メイラ皇国編(17)

執務室で書類を眺めながらダルメラは呟いた。

 

 


これ以上先延ばしは出来んな・・・

 


何がですか?

 


最初から決めておったのだ、本当は。
マリコ・・・光の勇者に、民に言葉を与えほしい、と。
だが、実際は何日もだらだらと引き延ばしてしまった。
個人的感情で、な。

 


それはマリコ様を思いやってでしょうか・・・。

 

 

ダルメラは苦笑した。

 

 


余はマリコを愛しておる。

 


!!

 

 

ダルメラがその事をララとリビルにはっきり口にしたのはこれが初めてだった。
そのことに驚くララとリビル。

 

 


でもな、余はメイラ皇国の皇王なのだ。
責務は果たさねばならぬ。
光の勇者が大勢の民の前で言葉を投げれば、民に希望と勇気を与えるだろう。
それは、世界の破滅を止める手段として絶大な効果を呼ぶ。

 

 

ララは複雑な気持ちを抱いた。
愛する者に重責を背負わせる。
その心痛たるや如何ほどか。

 

 


確かに仰るとおりです・・・。
私も思っていたことなのに、正直、すっかり忘れてしまってました。
そのことを・・・。

 

 

ダルメラの心を思うばかりで、そのことを忘れていた自分にリビルは苦笑した。
皇王の前に人であってほしいと祈ってしまったのだ。
今までのダルメラは、常に人である前に皇王であったから・・・。

 

それは、皇太子の頃からそうだった。
人である前に皇太子だった。
幼いはずなのに、すでに風格が漂っていた。
ダルメラの子供時代は、あまりにも皇太子が過ぎた。
リビルは末端の官吏ながら、その姿に心を痛めていた。
まだ子供なのに・・・と。

 

 


世界各地から、すでに余の呼びかけに応じた志を同じくする各地の猛者が次々と集まって来ておる。
そして、何よりもアッシャのお墨付きだ。

 

 

そう、“あの”アッシャが認めたのだ。
それが意味することを、ダルメラは知っていた。

 

 


さて、リビル。
光の勇者を呼んできてはもらえぬか。

 


・・・はい。

 

 

ダルメラはマリコではなく光の勇者を呼べと命じた。
そのことに悲しく思いながらリビルは執務室を出て行った。

 

 

続く

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