妖精の森編(完)

ベルドゥーガにソードシャイニングが直撃した。

 

 


ぐああああああああああ!!!

 

 

シルビの銃弾とソードシャイニングの直撃を受けて血を噴出し、ベルドゥーガは苦しみもがいた。

 

 


止めだ!

 

 

シルビは銃弾を即座に再び浴びせようとした瞬間・・・大きな地震が起きた。

 

 


!!!

 


な、なんだ、この揺れは!!

 


大魔王です・・・

 


え?

 


大魔王が、ついに封印を食い破ったのです・・・

 


何ですって、何で!?

 

 

いずれとは分かってはいた。
だが、さすがにその時になると、足元がすくむ。

 

 


闇の力だ・・・
俺と・・・そのリスキンという男のな・・・・・・

 

 

血を噴出し、立てない状態ながらも、ベルドゥーガは言った。

 

 


皮肉だったな。
俺を圧倒しつつあった、その男の闇の力が魔王様の贄となった。

 


!!

 

本来は俺とドゥーガでするつもりだったが・・・。
今の魔王様なら俺とドゥーガだけの闇の力でもどうにかなるはずだったからな。
でも、まさか、こんな形になるとはな。
まあ、目的は果たしたからよしとするか・・・。

 

 

リスキンは唇を噛んだ。
まさか、自分の力でこんなことが引き起こされようとは。
そのリスキンの様子を見てフェルリスは静かに言葉をかけた。

 

 


自分を否定するのはやめなさい、リスキン。
あなたがいなければ全員無事ではなかった。

 

 

事実、リスキンの闇の力の暴走に耐える姿に全員が心を一つにしたのだ。
リスキンの心と力なしでは、あそこまでの力を皆出せなかった。

 

 


フェルリスの言うとおりよ。
それに、これはいずれ起こることだった。
そもそも私達の目的は封印を食いやぶった大魔王を倒すこと!

 

 

そう力強くリスキンに言った。
唐突に足元がすくむ出来事が起きた。
しかし、それはリスキンのせいではない。
いずれ起こることが今起きただけに過ぎない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ごごごごごごごご・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地震は更に激しくなった。
その時・・・

 

 


!!!

 

 

マリコの腰にきつく巻かれた荷物が闇を吐き出し始めた。
そして、中身が袋を突き破って出てきた。

 

 

ノーティの扉の錠前。

 

ヘルガの鎌の宝石。

 

アルテメシアの百合。

 

 

魔王につながると思って持ち歩いていたものが、今、まがまがしい闇を放っている。
そして・・・地震の中心部に引き込まれていった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地震の中心部、そこは妖精の森の中心部でもある。
そこには封印の守り人である妖精達が必死で封印を食い破ろうとしている魔王を押さえ込んでいる。
その時・・・どこからか声がした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

“我ガ眷属ヨ、ソノ魂ニ宿ル闇ノ力・・・余ニ与エヨ・・・・・・”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声と同時に、完全に地震が収まり巨大な何かが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


・・・魔王様・・・魔王様、ようやく・・・・・・!!!

 

 

ベルドゥーガは痛みも忘れ倒れたままその巨大な何か・・・大魔王を見上げた・・・。
マリコ達は、唯、呆然とそれを見上げた。
あまりにも巨大な闇。
闇そのものの存在・・・ただ、その巨大な力にマリコ達は我を忘れて見上げていた。

 

 


大儀デアッタ、ベルドゥーガ。
オマエトソコノ男、ソシテ、我ガ眷属ノ闇ノ魂ガ余ヲ完全ニ封印カラ解き放ッタ。

 


俺の魂もお受け取り下さい、魔王様!
俺は見ての通りです、魔王様の顔に泥を塗りました。
眷属でありながらこのような姿に・・・
どうかこの魂もその身に預けてください・・・

 


ソレニハオヨバヌ。

 

 

大魔王はそう言うと、ベルドゥーガの傷を瞬時に治した。

 

 


オマエハ生キヨ、ベルドゥーガ。
ソレダケノ価値ガ、オマエニハアル。
ソノ忠義、全テノ魔族ニオイテ、右ニ出ルモノハオルマイ。
余ト共ニ来ルガイイ。

 

 

そう言うと、大魔王はマリコを見た。

 

 


ソレハミエラノ剣・・・。
愚カナミエラ。
オマエモイズレ、ミエラト同ジ運命ヲタドル。

 

 

その言葉を最後に、大魔王とベルドゥーガはその場から消えた。
煙のように・・・。

 

 

マリコは足が震えるのを必死で抑えた。
自分が震えるわけにはいかない、絶対に。

 

 


あれが大魔王・・・。

 


なんなんだ、あの闇は・・・。

 


なんていうこと・・・。

 


・・・。

 

 

リスキンは700年前のことを覚えている。
混沌とした闇が支配した頃を・・・。

 

 


驚いている暇はないわ。
大魔王がどこにいるか突き止めるの!
そして、倒さなければならない!!

 


でも、私の能力をもってしても、今のあなた達に勝ち目はありません。

 


やる前から白旗を揚げる気なんか、ないわ。

 

 

マリコは絶対的な決意を持って言い放った。

 

 


私は“今の”と言ったのです。
強くなりなさい・・・光の勇者、いえ、マリコ。
あなたはまだ未熟すぎる。
私が鍛えましょう・・・。

 


鍛えてもらっている時間はないわ。

 


なくとも、してもらいます。
特攻はお勧めできません。

 

 

その言葉に思わずシルビは噴出した。
それはいつも自分が言っている台詞だったからだ。

 

 


そうだな、マリコはいつだって特攻だからな!

 


なによ・・・!

 

 

そう言いつつ、マリコは自分の緊張がほぐれていくのが分かった。
かなわない、シルビには。

 

 


ありゃあ、今の俺たちには、確かに無理だ。
急がば回れってな。
俺たちも自分を鍛えなきゃならねえな、こりゃあ!

 

 

シルビはにっと笑った。
その笑顔に、ようやく全員が心を落ち着かせた。

 

 


うむ。

 


はい!

 


そうだな・・・。

 

 

その様子を見てフェルリスは微笑んだ。

 

 


あなた達なら、きっと大丈夫です。

 

 

そんなフェルリスに強く輝く眼を向けてマリコは言った。

 

 


きっと、じゃないわ。
絶対、よ。

 

 

続く

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