大魔王編(28)

ベルドゥーガの魂は大魔王の居城へと吸い込まれていった。

 

ベルドゥーガは捨てなかった、最後まで。
その忠誠を。
大魔王の目的を分かっていながら。
だが、マリコの心には哀れみはない。
それがこの男の望む道だったのだから、と。

 

 


行きましょう、皆!
大魔王のところへ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、闇の空間にマリコ達は導かれた。

 

 


再ビ合間見エルトハナ、ミエラノ亡霊達ヨ・・・。
ソレニシテモ、中々、面白イコトニナッタ。

 

 

大魔王は心底楽しそうにマリコ達を見下ろしていた。
大魔王は宙にふわふわと浮かんでいた。

 

 


何が面白いことになったよ。
面白がっていられるのは今のうちよ!

 

 

そう言いながらもマリコは恐ろしくてたまらなかった。
あのときの絶望感・・・それを思い出すと震えそうになる。
だが、震えるわけには行かない。

 

一方シルビは、既に魔弾を装填していた。
前は大魔王と対峙しているのに、ドゥーガと戦ったときのようなことをしようとしていた。
隙あらば・・・と・・・。
それに、恐れていたのだ・・・魔弾を・・・・・・
でも、それでは駄目なのだ。
今は・・・。

 

 


デハ、イクトシヨウカ。

 

 

大魔王は闇の火炎を操り始めた。
6つの火炎を・・・。

 

今度は最初から、大魔王はその力を発揮した。

 

 


!!

 

 

必死でよけるマリコ達。
あまりの火力に、よけるたびに風圧だけで吹き飛ばされる。

 

 


コノ程度カ?
人間ノ魂トヤラハ。
ク、ククク・・・。

 

 

弄ばれている・・・
またもや・・・

 

マリコ達は闇の火炎をよけ続ける、攻撃する暇がない。
その時、ミランヌがよけきれずに火炎を受けそうになった。

 

 


ミランヌ殿!

 

 

それをガラドゥがかばった。

 

 


ガラドゥ!!!

 

 

ガラドゥの体はあちこちが焼き焦げていた。
それを慌てて治癒するミランヌ・・・だが・・・

 

 


サセヌ・・・
ク、ククク・・・・・・

 

 

大魔王はまたもやミランヌめがけて火炎を放った。
だが、ガラドゥは満身創痍の体でミランヌを抱えて火炎を避けた。

 

その時・・・シルビは大魔王に向かって銃弾を浴びせた。
それは大魔王の頬をわずかに掠めた。
突然だったために、わずかに隙が出来ていてよけきれなかった。
大魔王は、ほんの少し闇色の血を流していた。

 

 


攻撃に転じろ!
これ以上守勢に回るな!!!

 

 

その掛け声と同時に、全員が攻撃に回った。
火炎をよけつつ大魔王に近づこうとする。
だが、うまくいかない。

 

 


面白イ“兵器”ヲ作ッタモノダ、人間ヨ。

 

 

大魔王はシルビに向かって言った。

 

 


余ニ血ヲ流サセルトハナ・・・。
サスガハ人間・・・。
破滅ノ一手トナル“兵器”ヲ作ッタカ。
ク、ククク・・・・・・

 

 

シルビはその言葉に心が折れそうになるのを必死で耐えた。

 

 


そうだな、お前の破滅の一手になるな。

 

 

そう言って、大魔王が口を開いたのと同時にリスキンが闇の剣を大魔王に繰り出した。
火炎を、その猛烈なスピードでかわしながら。
リスキンは、一気に内なる闇のパワーを一気に開放したのだ。
今までは出来なかった。
だが、それに、ようやく成功した。

 

 


ソウイエバ、コノヨウナ楽シイ者モ混ザッテイタナ。
“スニーク”・・・。

 

 

その言葉と同時に、リスキンの闇の剣は大魔王の指先で跳ね飛ばされた。

 

 


なにっ!!

 

 

自らの内なる闇を最大に引き出しての闇の剣が指一つで跳ね返された。

 

 


スニーク・・・。
人間ニ迫害サレ、地下都市デシカ生キラレナカッタオ前ガ何故ソコニイル?

 


俺の時間を止めておいて、よく言う。

 


余ハオ前ヲ買ッテイルカラ、ソウシタ。
ソノ、ヤムコトノナイ内ナル憎シミヲ・・・。
残酷ナル人間ヲ憎ミ、残虐ナル魔族ヲ憎ミ、ソノ両方ノ血ヲ引ク己ヲ憎ミ・・・。

 


過去の話だ。

 

 

実際、リスキンにとっては過去の話だった。

 

 


過去ハ現在ト繋ガッテイル。
繋ガリハ断チ切レナイ。
オ前ハ憎シミニ溺レシ者。
ヘルガト同ジク、憎シミノ塊・・・。

 


否定はしない。
だが、今更だ。

 

 

大魔王の言葉に、リスキンは一切動揺しなかった。
何を言われようとも、関係ない。
仲間がいる。
それは、リスキンにとって全て。

 

 


おしゃべりしてるんじゃないわよ!!!

 

 

大魔王とリスキンの会話と途切れさせるかのように、マリコが光る剣を大魔王に繰り出した。

 

 


ソノ輝キガ、人間ノ魂ノ輝キトヤラカ・・・
面白イ見世物ダ・・・

 

 

そう言うと同時にマリコに火球をふわふわと投げ出した。
それを剣で受け止めて突進しようとしたマリコだったが・・・

 

 


きゃあ!

 

 

光る剣での防御は失敗した。
マリコは火球に飲まれ、大怪我をおった。
それに慌てて治癒を施すミランヌ。

 

ガラドゥが繰り出した斧を受けても何事もなかったのかのように立ち。
フェルリスの魔法を浴びせようにも何の“溜め”もなく火球を作り出し、消し去る。
リスキンの闇の剣は、やはり、指先一本で跳ね返される。
シルビは、結局は闇の炎をよけるのに精一杯で、魔弾を撃ち込むどころではない。

 

大魔王は圧倒的過ぎた。
何も効かない・・・。
どうすれば・・・。

 

 


まだよ!!!

 

 

ミランヌの治癒を受けて回復したマリコは、一気に大魔王に突進した。
マリコの戦意は全く衰えていなかった。

 

 


ボケボケしてないで、皆!

 

 

諦めかけていた仲間をマリコは叱咤した。
恐ろしくないと言えば嘘になる。
しかし、諦めてどうなる。
無意味だ、諦めなど。

 

 


援護して、シルビ!!

 


了解!!!

 

 

そうだった。
シルビの作り出した魔弾は効いていたではないか。
掠めた頬には漆黒の血が流れていた。

 

 


結局ハ“兵器”ニ頼ルカ・・・
サスガハ人間ヨ。
業ノ深イ生キ物・・・・・・
ソノ“兵器”デ人界ガ破滅するのを見ルノモ一興カモシレヌナ。

 

 

大魔王の言葉はシルビの心を抉る。
配合の紙も研究の紙も全て燃やした。
しかし、いつかは誰かが追いつく時が来る。

 

 


自分を信じろ、シルビ!
お前の力は破滅のための力じゃない!!

 


!!

 

 

リスキンの言葉に我に返るシルビ。
破滅のためにシルビは力を生み出したわけではなかった。
正義を行うために作ったのだ・・・。
だが、作り出した力は、恐ろしいほどの威力だを持つ兵器になった。
魔族の血を使い、あらゆる劇薬を調合し・・・。
下の下だ、このようなものは。
正義と称し生み出した力は、大魔王の言うとおり、使い道しだいでは破滅をもたらすであろう。

 

しかし、今は大魔王の言葉に揺さぶられている場合ではない。

 

 


援護を頼む、シルビ殿、ミランヌ殿!

 

 

シルビとミランヌは頷いた。

 

ガラドゥもマリコに続いた。
リスキンは再び闇の剣を出した。
フェルリスはそれぞれに向かっていく闇の火球を魔法でかき消していく。

 

何も効かないと諦めかけていた。
しかし、マリコの、まるで諦めてない姿に、全員の心が奮い立った。
シルビはリスキンの言葉で自分を無理やり立ち上がらせることが出来た。

 

その一丸となった心は、フェルリスの能力で、全員の潜在能力をアップさせた。

 

 

続く

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