大魔王編(22)

マリコが特訓をしている頃・・・

 

世界中が混乱の渦にあった。
死が降り注いだのだ・・・しかも、希望であった光の勇者の手で・・・・・・。
それを思うと絶望するしかなかった。

 

メイラでも、混乱は酷いものだった。
優秀なダルメラの側近達のおかげで他国よりはずっとましな状態ではあったが・・・。

 

 


なんてことだ!

 


こんなことになるなんて思ってなった・・・。
どうなるの、これから・・・!!

 

 

メイラのとあるオワシスの町で皆が騒いでいた。
光の勇者は、実は敵だったのだ。
そう思い、絶望をあらわにしたり、怒りをあらわにしたり・・・。
そんな中、落ち着いている少年が一人いた。

 

 


ほんと、手のひら返すのがうまい連中だらけだな。

 


なんだと!
あの光の雨を見ただろ!
あんな真似が出来るのは光の勇者しかいない!!

 


あんな濁っていた光がかあ~

 

 

カイは鼻で笑った。
そんなことも気がつかなかったのかと。
人々は顔を合わせた。
確か、軍もそれを触れ回っていた。
濁った光だ、あれは大魔王の仕業だと。
この目の前の少年は、それに気がついていたというのか。

 

 


それに、何で全部終わったことになってるの?
あいつ、まだ生きてるじゃん。

 


なによ!
この状況を見て、そんなことがなぜ言えるのよ!!

 


まて!!
あいつ・・・?
知ってるのか、光の勇者を。

 


地下都市で一緒の場所にいたからな。
それにしても、おまえらさー。
いきなり「光の勇者“様”」から「光の勇者」って、呼び捨てに切り替えしてるな。
早い早い。

 

 

馬鹿にした風にカイは言った。

 

 


ヘルガの時だって一度あいつ失敗したぜ。
そん時もそうだった。
皆揃って責め立てた。
光の勇者様~って、頼りっきりだったくせにさ。
どこでも一緒だな、こういのって。

 

 

失敗した?
でも、地下都市の眷族は確か倒れたはずじゃあ・・・。
人々は顔を見合わせた。

 

 


あんな扱いされたくせに、あいつ、結局最後は勝っちまった。
なんだかんだで諦めなかった。
正直言えば、驚いた。
どうせ他の連中みたく腐っちまうんだと思ったからな。
まあ、あいつには言わなかったけど?

 

 

そういうと、カイはすたすたと自分の仕事場に去っていこうとした。
カイが働いている工場は今は機能はしてないとはいえ、自分に与えられた仕事に自負を持っていた。
仕事の手を休めるつもりはない。

 

 


まて、光の勇者様はどういう人物だ!

 


今度は“様”かよ。
早いねー。

 


いいから教えてくれ。

 


ただの馬鹿だよ。
そこらへんにいるような。
まあ、お前たちよりかずっとましな奴なのは確かだな。

 


・・・。

 


そうやってお前達が右往左往して仕事ほっぽり投げてるときもあいつはきちんと仕事してるんだろうさ。
まあ、そんな感じの奴だよ。

 

 

マリコ達とヘルガの戦いを見て、カイの中ではマリコは一般人にまで昇格していた。
最初は勇者だといって傲慢な態度だったマリコを軽蔑していたが、気がつけばその傲慢さは消えていた。
ゆえに、カイにとってマリコは普通の人間になった。
自分の仕事をきちんとこなしている一人の人間に・・・。

 

 


そういうこと、じゃあな。

 

 

そう言って去っていったカイを人々は見つめた。
濁っていると気がついた少年。
少年が語る光の勇者の本当の姿・・・。

 

 

続く

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