マリコ達が到達したのは最頂部の広大な部屋だった。
そこは漆黒の空間だった。
そして、マリコ達の目が闇に慣れてくると・・・
そこには禍々しい闇が・・・闇そのものの存在が立っていた。
我ガ闇ノ空間ヘヨクキタ。
ミエラノ亡霊タチヨ・・・・・・。
亡霊って何よ、このくそ大魔王。
亡霊ダ・・・
ソノ剣ヲ握ッテイルコトガ証明シテイル。
託サレタノデアロウ?
ミエラノ無念ヲ・・・。
そう、託されたのだ。
ミエラが果たせなかった、その使命を・・・。
ミエラはミエラ。
私は私。
同じ志は持っていても、私達は亡霊じゃないわ。
同感。
何で亡霊って思うか意味不明だな。
志ガ同ジ・・・マサニ亡霊。
愚カナミエラ。
自ラノ行ク末モ気ガ付カズ、タダヒタスラ走リ続ケタ。
随分余裕ですね。
一度は封印されたというのに。
封印・・ソウダナ、ソノトオリダ。
ダガ、オカゲデ良イモノヲ見ルコトガ出来タ・・・。
ク、ククク・・・・・・
そういうと、大魔王の闇はいっそうと深まった。
いや・・・深い・・・などという次元ではない。
まさに、”闇”そのものだった。
余ハコノ宇宙ガ生マレルノト同ジクシテ産マレ出デタ。
その言葉に、全員が驚いた。
だが、嘘だという言葉が、なぜか出せない。
それほどまでに大魔王は闇そのもの存在だった。
そんなマリコ達を満足げに見て、大魔王は言葉を続ける。
ソシテアル時気ガ付イタノダ・・・。
我ガ使命ヲ・・・。
使命?
ソウ、オ前タチノ使命ガ余ノ破滅ナラ、我ガ使命ハ全テノ破滅。
全テノ終ワリ・・・。
!!!
ク、ククク・・・
ミエラ達モ同ジ顔ヲシテイタ。
宇宙と同じくして産まれたと、そういう大魔王。
その生は想像も絶する時間ともいうべきだろう。
そして、想像を絶する時間の中、魔王が行き着いたのは破滅だった。
そう、全ての破滅。
宇宙ごとの・・・。
何の意味があるというのか、それに・・・。
人界ヲ破滅サセルニハ、内側カラガ相応シイ・・・。
愚カナル人間。
ソノ最後、自ラノ手デ終ワラセルガヨイ。
己ラヲ救ッタミエラヲ葬ッタヨウニ、オ前タチモ同ジ道ヲ歩クガヨイ。
まて、それじゃあ、俺達がお前を倒すことってなるじゃねーか。
自分で何言ってるんだ?
別段余ガ倒レナクトモ内側カラ滅ビルトキハアルノダ。
スグニ理解スル。
人間ノ浅マシサヲ・・・・・・。
ク、ククク・・・・・・。
そういうと、6つの闇の炎を浮き上がらせた。
勇者ナドトイウ荷物ヲ背負イ、生キナガラエラレルト思ッテイルノカ?
哀レナ娘ヨ。
どういう意味よ!
誰ニ屈スルコトモナイ、尊イ魂。
ダガ、ソノ尊サ、光リ輝ク様ハ、人々ノ心ノ内ニアル闇ヲ暴キ立テル。
誰モガオ前ノヨウナ光リ輝ク魂ヲ持ツト思ウナ。
確かにミエラ殿たちの運命は悲惨なものだった。
太古の者たちは非道なことをしでかした。
だが、愚かなることをしないよう、皆、皆必死で戦っておるのだ。
お前には分かるまい。
人の本当の魂の在り方を。
分カルトモ。
ク、ククク・・・。
大魔王は不気味に笑った。
デハ、破滅サセルトイクカ・・・。
その言葉を最後に、魔王は自分の周囲に灯していた6つの闇の炎を放った。
続く