大魔王編(16)

世界中に濁った光の雨が降った。
人々は阿鼻叫喚した。
そして、思った。
光の魔法を使えるのは光の勇者のみ。
真なる敵は光の勇者だったのだ、と。

 

それは大魔王の城へ共に戦いに赴いた戦士たちも例外ではない。
光の勇者は敵だったのだ。
光の雨から難を逃れ生き残った戦士たちも思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリコ達は大魔王が作り出した闇の空間にのまれ、城の外へ放り出された。
そこで待っていたのは、敵意を持ってマリコを見る戦士たちだった。
戦士たちはマリコ達を取り囲んだ。

 

それに驚きを隠せないマリコ達。

 

 


待って!
私たちの話を聞いて!
あの光は・・・

 


あそこまでの光を操れるのは、光の勇者たる貴様だけだ!

 

 

マリコ達は狼狽した。
圧倒的なまでの強烈な光の雨が世界中を襲ったのだ。
強力な光属性を持つマリコがしたことだと思ってもおかしくない。
マリコ達は700年前のミエラたちの運命を思い出した。
大魔王はこれを狙っていたのだ。

 

狼狽するマリコ達の中、リスキンだけが冷静に前へ出た。

 

 


お前たちは何を見て、あれが光だと思った?

 


何を言うか!
あれは光の・・・

 


あの濁った光がか!!??
今まで何を見てきたんだ、お前たちは!
そして、マリコの、そして俺達の戦った姿を見て、何故そう考える!

 

 

そのリスキンの言葉に心を揺らされる戦士たち。
そういえば、確かにあの雨は濁っていた・・・。

 

マリコ達は自分たちを信じて前へ進んでいった。
そして、今まで、三人もの眷属を倒し、何人救ったか分からないぐらい人々を救い続けたではないか。

 

しばらくして、精鋭部隊の隊長である戦士が剣を下げた。
目を瞑って・・・。

 

 


確かに濁っていた・・・あの光は・・・・・・。
それに、確かに光の勇者様があのような真似をするはずはない・・・。
申し訳なかった・・・。

 

 

戦士たちは隊長に倣って次々に剣を下げた。

 

 


あの濁った光の雨を降らせたのは大魔王。
あなた達に私達を殺させるために光を模して放ったの。

 


なんと!!

 


・・・許せない。

 

 

マリコは固く唇を噛んだ。

 

 


もう一度戦うわ!!!

 

 

マリコは城に入ろうとする。
だが・・・

 

 


!!

 

 

城に入ろうとした瞬間、何かしらの力で跳ね返らせられた。

 

 


ビックフラワーマジック

 

 

フェルリスが城に向けて魔法を放った。
だが、城の前で消滅してしまった。

 

 


!!

 

 

その後、リスキンやガラドゥ、シルビが何度も攻撃を仕掛けてもどうにもならなかった。

 

 


今の状態では、埒があかない。
城には封印が完全に施されている。
それに、さっきの光の雨で相当な混乱が引き起こされているはずだ。
一旦引き上げて、事の鎮静化を図ろう。

 


・・・確かに。

 

 

リスキンの言葉に皆は頷いた。
マリコ以外は・・・

 

 


そんなの嫌よ!!
今倒すの、あいつを!!!
こんな真似されて、何で退散なんかしなきゃならないのよ!!!

 

 

そう叫んで、何度も城の結界を破壊しようとむちゃくちゃに剣を振り回した。
そのマリコをシルビは羽交い絞めにして止めさせた。

 

 


落ち着け、マリコ!!

 


どうやって落ち着けっていうの!
こんな真似されて引き下がれるはずはない!!!

 


冷静になれ、マリコ!
結界を破れないのは分かったはずだろう、もう!

 


そんなの分からないじゃない!

 

 

暴れるマリコを必死で止めるシルビ。

 

 


いいか、今の俺達に必要なのは皆の無事の確認だ。
大魔王と対峙する前に必要なのは皆の無事の確認と、これからの対策を練ることだ!
大魔王には俺達の攻撃は通用してなかった!
気がついてたはずだ、お前だって!!
ソードシャイニングですら、大魔王には通じなかった!!!

 

 

その言葉に一気に力が抜けるマリコ。
そう、効いてなかった自分たちの攻撃は。
ソードシャイニングですら吸収されてしまった・・・。

 

 


納得できなくても、一緒に戻ってもらうぞ。
いいか、今出来ることを先決させるんだ。

 

 

マリコは黙って頷いた。
納得なんて出来ない。
でも、シルビの言うことはもっともだった。

 

 

続く

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