大魔王編(19)

マリコ達が敗走した翌日・・・ようやくダルメラはメッルに着いた。
目の前の惨状に、ダルメラ達は息を呑んだ。

 

 


急ぐぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダルメラは、マリコとシルビ以外の生き残った戦士達がいる総指揮司令部にきた。
戦士たちは只者ではない雰囲気に、その場にいた戦士たちはダルメラに道をあけていった。

 

 


皇王様!?

 

 

意外すぎる人物の登場に、ガラドゥ達は驚いた。
そして、戦士たちはガラドゥのを“皇王様”という言葉に驚きを隠せなかった。

 

 


久しいな、ガラドゥ。
この状況・・・やはりこうなったか・・・。

 


やはり?

 


嫌な予感がしたのだ。
皆の希望が膨れるにつれ・・・。
だから、急ぎでここまで馬を駆ってきた。
まあ、途中の岩山や濁った雨には骨が折れたがな。
国のことはしばらく宰相に一任している。
あの者なら、この状況でも何とか凌ぐ。

 


・・・。

 

 

嫌な予感がしたという・・・。
ダルメラは何を感じ取っていたのか・・・。

 

 


皇王様・・・とは?

 


挨拶がまだだったな、すまぬ。
余はメイラ皇国皇王ダルメラ15世だ。

 

 

その言葉にどよめきが走った。
メイラの皇王がここへ来た・・・いったい何故・・・・・・。
しかも、このタイミングということは、事が起こる前から出発していたことになる。

 

 


私はフェルリス。
大魔王を倒すべく、光の勇者と志を共にして戦っております。

 

 

現メイラ皇王といえば、世界に名を馳せている名君だ。
その皇王がここにいる。
何故このような危険な場にきたのか・・・。
君主たる者、山の如くその国にいなくてはならない。
フェルリスは思った。
なんて愚かなことを、と。
自らがどうなったら、其の後にいる者たちはどうするつもりか。

 

 


なるほど。
して、その光の勇者はどうした。

 


・・・。
ショックを受けてしまい・・・。
今はシルビに任せています。

 


シルビが・・・。
では、心配はないな。

 


随分自信たっぷりですね。

 

 

ダルメラは苦笑した。

 

 


光の勇者はシルビを絶対的に信頼している。
それに、妹を立ち直らせずして何故兄が名乗れる。
光の勇者・・・マリコにとってシルビは兄なのだ。

 

 

我ながら情けない言葉だと思った。
愛する女性を、自分ではどうにも出来ないと言ったに等しい。

 

 


フェディール元帥が殺された以上、誰かが指揮を執らねばなるまい。
其の任は余が引き受けよう。
他国のものが指揮するなど屈辱的かも知れぬが、そう言っている状況でもあるまい。
それと、雑用はリビルが一手に引き受ける。

 


・・・そうでしたね。

 

 

そう言うと、リスキンがダルメラに声をかけた。

 

 


皇王様、大魔王の目的は・・・。

 


破滅・・・全ての・・・・・・・。
違うか?

 


 


その様子だと当たりのようだな。

 


何故、それがお分かりになったのですか。

 


まるで希望をわざと膨らませているような状況だった。
あまりに事がうまく運びすぎていた。
膨れ上がった希望を最大限にまで膨れ上がらせて、一気に叩き潰す。
それは滅びではなく破滅を望むのなら、それをするのが効率の良いやり方だ。

 


・・・なるほど。

 


メイラの皇王である余が自ら動くなどもっての外かも知れない。
メイラのことをどうするつもりかと言われるやも知れない。
だが、これは世界の危機。
動けるものが動かねばならない。
余は宰相をそして大臣達にメイラを任せておる。
あの者達なら大丈夫だ。
どれも信じるに値する者達だ。

 

 

メイラのことは心配でないと言えば嘘になる。
しかし、自分が選んだ者たちを信じよう。
今の宰相も大臣も、ダルメラが抜擢した者たちだ。

 

 


今は世界の危機をどうにかせねばならない。

 

 

フェルリスはそのダルメラの言葉に、その器を疑った自分を恥じた。
今は山が動くほどの危機なのだ・・・。

 

 


状況を教えてくれぬか。

 


実は・・・。

 

 

リスキンは全てを話した。
濁った光の雨のことも、大魔王がそれを世界中に撒いたことも・・・。
淡々と事実だけを冷静に話した。

 

リスキンの淡々とした冷静な口調に、皆現実を直視した。
そうだ、悲劇はここだけではない、世界中に起こったのだ。

 

 


なるほど・・・。
これは大忙しになるな。

 

 

続く

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