 


そうです。
貴女は無力さを感じたのではないですか?
私と同じように・・・。

 


・・・!

 


貴女は己の無力さを認めた。
自分の内なる心に正直になった。

 

 

そう、マリコは否定しなかった。
自分の無力さを。

 

 


でも、そんな能力は私には・・・

 


言ったはずです。
光属性には内なる賢者を召還することが出来ると。
それは他者にも当てはまるのです。
貴女の祈りが、彼らの内なる賢者を召還させることが出来た。

 


!!

 


賢者に選ばれた者達は、潜在的に魔力が強力な者達なのです。
そして、それぞれと繋がりが深い。

 

 

 

 

 

そうしているうちに・・・

 

 


そうだな、おれはまだ死んでねえもんな。

 

 

シルビは立ち上がった、満身創痍な体で。
それは、ガラドゥもミランヌもそうだった。

 

 


そなたにまた死を見せるわけにはいかん。

 


ヴァム、そこにいるのね・・・。

 

 

そして、賢者が与えられた三人の怪我は気がつけば癒えていた。

 

ミランヌは癒えた体でマリコとリスキンとフェルリスの体を治癒をした。
あっという間に、全快に。
今までにない魔力で。
それにはミランヌも驚いた。

 

 


ヴァム・・・。

 

 

ミランヌは、もう自分の中に消えて見えなくなったヴァムの存在を感じずにはいられなかった。

 

 


“賢者”・・・

 

 

大魔王は呟いた。

 

賢者が現れた。
それは、大魔王には意外な展開だった。

 

光属性は内なる賢者を召還できる。
それは知っていた。
どうやれば召還できるかも。
だが、このような状況下でそれが出来るとは・・・。

 

リスキンはウエスタとベルデアの魂を見て罪悪感を覚えた。
ウエスタはヘルガのお気に入りだったが、ウエスタのように普通の精神状態を保っている者は危険だと考えていた。
そして、ベルデアは自分が見殺しにして少女・・・。
ヘルガが何をしたいのか知っていながら何も思わずにいた。

 

また、マリコはヴァムの魂を見て、喜びと共に罪悪感を抱いた。
自分の慢心が彼の死を招いた。

 

だが、シルビ、ガラドゥ、ミランヌは違う。
それぞれが、大切に思っていた存在が力を貸すといって現れた。
また会えた事、共に戦えること、それらを喜んだ。

 

 


戦うぜ、皆!!
ウエスタ達もな!
これからが本番だ!!

 

 

シルビの言葉に、マリコとリスキンは我に返った。
そうだ、戦わねば。
彼らは共に戦うといっている。

 

 


そうね!
これからが本番よね!!

 

 

マリコ達は再び構えた。
シルビ、ガラドゥ、ミランヌはパワーアップしていた。
尋常でないほどに。

 

マリコとシルビとガラドゥが、同じように大魔王に突進していった。
ガラドゥは武具を着けているというのにリスキンと同じ速さだった。
リスキンは内なる闇を開放しており、そのスピードは尋常ではないのに・・・。

 

先ほどと同じく、大魔王は炎の海を作り出す。
それを同じくかき消すフェルリス。
それと同時に到着したリスキンとガラドゥが攻撃を繰り出す。
凄まじいスピードが一人増えた。
しかも、リスキンの攻撃は効かないが、ガラドゥの攻撃は大魔王に血を流させた。

 

 


!?

 

 

大魔王が驚くと同時にマリコが光の剣を繰り出す。
直撃は防げたものの、流石の大魔王も全世界の魂がこめられた光の剣に傷ついた。
そこへ異常なまでに速さを増したシルビの魔弾が直撃した。

 

 


クッ!!

 

 

大魔王は苦しんだ。
流石の大魔王も、シルビの魔弾に苦しんだ。
魔弾の数は減っていたので、大魔王に直撃したのはリスキンの血を使った銃弾だった。

 

 


先ホドマデトハ違ウ“兵器”・・・?

 


残念ながらな。

 

 

大魔王の様子から、リスキンの血を使った銃弾のほうが威力が上であることをシルビは感じ取った。
リスキンの思いのこもった銃弾だ。
効くに決まっている、シルビは思った。

 

 

大魔王が痛みを覚えているその隙に・・・

 

 

ミエラが現れた。

 

 


皆、大魔王の元へ!

 

 

 

その掛け声と共に、ミエラ、ウエスタ、ベルデア、ヴァムが大魔王の中に入っていった。
そして、大魔王の中にある4つの魂のそれぞれ・・・ノーティ、ヘルガ、アルテメシア、ベルドゥーガの眷族の魂を引き抜いた。

 

 

 

それによって大魔王から溢れ出している闇がみるみる減っていった。

 

 


やった!!

 

 

マリコ達は喜んだ。

 

 

だが・・・・・・

 

 


図ニ乗ルナ・・・人間ドモヨ・・・。

 

 

大魔王は再び闇を膨らませた。

 

 

続く

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奮起したマリコ達。
力を合わせて大魔王に立ち向かう。

 

大魔王が炎を海を作り出す。

 

 


ビックフラワーマジック!!!

 

 

それをかき消すフェルリス。

 

 


ク、ククク・・・
面白イ・・・・・・

 

 

その炎が消えた中を縫ってかけていく、マリコ、リスキン、ガラドゥ。
最もスピードの早いリスキンが闇の剣を繰り出し、それに合わせたかのように次の瞬間にマリコが攻撃を仕掛けた。
それらを避けた大魔王の次の瞬間にガラドゥが斧を振った。

 

大魔王にガラドゥの斧が当たった。
しかし、ガラドゥの斧は大魔王の手に握られ、巨漢のガラドゥはそのまま放り投げられた。
大魔王がガラドゥを放り投げた次の瞬間シルビが魔弾を大魔王に撃ち込む。
しかし、それを分かってたかのように避ける大魔王。

 

 


!!

 


見事ナ連携ダ。
ク、ククク・・・。

 

 

マリコ達は諦めず、攻撃をし続けた。
しかし、大魔王はそんなマリコを嘲笑うかのように、攻撃を悉くかわす。
混戦の中、シルビは的確に魔王に狙って魔弾を撃ち込むが全て避けられる。

 

 


ソノ程度、能力ガ上ガッタカラトイッテ、余ニカナウトデモ思ッタカ。

 

 

そして、一瞬全員が怯んだその隙に巨大な闇の炎を浴びせた。
マリコ達は防御を取ったが、全員が大怪我を負った。
ミランヌは自分の怪我も忘れて、必死でマリコ達の治癒をする。
能力の上がったミランヌの治癒は素早かった。

 

 


中々ニ良イ治癒能力ヲ持ツナ、エルフノ娘ヨ。
アルテメシアハ余ノ命令ニ背キ、エルフヲ根絶ヤシニシヨウトシタガ・・・。
人界ヲ破滅サセルニハエルフモ必要・・・。

 


 


エルフノ能力ハ計リ知レナイ。
ユエニ、人間達ハ畏怖ヲスル、エルフニ・・・。
ドウイウ意味カ分カルカ・・・?

 


分かるはずないでしょう、ボケ大魔王!!

 

 

マリコはミランヌの治癒で立ち上がり光の剣を繰り出す。
だが、悉くかわされる。
世界中の人々の魂のこもった光の剣が当たらない。

 

 


人界ハ内側カラ破滅サセルノガフサワシイト言ッタデアロウ?
ソレハエルフモ含マレル。
エルフハ人間達ニ排斥サレ、エルフモマタ、人間ヲ拒絶スル。
最強ノエルフノ魔法ノ使イ手イリヴィ、奴モマタ、ソノ秀デスギタ能力ユエニ同ジエルフ達カラ排斥サレタ。

 


!!!

 


人間ドコロカエルフノ地ニモイラレナクナッタ奴ノヨリドコロトナッタノハ、スニークト同ジヨウニ“仲間”トヤラノミダッタ。
ミエラ達ト共ニ戦ウ、ソレノミガ奴ノ存在意義ダッタ。

 

 

ミランヌはショックを隠しきれなかった。
誇り高いはずのエルフがそんな事を、と・・・。

 

 


破滅ハ人界全テニ広ガラナケレバナラナイ。
エルフモマタ、内側カラ破滅スルガヨイ。
700年前ノヨウニナ。

 

 

700年前のことはほとんど残ってないとエルダは悲しそうに言った。
そういうことなのだ。
混乱の中、内側から破滅しかけていたのだ、エルフもまた・・・。
その事実を、当時のエルフの長は封印した。

 

大魔王は、今度は闇色の氷を生み出した。
そして、それらを刃の形になってマリコ達に降り注いだ。

 

 


きゃあ!!!

 

 

全員が大怪我を負ったとはいえなんとか逃れたが、ミランヌは直撃を受けてしまった。
ミランヌは他の仲間ばかりの治癒をして自らを疎かにしていた為に、避けることができなかった。

 

 


ミランヌ殿!!

 

 

一番近くにいたガラドゥがミランヌに駆け寄る。
命には別状はないが、とても動ける状態ではない。

 

 


た・・・たいした・・・ことは・・・ありません・・・・・・

 


しゃべるな、ミランヌ殿!

 

 

ガラドゥもまた大怪我を負っていたがミランヌを背に臨戦態勢をとった。
もう、ミランヌは動けない。
攻撃をされた時にミランヌ抱えて逃げる者が必要だった。
それは、腕力が最も強いガラドゥが適任だった。

 

 


私は大丈夫・・・です・・・。
どうか・・・

 


放っとけと言うつもりか?
その様な寝言は聞く気はない。

 


ク、ククク・・・
ミエラ達モソウダッタ。
そなた達ノヨウニ面白イ存在ダッタ。
ソシテ、ダカラコソ消サレタ。

 


くだらないことを・・・

 

 

マリコもまた、重傷を負っていた。
頼みの綱のミランヌが動けなくなった。
怪我の治癒は望めない。
だが、ここで倒れるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大魔王の攻撃は止むことはなかった。
炎の海に氷の刃、両方を使い、マリコ達を確実にダメージを与え続けた。

そして、気が付けば立ってたのはマリコのみになっていた。

 

 

続く

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ベルドゥーガの魂は大魔王の居城へと吸い込まれていった。

 

ベルドゥーガは捨てなかった、最後まで。
その忠誠を。
大魔王の目的を分かっていながら。
だが、マリコの心には哀れみはない。
それがこの男の望む道だったのだから、と。

 

 


行きましょう、皆!
大魔王のところへ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、闇の空間にマリコ達は導かれた。

 

 


再ビ合間見エルトハナ、ミエラノ亡霊達ヨ・・・。
ソレニシテモ、中々、面白イコトニナッタ。

 

 

大魔王は心底楽しそうにマリコ達を見下ろしていた。
大魔王は宙にふわふわと浮かんでいた。

 

 


何が面白いことになったよ。
面白がっていられるのは今のうちよ!

 

 

そう言いながらもマリコは恐ろしくてたまらなかった。
あのときの絶望感・・・それを思い出すと震えそうになる。
だが、震えるわけには行かない。

 

一方シルビは、既に魔弾を装填していた。
前は大魔王と対峙しているのに、ドゥーガと戦ったときのようなことをしようとしていた。
隙あらば・・・と・・・。
それに、恐れていたのだ・・・魔弾を・・・・・・
でも、それでは駄目なのだ。
今は・・・。

 

 


デハ、イクトシヨウカ。

 

 

大魔王は闇の火炎を操り始めた。
6つの火炎を・・・。

 

今度は最初から、大魔王はその力を発揮した。

 

 


!!

 

 

必死でよけるマリコ達。
あまりの火力に、よけるたびに風圧だけで吹き飛ばされる。

 

 


コノ程度カ?
人間ノ魂トヤラハ。
ク、ククク・・・。

 

 

弄ばれている・・・
またもや・・・

 

マリコ達は闇の火炎をよけ続ける、攻撃する暇がない。
その時、ミランヌがよけきれずに火炎を受けそうになった。

 

 


ミランヌ殿!

 

 

それをガラドゥがかばった。

 

 


ガラドゥ!!!

 

 

ガラドゥの体はあちこちが焼き焦げていた。
それを慌てて治癒するミランヌ・・・だが・・・

 

 


サセヌ・・・
ク、ククク・・・・・・

 

 

大魔王はまたもやミランヌめがけて火炎を放った。
だが、ガラドゥは満身創痍の体でミランヌを抱えて火炎を避けた。

 

その時・・・シルビは大魔王に向かって銃弾を浴びせた。
それは大魔王の頬をわずかに掠めた。
突然だったために、わずかに隙が出来ていてよけきれなかった。
大魔王は、ほんの少し闇色の血を流していた。

 

 


攻撃に転じろ!
これ以上守勢に回るな!!!

 

 

その掛け声と同時に、全員が攻撃に回った。
火炎をよけつつ大魔王に近づこうとする。
だが、うまくいかない。

 

 


面白イ“兵器”ヲ作ッタモノダ、人間ヨ。

 

 

大魔王はシルビに向かって言った。

 

 


余ニ血ヲ流サセルトハナ・・・。
サスガハ人間・・・。
破滅ノ一手トナル“兵器”ヲ作ッタカ。
ク、ククク・・・・・・

 

 

シルビはその言葉に心が折れそうになるのを必死で耐えた。

 

 


そうだな、お前の破滅の一手になるな。

 

 

そう言って、大魔王が口を開いたのと同時にリスキンが闇の剣を大魔王に繰り出した。
火炎を、その猛烈なスピードでかわしながら。
リスキンは、一気に内なる闇のパワーを一気に開放したのだ。
今までは出来なかった。
だが、それに、ようやく成功した。

 

 


ソウイエバ、コノヨウナ楽シイ者モ混ザッテイタナ。
“スニーク”・・・。

 

 

その言葉と同時に、リスキンの闇の剣は大魔王の指先で跳ね飛ばされた。

 

 


なにっ!!

 

 

自らの内なる闇を最大に引き出しての闇の剣が指一つで跳ね返された。

 

 


スニーク・・・。
人間ニ迫害サレ、地下都市デシカ生キラレナカッタオ前ガ何故ソコニイル?

 


俺の時間を止めておいて、よく言う。

 


余ハオ前ヲ買ッテイルカラ、ソウシタ。
ソノ、ヤムコトノナイ内ナル憎シミヲ・・・。
残酷ナル人間ヲ憎ミ、残虐ナル魔族ヲ憎ミ、ソノ両方ノ血ヲ引ク己ヲ憎ミ・・・。

 


過去の話だ。

 

 

実際、リスキンにとっては過去の話だった。

 

 


過去ハ現在ト繋ガッテイル。
繋ガリハ断チ切レナイ。
オ前ハ憎シミニ溺レシ者。
ヘルガト同ジク、憎シミノ塊・・・。

 


否定はしない。
だが、今更だ。

 

 

大魔王の言葉に、リスキンは一切動揺しなかった。
何を言われようとも、関係ない。
仲間がいる。
それは、リスキンにとって全て。

 

 


おしゃべりしてるんじゃないわよ!!!

 

 

大魔王とリスキンの会話と途切れさせるかのように、マリコが光る剣を大魔王に繰り出した。

 

 


ソノ輝キガ、人間ノ魂ノ輝キトヤラカ・・・
面白イ見世物ダ・・・

 

 

そう言うと同時にマリコに火球をふわふわと投げ出した。
それを剣で受け止めて突進しようとしたマリコだったが・・・

 

 


きゃあ!

 

 

光る剣での防御は失敗した。
マリコは火球に飲まれ、大怪我をおった。
それに慌てて治癒を施すミランヌ。

 

ガラドゥが繰り出した斧を受けても何事もなかったのかのように立ち。
フェルリスの魔法を浴びせようにも何の“溜め”もなく火球を作り出し、消し去る。
リスキンの闇の剣は、やはり、指先一本で跳ね返される。
シルビは、結局は闇の炎をよけるのに精一杯で、魔弾を撃ち込むどころではない。

 

大魔王は圧倒的過ぎた。
何も効かない・・・。
どうすれば・・・。

 

 


まだよ!!!

 

 

ミランヌの治癒を受けて回復したマリコは、一気に大魔王に突進した。
マリコの戦意は全く衰えていなかった。

 

 


ボケボケしてないで、皆!

 

 

諦めかけていた仲間をマリコは叱咤した。
恐ろしくないと言えば嘘になる。
しかし、諦めてどうなる。
無意味だ、諦めなど。

 

 


援護して、シルビ!!

 


了解!!!

 

 

そうだった。
シルビの作り出した魔弾は効いていたではないか。
掠めた頬には漆黒の血が流れていた。

 

 


結局ハ“兵器”ニ頼ルカ・・・
サスガハ人間ヨ。
業ノ深イ生キ物・・・・・・
ソノ“兵器”デ人界ガ破滅するのを見ルノモ一興カモシレヌナ。

 

 

大魔王の言葉はシルビの心を抉る。
配合の紙も研究の紙も全て燃やした。
しかし、いつかは誰かが追いつく時が来る。

 

 


自分を信じろ、シルビ!
お前の力は破滅のための力じゃない!!

 


!!

 

 

リスキンの言葉に我に返るシルビ。
破滅のためにシルビは力を生み出したわけではなかった。
正義を行うために作ったのだ・・・。
だが、作り出した力は、恐ろしいほどの威力だを持つ兵器になった。
魔族の血を使い、あらゆる劇薬を調合し・・・。
下の下だ、このようなものは。
正義と称し生み出した力は、大魔王の言うとおり、使い道しだいでは破滅をもたらすであろう。

 

しかし、今は大魔王の言葉に揺さぶられている場合ではない。

 

 


援護を頼む、シルビ殿、ミランヌ殿!

 

 

シルビとミランヌは頷いた。

 

ガラドゥもマリコに続いた。
リスキンは再び闇の剣を出した。
フェルリスはそれぞれに向かっていく闇の火球を魔法でかき消していく。

 

何も効かないと諦めかけていた。
しかし、マリコの、まるで諦めてない姿に、全員の心が奮い立った。
シルビはリスキンの言葉で自分を無理やり立ち上がらせることが出来た。

 

その一丸となった心は、フェルリスの能力で、全員の潜在能力をアップさせた。

 

 

続く

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そんなマリコにフェルリスは静かに声をかけた。

 

 


マリコ、貴女は自分で一人では何も出来ないと言ったばかりではないですか。

 


そうよ、何も出来ない。
でも、一人とか言っても、本当は違うわ。

 


え?

 

 

マリコは笑顔をこぼした。

 

 


この剣には世界中の人たちの力がこめられている。
この戦いは、私と世界中の人達でするの。
そして、見せ付けるの。
世界中の人々の魂のあり方を。
力が正義だと言っている、この馬鹿眷属にね。

 

 

マリコの言葉に、皆は動けなくなった。
世界中の人々の魂の在り方を見せ付ける・・・。
その言葉に・・・。

 

 


話し合いは終わったか。

 

 

刀剣を構えたまま、ベルドゥーガは問うた。

 

 


相変わらず律儀ね。

 


武人として当然だ。
それに、ドゥーガに怒られてしまう。
自分は卑劣な行為をしてもいいけど、俺はするな、だとよく言っていた。
お前も卑劣な行為をするなとか何とかでよく喧嘩したがな。

 

 

ベルドゥーガは苦笑した。
別に恨みはない。
ただ、ドゥーガを倒した者達を見ると、どうしても思い出してしまうのだ。

 

 


世迷言ね。
メッルで自分達がしたこと、忘れたの?

 


そちらこそ、世迷言を。
軍隊対軍隊だ。
わざわざ俺はメッルに駐在する軍隊と同じ数の魔族を連れて行った。

 


そう・・・普通の人まで殺したくせにね。

 


弱いから死んだ、それだけだ。

 


あんたとはかみ合わないようね。
とっととけりをつけましょうか・・・。

 


そうだな・・・。

 

 

このような状況下、何が起こってもおかしくない。
強くなければ死ぬ。
それは当たり前のこと。
死ぬかもしれない、その覚悟を持て。
それがベルドゥーガの考えだった。

 

マリコは静かに、剣を鞘から抜いた。
そこには光り輝く剣があった。
しかも、刀身そのものが光で出来ている。

 

 


!?

 


これは世界中の人たちの魂の輝き。
見せてあげる、世界中の人々の魂の強さを。

 


驚いたな・・・。
だが、こちらも負けるつもりはない!
いざ!!

 

 

その声と共に両者がぶつかり合う。
マリコはなんと、力がアップしたはずのベルドゥーガと互角に渡り合っていた。
全員が、それに驚いた。
フェルリスもまた、その一人だった。

 

刀剣を繰り出すベルドゥーガ。
それをよけると同時に剣を繰り出すマリコ。
感覚が研ぎ澄まされているのを、マリコは感じた。
刀剣と剣が弾きあい、二人は一度距離をとった。

 

 


この短期間でこれほどまでとは・・・。
俺は嬉しいぞ。

 


嬉しいと思っていられるのは、今のうちよ。

 

 

世界中の人々がマリコの感覚を研ぎ澄まさせてくれている。
マリコはそう思った。

 

ニ双の刀剣が舞うように繰り出される。
全く無駄のない動き。
避けると攻撃をほぼ同時に繰り出すマリコの攻撃を凌ぐベルドゥーガ。

 

だが、だんだんとお互いの攻撃を凌ぎきれずに血が出始めた。

 

 


マリコ!

 

 

治癒をしようとしたミランヌをマリコが制した。

 

 


やめて、ミランヌ!
これは私と世界中の人たちの思いをぶつける戦い。

 


!!

 

 

ベルドゥーガは刀剣を操る、無駄なく・・・。
だが、それをことごとくマリコは捌く。
流れるように・・・。
腕力では負ける、だからマリコは受け流していた。
今までとは比べ物にならない、美しい動きで。
マリコの動きに、荒っぽさが消えていた。

 

マリコはベルドゥーガが突進してくる、その前にベルドゥーガの動きを感じ取っていた。
そのために、よけると攻撃をほぼ同時に繰り出すことが出来、ベルドゥーガの刀剣がくるのを察知して綺麗に受け流すことが出来た。

 

両者の互角の攻防に、均衡が崩れ始めてきた・・・。
マリコが押し始めてきたのだ。

 

マリコの剣が当たり始めてきた。
ベルドゥーガは急所に貰わないように必死になり始めてきた。

 

 


くっ!

 

 

だが、怯まない。
押されようがなんだろうが、ベルドゥーガは負けるつもりはなかった。

 

それはマリコとて同じ。
負けるつもりなどない。

 

そして、目の前の男を押しているとはいえ、慢心すればその隙を付かれる。
何度も経験してきたこと。
それを繰り返すつもりは毛頭ない。

 

マリコは攻撃の手を休めない。
勝つことしか考えずに・・・。

 

そうしているうちに・・・。

 

 


ぐあああああああ!!!

 

 

急所にマリコの剣が当たった。
マリコはその隙を逃さなかった。
出来る、今の剣は常に光り輝いている、溜めは必要ない。

 

 


ソードシャイニング!!!!!

 

 

マリコの放ったソードシャイニングは、マリコ自身も驚くほどの巨大な光の刃を生み出していた。
そして、その光の刃はベルドゥーガを切り裂くだけでなく・・・

 

 


結界が・・・壊れた!!!

 

 

その状況に皆が驚いた。
黒煙に変わっていくベルドゥーガも、また同じ。

 

 


・・・これがお前たちの魂の力、か。
では俺の最後の魂の力を見せてやろう。

 

 

マリコは構えた。
ベルドゥーガは巨大なソードシャイニングを浴びて大量の出血を出して、黒煙になりつつある。
だが、油断してはならない。
アルテメシアのときを思い出せ。

 

 


魔王様・・・俺の魂を・・・謙譲・・・しま・・・す・・・・・・。

 

 

その言葉を最後にベルドゥーガは完全なる黒煙となり消えた。

 

 

続く

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マリコ達は大魔王の居城へと向かった。
その最中、誰も口を開かなかった。
あまりにも圧倒的な存在。
その敵に向かう・・・。
それはあまりの重圧だった。

 

大魔王の居城に着くとそこには城を背に一人の男が立っていた。

 

・・・ベルドゥーガだった。

 

 


ベルドゥーガ!!

 

 

全員が身構えた。

 

 


少しはマシな顔になったな、光の勇者よ。

 


あんたはマシじゃないままね。

 


それは残念だ。
だが、そんなことはどうでもいい。
先日の続きと行こうか、光の勇者よ。
1対1で・・・と言いたい所だが、まあ、そなたらは同意してくれそうにないだろうな。

 


当たり前だ、ボケ眷属。

 


待って!

 


どうした、マリコ殿?

 


その勝負、受けて立つわ。

 


へ!?
何考えてるんだ、お前!!

 

 

シルビどころか、その場全員が慌てた。
ついこの前は一方的だった出はないか。

 

 


馬鹿だとかアホだとかいう言葉は甘んじて受けるわ。
だけど、コイツを一人でねじ伏せられずに大魔王と戦うなんて、お笑い種だわ。
それに・・・コイツはなんだかんだで卑怯な手は使わない。

 

 

その言葉にベルドゥーガは満足した笑みを見せた。

 

 


その言葉・・・嬉しいぞ!
さすがは俺が認めた戦士!!

 

 

その様子を見ながら、静かにマリコはベルドゥーガに問うた。

 

 


その前に、聞きたい事があるの・・・。

 


何だ?

 


あんたは大魔王に対する忠誠でここに立っているの、それとも、単純に戦いたいだけ?

 


両方だ。

 


大魔王の目的は知っているの?

 


・・・。

 

 

ベルドゥーガは黙った。
うすうす気が付いていたからだ、その目的を・・・。

 

マリコは、その沈黙を肯定と取った。

 

 


気が付いているのか、そもそも知っていたのかは知らないけど・・・。
それなのに、なぜ、あなたは大魔王に忠誠を誓っているの!?

 


俺は武人だ。
一度忠誠を誓った以上、それを覆すことはありえん。

 


それは間違った忠誠だわ。

 


何とでも言うがいい。

 

 

ベルドゥーガにも分かっていた。
己の愚かさを。
それでも忠義を捨てられなかった。
絶対に忠誠を尽くすと誓った存在。
その存在を、どのような目的を持っていようとも、絶対に忠義を尽くすと誓った以上は翻すなどありえなかった。

 

 


では、始めると行こうか・・・。

 

 

ベルドゥーガは静かに刀剣を構えた。

 

 

続く

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歓声が沸き起こり、人々の心は一つになった。
それによって、ミエラの剣は光の剣へと変わった。

 

ミエラこそが、マリコの“賢者”だったのだ。

 

マリコは口を開いた。

 

 


行きましょう、大魔王の元へ・・・。

 

 

そう、行かねばならない・・・。
どれほどまでに強大な存在であろうとも。

 

 


待ちなさい。

 


え?

 


皆も貴女も、まだ疲れている。
休んでからにしなさい。

 

 

マリコはしばらく考え、そしてフェルリスの言葉に頷いた。

 

 


・・・そうね・・・分かったわ。

 

 

確かにそうだった。
マリコだけでなく、皆、肉体のみならず精神的にまいっていた。
怪我はミランヌの治癒でどうにか出来ても心まではどうにも出来ない。
万全の状態でなくては、駄目なのだ。

 

 

 

*********

 

 

 

翌々日。

 

 


皆、心の準備はいい!

 

 

全員が頷いた。
その中には生き残った精鋭部隊も含まれている。
強力な魔族達を相手にしてもなお、生き残った者達だ。
大魔王との戦いをするためには必要不可欠な存在だった。
彼らの役割は前回と一緒で、マリコ達が大魔王の相手をしているときに邪魔が入らないように他の魔族の相手をすることだった。

 

メッル・・・バルヌのことはダルメラに委ねた。
メッルには既にマリコの言葉を聞き、生き残った兵士達が集まり支持を仰ぎに来ていた。

 

それをそつなく指示を与えるダルメラ。
必要な書類を用意をするリビル。

 

今まで指揮系統がフェディールに偏っていたのを見直し、各地に隊長や副隊長を勤めていた者の中から有能な者を抜擢し、地域を区切ってそれぞれの指揮官とした。
そして、その中の最も有能者を副総司令官とした。
ダルメラは自分が去った後のことも考えてのことだった。
自分が去った後は、自分が任命した総副司令官を総司令官にすることを全員に伝えた。

 

メイラから伝書鳩が到着した。
メイラの混乱は何とか落ち着いてきたとの連絡だった。
ダルメラは心から胸をなでおろした。
信じてよかった、自分が選んだ者達を・・・。

 

メッルを出るとき、マリコはダルメラに礼をいった。

 

 


ありがとうございました、皇王様・・・。

 


いや。
礼には及ばぬ。
これは余の勤めだ。

 


・・・それではないのです。

 


ではなんだ?

 


私が弱さを認められたのは、皇王様のお言葉のお陰です。

 


余の・・・?

 


そうです。

 

 

一人夜で考えてたときにダルメラは現れて、マリコの心を見透かした。
そして、ダルメラの本当の姿。
それらがマリコの心を膿を取り除いた。

 

マリコは深々と頭を下げた。
ダルメラはマリコが何に礼を言ったかを気がついた。

 

ダルメラは心にしまっていた、誰にも言ってなかったことを言った。
マリコの葛藤を自分に重ね合わせて・・・。
礼を言われたかったわけではなかった。
しかし、マリコの心が嬉しかった。

 

 


礼を言われることではない。
それより、大切なことがある。
よいか、そなた達は必ず生きて帰るのだ。
それは、希望だ。

 


はい!

 

 

マリコは力強く頷いた。

 

マリコは以前ダルメラが言った言葉を思い出した。

 

“多くの犠牲の上での平和など、所詮砂の楼閣だ。”

 

そう、生き残らねば・・・。
砂の楼閣など作ってはならない。

 

 


じゃあ、行くとしますか。
二人の世界を邪魔して悪いけど。

 

 

シルビはにっと笑った。

 

 


世界???

 

 

マリコは意味がわからなかったが、ダルメラは真っ赤になっておろおろしだした。
リビルは流石に今はまずいと思ってシルビをにらめつけダルメラの足を思いっきり踏みつけた。

 

 


何をする、リビル!

 

 

その様子に全員が笑いをかみ殺した。
張り詰めすぎた心の糸が少しほぐれていくのを全員が感じた。

 

 

続く

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“己は勇者である前に一人の弱い人間であるということを理解するのだ。”

 

ダルメラの言葉が頭から離れない。
そして、そういえばシルビも言っていた、マリコは弱い、と。

 

翌日、それを胸にしながら、剣の型をし続けた。
己の雑念の正体を知るべく、無心になって・・・。
無心というものが何か分からない、それでも、そのつもりになって、剣を振り続けた。

 

 


貴女は、まだ、雑念だらけですね。

 


・・・そうね。
でも、一つ分かったことがあるの。

 


それはなんですか?

 


私は人の心を理解してなかった・・・。
自分のことばかりだった。

 


それは、何故?

 


勇者であることに、また、拘りすぎていた。

 


その通りですね。
あなたは、人の心を理解していなかった。

 

 

フェルリスは容赦なく、マリコのその言葉を肯定した。

 

 


型を続けるわ・・・。

 

 

雑念がまた、浮かんできた。
マリコは感じ取った。
そう、自分は弱かった。
ダルメラが言っていた通り、プライドばかりが優先されていた。
勇者であるプライドが・・・。
自分の中にあったのは、“誇り”、ではなく、驕り高ぶった“プライド”しかなかった。
人々の苦しみを分かっているつもりなだけだった。
だが、その実、自分の苦しみばかりを憤っていた。
人々の苦しみを蔑ろにしていた。

 

ゆえに、大魔王との戦いに敗れたことも認めなかった・・・。
マリコはそう思った。

 

そう思った、その瞬間・・・

 

 


!!!

 

 

マリコの剣、いや、ミエラの剣が光り輝いた。
マリコを含め、その場にいた全員が驚きを隠せなかった。

 

 


貴女は、ようやく、負けを認めたのですね・・・。
その剣の輝きが証明している。

 


でも、私は無心なんて理解していない。

 


理解したのです。
認めなさい。
それとも、その剣の輝きを否定するのですか?

 


!!

 

 

そう、剣は光り輝いていた。
何かを訴えかけるように・・・。

 

 


私は・・・弱い。

 


そうですね。

 


一人では何も出来ない。

 


その通りです。

 


それなのに、また、一人でどうにかしようと考えていた・・・。

 


でも、それに気がついた。

 


私は、大魔王に負けたの・・・。
弱かったから・・・。

 

 

涙が出そうになった。
弱いゆえに、負けた。
それは実力差だけではない、心のあり方も原因だった。

 

 


私の力とそのミエラの剣の輝きをの力を使って、全世界の人々の心に訴えかける。
起こった全てを・・・
そして、あなたの言葉を・・・。

 

 

そう言うと、フェルリスの体は光り輝いた。
そしてフェルリスは目を瞑り、まるで瞑想しているかのようになった・・・。

 

 


まずは、私達の戦いの様子の映像を流します。

 

 

そうするとフェルリスの体は更に光を放ち、その光は四方に飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映像が流れる・・・人々の心の中に・・・・・・
マリコ達の魔王との戦いが・・・。
その場にいた戦士たちは驚いた。
だが・・・

 

遠く離れた地の戦士達にも見えた。
その内側から魔王とのマリコ達・・・光の勇者達の戦いが見えた・・・。
その圧倒的なまでの大魔王の力。
濁った光の雨を降らせる大魔王の姿。
そして、マリコの慟哭を・・・・・・。

 

 


何だ、これは!

 


これは、光の勇者と大魔王との戦い・・・?
こんな相手と戦ったのか、光の勇者達は・・・・・・。

 


馬鹿、光の勇者様と呼べ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェルリスは一呼吸をして目を開けた。
人々の声が、フェルリスには聞こえた、驚く様が。

 

 


伝えることに成功しました。
戦いの様子を・・・。
ではマリコ。
今度はあなたの番です。
言葉を・・・皆にあなたの思いを言葉にしなさい・・・。

 

 

マリコは黙って頷いた。

 

 


私たちは大魔王に負けました。
弱かったばかりに。
私は、その心が弱かった。
世界中の人々が戦っていることも忘れ、自分で何とかなると思い上がった。
しかし、私は気がつきました。
大魔王には皆が力を合わせなければ勝てないということに。

 

 

マリコは大きく息を吸った。
人々に届けよう、自分の心の声を。

 

 


皆の力を、貸して下さい。
そうでなければ、私達はまた負けてしまうでしょう。
大魔王は私達の心の弱さを利用し、絶望を与えることで人界を破滅させようとしているのです。
大魔王の目的は全ての破滅。
人界を壊すなら内側からと言っていました。
大魔王の思惑に嵌ってはいけません。
そして、人の心の本当の在り方を大魔王に見せましょう!
決して屈することのない心を・・・!!

 

 

その言葉は、全世界の人々の心に響いた。
あの濁った光の雨は、大魔王の仕業だったのだ。
濁っていたことに、人々は、今気がついた。
そして、恥じた。
信じ続けた存在を、人々を救い続けた存在を否定した己たちの弱さを。

 

歓声が巻き起こった・・・。
世界中から・・・。
あまりの歓声の渦に、マリコ達の元にも歓声が耳に届くほどだった。

 

その瞬間、輝いていた剣が更に輝いた。
あまりにもまぶしい光だった。
そして、それは神々しい光でもあった。

 

その輝いている剣の内側から、何かが出てきた。
揺らめく光る人物が・・・。

 

 


私はミエラです・・・。

 


!!!

 

 

その光の人物は、ミエラと名乗った。
その場全員が息を呑んだ。

 

 


この剣の中で、私は魂となって眠っていました。
私は、今、人々の心の輝きによって眠りから覚めたのです・・・。
人の心は、これほどまでに輝くことが出来るのか・・・。
そう思いました。

 

 

700年前、ミエラは救ったはずの人々に殺された。
存在を否定されて・・・。

 

 


光の勇者マリコ・・・貴女に私の力を貸しましょう。
“賢者”となって貴女の力になります。

 

 

そう言うと、ミエラの剣は光り輝く剣ではなく、光そのものの剣と変わった。

 

 


私は一人では魔王に勝てないことを認められなかった。
ですが、貴女は違う。
強き心で、その事実を認め、世界中の人々と力を合わせる事を決意しました。
それは、私には出来なかったこと・・・。
さあ、戦うのです。
世界中の人々と心をあわせて・・・。

 

 

そう言うとミエラは光の剣へとかえっていった。

 

 


・・・これは。

 


貴女は今、“賢者”の召還に成功したのです。
勇者ミエラ・・・それこそが貴女の“賢者”だったのです・・・。

 

 

続く

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マリコは焦っていた。
一日中剣の型をしていたが、“無心”と言われても理解できなかった。

 

このままでは・・・

 

 


焦りすぎるのも考え物だぞ、マリコ。

 

 

マリコが夜中一人考えているところに、ダルメラが声をかけた。

 

 


でも、こうしているうちに世界中の人たちは・・・!

 


・・・そうだな。
だがな、それでも焦るな。
人々を真に救いたいのであれば、万全の状態でなければ意味がないのだ。

 


しかし、私には“無心”といわれても何がなんだか分からないのです・・・。
どうしても・・・。

 


プライドが邪魔をするか?

 


!!

 


余もそうだったからな。
皇太子であるという自負。
皆の賛美の声。

 

 

ダルメラはマリコではなく外の暗闇を見つめながら言った。

 

 


その中、剣の指南役であった老師だけは違かった・・・。
余を決して褒めなかった。
それどころか、叱咤ばかりだった。
周囲の者は皇太子になんという態度をと怒り捕縛しようとしたが、余が止めた。
プライドゆえな。
この老師に絶対に余を認めさせてやると。
まあ、止めたのは正解だったが、止めた理由は褒められたものではなかったな・・・。

 

 

マリコは驚いた。
この皇王に、その様な時期があったとことに。

 

 


そして、最後には認めてもらったのですね・・・。

 

 

皇王の立派な姿を見れば分かる。

 

 


いいや。

 


え!?

 


認めてもらう前に逝ってしまわれた。
高齢であったからな。
最後の言葉は、殿下は立場に拘りすぎている、だった。

 


・・・。

 

 

マリコもそうだった。
勇者であることに異常なまでに拘っていた。

 

 


老師が何ゆえ、自分を認めなかったか・・・必死で考えた。
そして、老師の最後の言葉を繰り返し心の内で考えた、何故あの言葉を残したのかと。
考え続けた、皇王になってからも。

 



皇王になってから・・・も?

 


情けないことに、な。
そして、ある時気がついた。
余は人間ではなかった、ということに。

 


それはどういう・・・。

 

 

人間ではないとはどういうことなのか。

 

 


余は皇太子、そして皇王というだけの装置であって人間という存在ではなかったのだ。
老師は、おそらく、それを言いたかったのであろう。
人間になれと。

 


装置・・・。

 

 

そうだ、マリコも自分は勇者と言う装置だった。
自分の祈りで戦っていることを忘れ、気がつけば勇者という装置へと成り下がっていた。
勇者ではなく、勇者という装置だった。

 

 


人間でない者に人間の心は分からぬ。

 

 

ダルメラは苦笑した。
実は、それに気がついたのは最近だったからだ。
リスキンとのやり取りで気がついた。
偉そうなことを言ったが、ダルメラはリスキンの心のありように揺さぶられた。
一人の人間として全てを背負っている、その姿に・・・。

 

 


私は・・・私は・・・。

 

 

マリコには、ダルメラに返す言葉が見当たらなかった。
自分は果たして人の心を理解しているのか、と。

 

 


そなたは誇り高い素晴らしい娘だ。
そなたほど勇者という言葉が当てはまる者はおらぬだろう。
だが、そこに拘りすぎるな。

 

 

そうだ、一度は捨てた勇者という立場を、マリコはまたも拘り始めていた。

 

 


己は勇者である前に一人の弱い人間であるということを理解するのだ。

 


・・・。

 


おせっかいが過ぎたな・・・。
では、な・・・・・・。

 

 

そう言うと、ダルメラは夜の闇に消えていった。
マリコはその背中を黙って見つめていた。

 

 

続く

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