大魔王編(8)

二日後・・・。
苦戦をした末、ついにマリコはフェルリスに勝った。

 

 


とうとう捕らえたわ。

 


たいしたものです。
二日で私を負かすとは。
流石ですね。
でも、苦戦してたら意味ないです。

 


・・・確かにそうね。

 


私を一瞬で倒せるようになってもらいます。
そうでなければ無意味です。

 


・・・。

 

 

 

*************

 

 

 


相当しぼられているみたいだなー、マリコ。

 

 

にっと笑ってシルビが言った。

 

 


うるさいわね・・・。

 


でも、とうとうやっつけたんだろ、フェルリス。
皆その話題で持ちきりだぜ。
強くなるスピード早過ぎだって。
よかったなー。

 


よくないわよ。
まだまだ苦戦中よ。

 


まあ、それもあっという間だろう。
マリコ殿ならな。

 


そうかしら・・・。

 


そうですとも。

 


マリコを甘やかすな・・・。

 

 

呆れた風に言うリスキン。
どうも、皆マリコには甘い。
その強さ、絶対に諦めない姿、堂々とした立ち振る舞い。
皆に与える勇気。
まさに勇者だ。
でも、安心するのは早い。
マリコの動きは、まだまだだ。

 

 


リスキンの言うとおり。
マリコを甘やかさないでください。
まだまだ足りないことだらけ。
リスキン、今度は私と貴方の二人掛りでマリコと対戦します。

 


わかった。

 


え!?

 


自信がないのですか。

 


そんなわけないじゃない!

 

 

そう言いつつ、実は自信がなかった。
でも、そんなこと言ってられないのはマリコも重々承知だった。
二人ともあっという間に倒せなくててはならない。
ベルドゥーガと同じレベルになるには。
大魔王と戦う上で皆の力を最大限に発揮してもらうためにも。

 

 


その後はガラドゥにも参加してもらいます。

 


了解した。
マリコ殿、容赦はしない。

 


望むところよ・・・。

 


その意気です。

 

 

 

**********************

 

 

 

次の日の夕方にはガラドゥも参戦するほど、マリコの力量は上がっていた。
強くなるスピードが速い。
ガラドゥもリスキンもきちんと特訓していたために強くなっていたが、それでもどうにかしのいでいるマリコ。
それには、さすがにフェルリスは驚いた。

 

絶対に強くなるという意思。
人の意見はきちんと聞く、間違っていると思えば、訂正する。
フェルリスは、流石だと思った。

 

だが、シルビとガラドゥは正直そのマリコの姿勢に驚いた。
当初はそういうタイプではなかったからだ。
自分は強いのだという必要以上の自負から、人の意見は耳を貸さないところがあった。
地下都市では、その慢心のために悲劇を起こした。
ただし、それは大きすぎる授業料でもあった・・・。

 

 

マリコの意気込みは凄いところがあった。

 

 


まだまだよ!!
私はまだ勝ってない!!

 

 

実際、特にガラドゥが参戦してからは全くいいところなしなマリコだった。
しのいではいるとはいっても、それだけだった。

 

 


もう日が落ちかけています。
今日はここまでにしましょう。

 


夜に来る敵だっているわ!

 


そういう問題ではありません。
貴女は疲れきっている。
休息をしなければ。

 


敵は休憩なんて待ってはくれない。

 


そうでしたね。
でも、ここは借りている場所です。
休憩なしは、明日からにしましょう。

 


・・・。

 

 

 

**********************

 

 

 

翌日の訓練は苛烈を極めた。
三人対一人、そして休憩ゼロ。
見ていた兵士達は息を呑んだ。
そして、相変わらずマリコは凄い勢いで強くなっていく。
他の三人も尋常でない強さだというのに、マリコはそんな三人を圧倒しつつあった。

 

だが、いつも最終的には負けてしまう。

 

 


まだまだ、一人に集中してしまう面がありますね。
敵は一人でやってきてはくれないのです。

 


・・・。

 

 

息を切らしているのを必死で抑えながらフェルリスの言葉を聞くマリコ。
どうしても、どこかしらに油断と隙が出来てしまう。
安心してしまうのだ、どうにかなってくると思うと。
それがヴァムが死んだ原因だと思うと、心が痛くなる。
あの時も自分は、殺しきってなかったのに安心してしまっていた。

 

 


完全に倒すまで、いえ、その後もです。
やられた振りをしているだけかもしれません。

 


全くそのとおりだわ。

 

 

フェルリスはその言葉に微笑んだ。

 

 


では、いきます。
敵は休憩をくれませんものね。

 

 

再び怒涛の如く、訓練を再開した。
マリコは思った。
強くならねば意味がない。

ガラドゥとリスキンは思った。
簡単にやられてたまるかと。
マリコの覇気がのりうつっていた。

 

 

 

*******************

 

 

 

翌日、ついにフェルリス、リスキン、ガラドゥの三人をあっという間に倒すことに成功したが・・・

 

 


まだまだだ!

 

 

リスキンが一気に立ち上がって、マリコに攻勢を仕掛けた。
それに驚くマリコ。
倒しきれていなかった。
また、自分は慢心してしまった。
それでも何とかマリコは応戦してリスキンを倒した。

 

 


合格は出せませんが、どうにか自分に足りないものを見つけられましたね。

 


・・・そうかしら。

 


その意気です。

 

 

フェルリスは満面の笑みをこぼした。
強くなるスピードよりも、マリコの強くなるという向上心、その心構えに感嘆した。
想像以上だった、マリコの心の在り方は。

 

 


そろそろ、行きましょう。

 


大魔王のところへ?

 


特訓しながらですが。

 

 

大魔王に通用するまでは、流石に分からない。
マリコは強い。
ただし、大魔王の力は計れなかった。
それほどまでに大魔王の闇は深かった。
でも、行くしかない。

 

 


まあ、大魔王の強さは分からないけど戦わないといけない相手だ。
これ以上は引き伸ばせないしな。

 

 

 

**************

 

 

 

マリコはシルビから魔弾には魔族の血を使っていることを話した。
そして、これからはリスキンの血をもらうということも。

 

 


下手物だよ、コイツは。
俺はマリコに隠し事だらけだったな。

 

 

マリコは首をぶんぶんっと振った。

 

 


言ったでしょ。
シルビが黙っていたのは私のせいだって。

 


後ろめたいことをしていたから、黙っていただけだよ・・・。
えぐい研究をしてたもんだぜ、俺は。

 

 

シルビは遠くを見るように言った。

 

 


・・・。

 

 

実際、褒められた代物ではないことはマリコにも分かってはいた。
でも、シルビの苦しみを見ると責めることなど出来なかった。

 

 


行きましょう。
大魔王を倒しに。

 

 

続く

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