大魔王編(30)

マリコのみしか立ってない状況。
そのマリコも、もう、限界をとっくに過ぎていた。

 

 

絶望が広がる空間。

 

 

マリコは唇をかんだ。
分かっていた、状況も、自分の無力さも。
700年前とは違うのだ。
8人もの大賢者達はいない。
自分の中の賢者・・・ミエラは召還できても、それだけだ。

 

 

世界中の人達の力を借りてもなお、大魔王に全く歯が立たない現実にマリコは悔しさがにじみ出た。

 

 

自分は無力だ。
力が欲しい。
力をかして欲しい・・・。
世界中の人々の力のお陰でベルドゥーガを倒した時のように、また力をと。

 

 

そうマリコが願った、その時だった。

 

 

シルビ、ガラドゥ、ミランヌ、それぞれの体が光り、小さな魂達が出てきた・・・。

 

 

シルビの体からは、ウエスタの魂が。

 

 

ガラドゥの体からは、ベルデアの魂が。

 

 

ミランヌの体からは、ヴァムの魂が。

 

 

 


!?

 

 

 


シルビ、まだお前死んでないじゃんかよ、弱気になるなよ。

 

 


ガラドゥ、私、あなたにランヴィのように死んで欲しくないの。

 

 


ミランヌ、僕がついてるよ。

 

 

 

そして言った。
賢者として力を貸す、と。

 

 


いったい何が・・・?

 

 

この状況にマリコは驚きを隠せなかった。

 

 


マリコ、あなたの能力です。

 

 

怪我だらけの体でフェルリスは上半身を起こしマリコに語った。

 

 


私の?

 


そうです。
貴女は無力さを感じたのではないですか?
私と同じように・・・。

 


・・・!

 


貴女は己の無力さを認めた。
自分の内なる心に正直になった。

 

 

そう、マリコは否定しなかった。
自分の無力さを。

 

 


でも、そんな能力は私には・・・

 


言ったはずです。
光属性には内なる賢者を召還することが出来ると。
それは他者にも当てはまるのです。
貴女の祈りが、彼らの内なる賢者を召還させることが出来た。

 


!!

 


賢者に選ばれた者達は、潜在的に魔力が強力な者達なのです。
そして、それぞれと繋がりが深い。

 

 

 

 

 

そうしているうちに・・・

 

 


そうだな、おれはまだ死んでねえもんな。

 

 

シルビは立ち上がった、満身創痍な体で。
それは、ガラドゥもミランヌもそうだった。

 

 


そなたにまた死を見せるわけにはいかん。

 


ヴァム、そこにいるのね・・・。

 

 

そして、賢者が与えられた三人の怪我は気がつけば癒えていた。

 

ミランヌは癒えた体でマリコとリスキンとフェルリスの体を治癒をした。
あっという間に、全快に。
今までにない魔力で。
それにはミランヌも驚いた。

 

 


ヴァム・・・。

 

 

ミランヌは、もう自分の中に消えて見えなくなったヴァムの存在を感じずにはいられなかった。

 

 


“賢者”・・・

 

 

大魔王は呟いた。

 

賢者が現れた。
それは、大魔王には意外な展開だった。

 

光属性は内なる賢者を召還できる。
それは知っていた。
どうやれば召還できるかも。
だが、このような状況下でそれが出来るとは・・・。

 

リスキンはウエスタとベルデアの魂を見て罪悪感を覚えた。
ウエスタはヘルガのお気に入りだったが、ウエスタのように普通の精神状態を保っている者は危険だと考えていた。
そして、ベルデアは自分が見殺しにして少女・・・。
ヘルガが何をしたいのか知っていながら何も思わずにいた。

 

また、マリコはヴァムの魂を見て、喜びと共に罪悪感を抱いた。
自分の慢心が彼の死を招いた。

 

だが、シルビ、ガラドゥ、ミランヌは違う。
それぞれが、大切に思っていた存在が力を貸すといって現れた。
また会えた事、共に戦えること、それらを喜んだ。

 

 


戦うぜ、皆!!
ウエスタ達もな!
これからが本番だ!!

 

 

シルビの言葉に、マリコとリスキンは我に返った。
そうだ、戦わねば。
彼らは共に戦うといっている。

 

 


そうね!
これからが本番よね!!

 

 

マリコ達は再び構えた。
シルビ、ガラドゥ、ミランヌはパワーアップしていた。
尋常でないほどに。

 

マリコとシルビとガラドゥが、同じように大魔王に突進していった。
ガラドゥは武具を着けているというのにリスキンと同じ速さだった。
リスキンは内なる闇を開放しており、そのスピードは尋常ではないのに・・・。

 

先ほどと同じく、大魔王は炎の海を作り出す。
それを同じくかき消すフェルリス。
それと同時に到着したリスキンとガラドゥが攻撃を繰り出す。
凄まじいスピードが一人増えた。
しかも、リスキンの攻撃は効かないが、ガラドゥの攻撃は大魔王に血を流させた。

 

 


!?

 

 

大魔王が驚くと同時にマリコが光の剣を繰り出す。
直撃は防げたものの、流石の大魔王も全世界の魂がこめられた光の剣に傷ついた。
そこへ異常なまでに速さを増したシルビの魔弾が直撃した。

 

 


クッ!!

 

 

大魔王は苦しんだ。
流石の大魔王も、シルビの魔弾に苦しんだ。
魔弾の数は減っていたので、大魔王に直撃したのはリスキンの血を使った銃弾だった。

 

 


先ホドマデトハ違ウ“兵器”・・・?

 


残念ながらな。

 

 

大魔王の様子から、リスキンの血を使った銃弾のほうが威力が上であることをシルビは感じ取った。
リスキンの思いのこもった銃弾だ。
効くに決まっている、シルビは思った。

 

 

大魔王が痛みを覚えているその隙に・・・

 

 

ミエラが現れた。

 

 


皆、大魔王の元へ!

 

 

 

その掛け声と共に、ミエラ、ウエスタ、ベルデア、ヴァムが大魔王の中に入っていった。
そして、大魔王の中にある4つの魂のそれぞれ・・・ノーティ、ヘルガ、アルテメシア、ベルドゥーガの眷族の魂を引き抜いた。

 

 

 

それによって大魔王から溢れ出している闇がみるみる減っていった。

 

 


やった!!

 

 

マリコ達は喜んだ。

 

 

だが・・・・・・

 

 


図ニ乗ルナ・・・人間ドモヨ・・・。

 

 

大魔王は再び闇を膨らませた。

 

 

続く

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