大魔王編(3)

そんな宴が開催される中、異変は起こった。
魔族と魔物たちが群れを成して怒涛のごとく襲ってきたのだ。

 

 


直ぐに民の避難の誘導を!

 


私達も行きます!!

 


頼みました!
兵士達よ、お前達も応戦を!!

 

 

兵士達とマリコ達は襲ってくる魔物たちに相対しに行った。
しかし、そこには妖精の森で見たような惨劇が広がっている。
すでに多くの兵が戦ってはいるが、強力な力を得た魔物や魔族に苦戦を強いられ次々に殺されていった。
そんな光景に、マリコ達と一緒に来た兵士たちは足元が震えていた。

 

 


マリコ。

 


分かっている。
ベルドゥーガの時と同じことはしないわ。

 

 

マリコはそう言うと、ついてきた兵士達を見た。

 

 


どこかにこいつらに指示を与えている奴がいるはずよ!
探して!!

 

 

そう、いるはずだ。
魔族たちは単純に襲ってきているのではなく、兵士達を重点的に殺していき、前へ進んでいる。
王宮に向かって・・・。

 

兵士たちはマリコの言葉に頷いて、隊長らしき人物が命令を出し何人か走り去った。

 

マリコ達は連携して戦った。
あまりにも無駄のない動きだった。
そして圧倒的なまでの戦闘力。
あっという間に、どんどん魔族たちを蹴散らせて行く。
兵士達は息を呑んだ。
これが、光の勇者とその仲間達の力か。

 

戦っているうちに、負けじと応戦する猛者たちも大勢いることにマリコ達は気がついた。
マリコは喜んだ。

 

 


あなた達、強いわね!

 


これでも腕に覚えあるんだぜ!
負けるかってーの!

 

 

そうやって戦っているうちに、一人の兵士が戻ってきた。
王宮の右方面に此方を伺うように羽を広げて宙を舞う魔族がいる、と。
兵士はマリコに詳しく場所を伝えた。

 

 


了解。

 

 

二人は凄まじい速度で兵士が言った場所まで辿り着いた。

 

 


あいつだな。

 


間違えないわね!

 

 

明らかに他の魔族とは違う強い闇をまとっていた。
マリコはその魔族に相対する準備をした。
そのとき、その魔族はマリコ達に気がつき攻撃を仕掛けるべく急接近してきたが・・・。
シルビが寸分たがわず二発銃弾で撃ちぬいた、その魔族の両翼の根元を。
そして、その魔族が羽を失いよろめいて徐々に落ちていくところを・・・

 

 


ソードシャイニング!!!

 

 

その強い闇をまとった魔族を一瞬で黒煙に変えた。

 

 

魔族と魔物たちは去っていった。
司令塔を失い・・・。

 

 


見事です!
凄まじい光の柱、遠くにいた私にも見えました。
あなたのおかげで被害を最小限に食い止められました。

 


とんでもありません。
多くの犠牲を出してしまいました。

 


何を謙遜するのです。
奴らの目的はリゾッテの陥落であったのでしょう。
他所の大陸では魔王が復活する前から陥落してしまった国もあると聞く。
死んでしまった者達には申し訳なく思うが、そなたらが直ぐに指令を出している魔族を倒してくれたのが幸いだった。

 


どこかで指令を出している者がいることには直ぐに気がつきましたが、その魔族を見つけたのはリゾッテの兵士です。
その方が一番の功労者です。

 

 

そのマリコの言葉に王妃は満面の笑みをこぼした。

 

 


なんとも嬉しい言葉を。
確かに指令を出している魔族を見つけ出したのは我が国の兵士。
それを言ってくれたこと、嬉しく、また誇りに思います。

 


それに各地の猛者たちがここへも集まっていたのが幸いでした。
皆、とても強い者達ばかりでした。
リゾッテの兵士達も勇敢に戦いました。
私達の力のみでリゾッテの陥落を防げたのではありません。

 


まさに勇者の言葉とはこの事を言う。
我が軍も負けていられません。
腰抜けの国王は魔族と戦うのを躊躇っていましたが、これからは私が直接指揮を出し国軍の強化を図ります。
貴女方ばかりに頼るのは卑怯。
リゾッテの秩序は私達の手で!
貴女方が魔王を倒すことに集中できるようにせねばなりません!
光の勇者よ・・・その言葉の数々、ここにいる全員の心に響き渡りました。

 

 

王妃がそう言うと、大きな歓声が起こった。

 

 


光の勇者マリコよ・・・。
その勇気、分けてもらいました。

 

 

 

************************

 

 

 

その頃大魔王は、リゾッテの隣国、バルヌ王国の中央の森林を居城に作り変えていた。
バルヌ王国は今や混乱の絶頂にあった。
魔族討伐部隊を整えてなかったのも大きく魔族の攻勢に何の手立ても打てなかった。

 

しかし、隣国リゾッテの勇者の活躍が耳に入り、バルヌ王国の国民の間でも希望が出始めていた。
もしかしたら、と。

 

 

 


愚カナ人間共、今ハ希望ニ浸ッテイルガ良イ。

 


あの程度の魔族を大量に放っても光の勇者にはかないません。
人間共が付け上がる一方です。
なぜ、すぐに殺さないのですか?

 


スグデハ意味ガナイ。

 


 


希望ガ絶頂ニ達シタトキコソ、ソノ時ナノダ。
大キナル希望ハ、失ッタ瞬間、圧倒的ナ絶望ヲ生ム。

 


なるほど。
さすがです、魔王様。
魔王様の圧倒的な力を見せ付ければ、人間たちは絶望のふちに立ってあっという間に魔王様に跪きましょうぞ。

 


絶望ハ即チ破滅・・・・・・。
ク、ククク・・・・・・・。

 

 

続く

ブログランキング・にほんブログ村へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。