大魔王編(2)

翌日、妖精の森を朝早く出て、リゾッテの国王に面会にしに行った。
ルメンシャラの言うとおり、妖精であるフェルリスがいたため直ぐに謁見ができた。
マリコ達は王宮の謁見の間に通された。

 

 


そのほうが噂の光の勇者か。

 

 

リゾッテ国王はダルメラと違い、高慢な雰囲気を出していた。
そして、疑い深くマリコを見ていた。
確かにマリコは小柄で勇者とは思えない外見だが、そのかもし出す絶対的な何かは人々を圧倒する。
それに、リゾッテ国王は気がついていない。
兵士たちは気がついていたのに・・・。

 

 


ふん、確かに余にもその光のオーラが視える。
まあ、間違えないんだろう。
しかし大魔王を逃がすとはな。
光の勇者とその仲間がその程度だとは嘆かわしい。

 

 

リゾッテ国王は、マリコ達を鼻で笑った。

 

 


その程度で勇者とはな。
そのような者と共にしている者達の力量もたかがしれておる。

 

 

その国王の態度と言葉にマリコは怒りを覚えた。
自分はいい、でも、仲間を侮辱するような真似は容認できない。

 

 


それは言い過ぎではありませんか、国王陛下。
私が勇者でないと感じてらっしゃるのなら、それは構いません。
ですが、仲間までも愚弄すること、許しません。

 


お、おい、マリコ!

 

 

相手は国王だ。
その相手に向かって言う台詞ではないとシルビは焦った。
しかも、あまりにも堂々と言い放っている。

そんなマリコの言葉にリゾッテ国王は怒りでわなわな震えた。

 

 


それが国王である余に向かって言う言葉か!
この小娘が!!
愚弄しているのは、きさまだ!
おい、おまえら、この者達をひっとらえろ!!

 

 

ヒステリックに兵士達に命令するリゾッテ国王。
だが、相手は光の勇者とその仲間。
そして、名高きメイラ皇国のダルメラ皇王が認めた存在。
それを捕まえるなど・・・。
兵士たちは困惑して動けなかった。

 

 


何をしておる!!

 

 

そのとき、凛とした美しい女性が謁見の間に入ってきた。

 

 


何をしているいる、というのは貴方の方です。
愚かな事を・・・。
光の勇者の言葉はもっとも。
兵士達が動けぬのも当然。

 


王妃であるお前までが余を愚弄する気か!

 


愚弄したくもあります。
皆、光の勇者達を牢に放り込むなどという命に従うことなどありません。
陛下は少々、混乱しておられるのです。

 


王妃、貴様何様のつもりだ!

 


何様も何も、あなた様の后ですが?

 

 

そういうと、王妃はマリコを見つめた。

 

 


すばらしい瞳の輝き、そして、その圧倒的な存在感・・・。
国王陛下に対して、勇敢な言葉を投げかける勇気。
まさに光の勇者と呼ばれるにふさわしい。
陛下の無礼、后の私が代わって謝罪しましょう。

 


なんだと!!
無礼はどちらであるか明白であろう!

 


ええ、明白ですわ。
あなた達、陛下はご乱心である。
席を外して頂きなさい。

 

 

兵士たちは王妃に一礼をし、国王を無理やり外に出した。

 

 


私はリゾッテ王国の王妃です。
見苦しいところをお見せしてしまいました。
あなた方の無事、心よりお喜び申し上げます。

 


私こそ、無礼を・・・。

 


とんでもない。
友までも愚弄されて黙っているような人物など、勇者ではありません。

 

 

マリコは深々と頭を下げた。
シルビたちも後に続いた。
王妃は国王とは大違いの人物だった。

 

 


広めましょう、貴女方の無事を。
そして、希望のあることを・・・。
魔王を相対して無事であることは、皆の希望となりましょうぞ。

 


私たちは魔王とは戦ってはおりませんが・・・?

 


それでも、魔王はいったん退いた。
それは事実。

 

 

王妃は高々とその場にいる全員に言葉を投げた。

 

 

皆々!
この事を広めるのです!!
大魔王は復活した、だが、ここに光の勇者と、そして共に戦ってきた者たちが無事であることを!!
希望はついえてないことを!

 

 

兵士たちはその言葉に大きな歓声を上げた。

 

 


どっちが国王だかわからねえな・・・。

 

 

シルビはぼそりと呟いた。
周りには聞こえないように・・・・。

 

 


王妃殿が話が分かる方で助かった。

 


牢屋に突っ込まれると思っちゃった。

 


お前が血迷ったからな。

 


だって、馬鹿にするんだもの。

 


でも、立派な姿でした。

 


ええ、そうですわ。

 

 

そうこう会話しているうちに、王妃が語りかけた。

 

 


祝賀会を開きます。
貴女達の無事と、希望をこめた祝賀会を。

 


祝賀会など・・・。
私たちは、まだ魔王を倒しておりません。

 


倒せないと思っているのですか?

 


まさか。
絶対に倒します。

 

 

その言葉に王妃は満足気に頷いた。

 

 


では、問題ありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祝賀会は大規模にとり行われた。
王妃は、各国の大使やリゾッテを訪れていた要人を王宮に招いた。
城下町では各地の猛者たちも集まりお祭りモードだった。
そして、メイラでマリコの言葉を聞いたものたちは口々に言った。
光の勇者様と共に戦えば必ず大魔王は倒せるのだと。

 

 


なんか、凄いことになってない?

 


驚きますわ、この雰囲気は・・・。

 


いいんじゃね?
士気も上がるんじゃねえか、たぶん。

 


楽観過ぎる気もするがな。

 


我も同意見だ。
これから、どんどん大魔王の影響で魔族の力は強くなっていくだろう。

 


希望は大きいほど良いです。
確かに楽観は感心しません・・・。

 

 

そんな中、マリコは力強く言った。

 

 


確かに楽観は出来ない。
でも、私達が魔王を倒すのは確実。
それは覆らない。

 

 

続く

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