大魔王編(12)

翌日。
マリコ達は魔王の居城へ出発した。
フェディールは全軍の指揮を執らねばならない為に残ったが、バルヌとエルダスの両軍から精鋭を選び出し大魔王討伐部隊を作った。

 

そして・・・。
マリコ達は大魔王がいる居城に辿り着いた。
禍々しい闇を放った、その城に・・・。
山を削って作り出しだしたかのような城だった。
窓らしきものもなく、きちんとした装飾らしきものも一切ない。
在るのは扉だけだった・・・。
高くそびえ立ち、此方を見下ろしているかのようだった。

 

そうやって見上げているうちに、精鋭部隊の隊長が声を出した。

 

 


我々が大魔王以外の魔族をひきつけますので、その間に光の勇者様達は大魔王の元へ一気に行ってください!

 

 

マリコは震えを必死で押さえた。
恐ろしい。
あの闇が・・・。
大魔王は、計り知れない闇をまとっていた。
その相手と、相対する。
だが、ここまできた。
恐れていては何も始まらない。

 

 


分かったわ、皆行くわよ!

 


りょーかい!

 


うむ!

 


ああ・・・!

 


行きましょう。

 


はい!

 

 

ついてきたものたちは精鋭と呼ばれるだけはあった。
魔王の影響が濃く、外より更に強まっている魔族たちを、多少は苦戦しながらも切り伏せていた。

 

その中、マリコ達はひたすら前へ進んだ。
後ろは全て精鋭たちに任せて。

 

だが、かなり先に進むと・・・

 

 


俺達だけになった瞬間、魔族たちが現れなくなったな・・・。

 


どうぞ、お越しくださいませ・・・ということなのでしょうね。

 


望むところよ。

 

 

 

***********************

 

 

 

その頃メッルでは・・・
多くの魔物と魔族が押し寄せてきた。
今までにない規模で。
だが、フェディールの指揮の元、一糸乱れぬ連携で何とか凌ぐ兵士達。

 

その中に一人の強烈な闇を纏った魔族が悠然と歩いてきた。
フェディールがいる総指揮本部に・・・。

 

 


貴様がこの魔族どもを引き連れてきたというわけか・・・。

 


そういうことになる。
まあ、本音は一人で乗り込んできたかったが、武人の誇りゆえ魔王様の命には背けん。
女、お前が今までバルヌを滅びから守ってきた元帥フェディールか。

 


その禍々しい闇のパワー・・・貴様は一体・・・・・・・。

 


俺の名はベルドゥーガ。
魔王様直属の眷属。

 


!!

 


悪いがお前には死んでもらう。
魔王様が言うには、今の段階では一番邪魔だそうだ。
まあ、元々邪魔な存在だった。
早々に殺しておけばいいと思っていたのだが、魔王様の考えがあってのことだろう。

 


眷族だがなんだか知らんが、私がやすやすと殺されるとでも思っているのか?

 

 

フェディールは臆すことなく言い放った。

 

 


・・・良い返事だ。
流石、この国を今の今まで守ってきただけはある。
だが、それもここまでだ。
いざ!!!

 


!!!

 

 

次の瞬間、ベルドゥーガは刀剣でフェディールの心臓を一瞬で突き刺した。
フェディールはベルドゥーガのあまりの踏み込みの速さに追いつけずなす術がなかった。
その踏み込みの速さは、マリコ達と戦ったときとは次元が違った。

 

バルヌ一の剣の使い手といわれていたフェディールはこの世を去った。
あまりにもあっけない死だった・・・。

 

 

続く

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