大魔王編(18)

これからを話し合う前に、マリコは一人になりたいと言って去って行った。
それを、誰も何も言えずにいた。
マリコのあまりのショックを目の前で見たからだ。

 

そんな中、シルビだけは違かった。

 

 


ちょっくら、マリコの様子見てくるよ。

 

 

そう言って、シルビはマリコの後をつけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとした林の中、マリコは一本の細木にもたれかかっていた。
シルビが現れると、ポツリとマリコは口を開いた。

 

 


私・・・こんなこと二度としないって思ってたの・・・。
ヘルガの時みたいなことは絶対しないって・・・。
なのに、駄目だった。
誰も守れなかった。
馬鹿みたい・・・絶対倒すって胸を張ってた癖に、結局はこうなる。
私はいつもこう・・・。
誰も守れない・・・。

 

 

そんなマリコをシルビは殴り飛ばした。
握りこぶしで顔をずがんと。
マリコはかなりの距離を飛ばされていった。

 

 


何するのよ!

 


言っただろう。
お前が情けなさ過ぎたら俺がぶん殴って目を覚まさせてやるってな。

 

 

シルビはため息を吐いた。

 

 


お前は、今、猛烈に情けねえ。

 


何よ!!
皆死んだ、私のせいで!!
ヘルガの時と一緒・・・。
私を信じた人たちが死んだのよ・・・。

 


メッルの人達のことは元帥に頼んだんだ。
お前が責任を感じるようなことじゃない。
勘違いするな。
メッルを・・・バルヌを守るのは元帥の仕事だった。
俺達じゃない。

 


何よ、その言い草!!
そういうところ、ホント冷たいわよね、シルビって!!

 


冷たくて結構だよ。

 

 

シルビはそう言ってマリコの隣に座った。

 

 


お前はまだ生きてる。

 


わざと、生かした・・・。
こういうことになるってわかっていて・・・。

 


なら、そんな大魔王をぶちのめそうぜ、俺たちで。

 


え?

 


あいつは俺たちじゃあ自分は倒せないって高をくくった。
後悔させてやるんだよ。

 


・・・。

 


お前は弱い。
知ってるさ、それくらい。
でもな、情けなくなることは許さねえ。
俺達の目的を忘れるな。
お前の祈りもだ。

 


祈り・・・。

 


そうだよ。
お前は魔王を倒して平和に・・・そう願った。
祈りはかなえるんだよ、絶対に。
それと、お前の祈りは俺の祈りでもあるんだからな。

 

 

そう言うとシルビはにっと笑った。
いつもと同じ明るい笑みで。

 

 


シルビ・・・。

 

 

涙がこぼれてきた。
今まで、どんなに泣きそうになってもシルビにすら見せなかった。
心の中で泣いても、シルビにはいつもお見通しだったけど、いつも意地を張って涙を流さなかった。
だが、今は隠せなかった。
どうにもならずに泣いた。
泣きじゃくった。

 

 


泣け泣け。
お前にだって泣く権利はあるんだぞ。

 

 

そんなマリコの頭をシルビはポンポンとたたいた。
マリコは更に泣いた・・・。

 

 

続く

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