メイラ皇国編(12)

その日の夕方、ダルメラに連れられ一同は外の広場に呼ばれていた。

 

 


皇王様、ここで何か?

 


まぁ慌てるな。

 

 

ダルメラがそう言うと、突如として地震のような揺れが大きくなってきた。

 

 


地震!?それもかなりの・・!

 


・・・・。

 

 

リスキンも地震と同時に近づいてくる気配に警戒する。
すると、轟音と共に遠くから列車が地面から出てくるのが見えた。

 

 


!?

 

 

するとその列車は颯爽と広場に停車した。

 

 


お疲れ様でした。
メイラ皇国、ダルメラ皇王前です。

 


久しいな。
その様子だと急ぎで来てくれたのか?

 


お久しぶりです、ダルメラ皇王。
手紙を頂いてからは特急へ運行を切り替えました。

 


れ、列車が喋ってる!?

 


その前に何で列車が地面から出てくるんだよ・・・。
まぁ・・喋る列車も確かに変だけどよ・・正面に顔も無いし。

 

 

すると列車の扉が開き、一人の女性が出てきた

 

 


ハイ皆様初めまして~♪
私はこのサーカストレインのオーナー、また我がサーカス団の団長のアッシャで~す☆

 

 

お辞儀をするアッシャに一同はつられて頭を下げる。

 

 


・・・先ほどの気配はアンタか。

 


皇王様、見せたいものとは・・。

 


うむ。
アッシャは世界を廻ってサーカスを公演している一流の芸人だ。
滅多に見れるものでもないから今日は特別派手にしてやってくれ。

 


了解しましたぁ!

 

 

アッシャの影からひょこっと顔を出してマージが返事をする。

 

 


あ、この子はマージ。
見習いの助手よ。

 

 

マージはぺこっと頭を下げる。

 

 


後は~・・・

 

 

アッシャが何か言おうとした時、列車の影から何かが飛び出すのを見た。

 

 


今の何?!
でっかいコウモリみたいだったけど・・!

 


バカ!
ありゃどう見てもドラゴンだったろうが!

 


ドラゴンだと!?

 

 

全員は慌てるようにして武器を構える。

 

 


あ~皆さん!ちょっと落ち着いて!

 

 

だがアッシャの静止とは間逆の形で何かが勢いよく地面に降ってきた。

 

 


ウガーー!!!
全く・・だから水は嫌だと・・・

 


おりゃー!!

 


うわ危ねぇ!!
何しやがるこのガキ!!

 


私の剣をかわすなんて、やるわね!!

 

 

いきなり斬りかかってきたマリコにゾルダンは激怒する。
全く別の存在に。

 

 


おい皇王さんよ!
まさかここに呼んだのは俺様をステーキにする為か!?

 


まぁ落ち着けゾルダン・・そなたのその様相を見て皆混乱してるだけだ。

 


皇王様、この魔物と面識が・・?

 


誰が魔物だと・・・・・?

 


あーもう!
いいから話を聞いてってば!

 

 

アッシャの一声で周囲に沈黙が広がる。

 

 


・・・コホン、彼はゾルダン。
見た目は悪そうな奴だけど私の仲間。
いいヤツだし、芸も凄いから許してあげて。

 


・・・おうよ。俺様の名はゾルダンだ。
俺様みたいなカッコイイこのドラゴン様を斬ろうとするとはとんでもねぇ。

 

 

ゾルダンは若干不機嫌そうなトーンで喋る。

 

 


つまりそのドラゴンはとりあえず味方ってワケか・・・。

 


とりあえず、じゃねぇよ。
思いっきり味方だ、これでも俺達ぁすっげー強ぇんだぜ?
んでもってサーカスしながら色んな大陸廻ってんだ。
ちったぁこのドラゴンの勇ましい姿ぐらい覚えとけっての・・。

 


え、じゃあアナタ達も魔族の討伐を?

 


まぁそんな所だ。
見た所、アンタが光の勇者様っぽいな。
その眼光や良し、修羅場をくぐってきたと見える。

 


まあ、紹介もいいがアッシャ、準備があるのだろう?

 


お任せ下さい皇王様!
このマージが今晩までに完成させます!
それまで皆さん自由行動してて下さいな!

 

 

マージはそう言うとそそくさと列車の中から荷物を取り出しセッティングを始める。

 

 


失礼だが、ゾルダン殿も見た所獣人と見受けられる。
しかし・・・ドラゴンの獣人など存在していたのか?

 

 

ガラドゥの質問にゾルダンは困ったように目線を逸らす

 

 


あ~・・・話すと長くなるんだがな。
・・・まぁいい何かの縁だ、教えてやるから向こうで話そうぜ。

 

 

そう言うとゾルダンはガラドゥと一緒に話し始めた。

 

 


え~と後要るのは~・・。

 


・・お待ち下さい。

 


ほぇ?

 

 

ミランヌはマージに目線を向ける。
いや、マージの後ろにある列車に向ける。
その目線に列車も気付いた様子であった。

 

 


マージ、気にせず作業に戻ってもらって大丈夫ですよ。

 


承知ィ!

 


あなたは・・・。

 


わざわざ声をかけて下さり感謝しきれません。
私の名はThe Circus。サーカスとでも列車でも自由にお呼び下さい。

 


会話が出来る、という事は・・・元々お人でしたの?

 


いいえ、私は生まれた時からずっとこの形です。
もっとも、昔はずっとボロボロで錆びて使えない列車でした。
ですがアッシャが錆びた私を修理し命を与えて下さり会話が可能となりました。

 


それにこのパワー・・あなたは動いていらっしゃるのですか?

 


流石は高貴なエルフのお嬢様。
そこまで言われてしまうと手品という冗談は通じないですね。

 

 

そう言うと列車とミランヌはお互いに笑い、ミランヌは列車の横に座る。

 

 


良ければあなたのお話を聞かせてもらえませんか?

 


私の話なんかでよろしいのですか?
私よりもアッシャやマージの方がずっと楽しいお話が出来ますよ。

 

 

ミランヌは首を振る。

 

 


列車と言うのは世界をどこまでも走れると聞いています。
是非あなたが見てきた外の世界の話を聞きたいですわ。

 


解りました。
それでは私の見た数々の世界のお話をしましょう。

 


外の世界の話か。
・・・・・俺も聞いていいか。

 

 

横から会話を聞いていたリスキンも列車の傍に座る。

 

 


ええ、もちろん大歓迎です。
では、まず初めは・・・・

 

 

其の様子を見ながらマリコは口を開いた。

 

 


・・・私の知ってる列車とは存在の次元が違う・・。
線路も走って無いし地面から出てくるって・・・。

 


驚いてもらってこっちも嬉しいわ。
お客様には最初から最後まで楽しんでもらわないとね~♪

 


アッシャさん

 


アッシャ、でいいわ。
ついでに畏まらなくてもいいわ。
普段どおりの喋り方でOKよ。

 


あぁ、解った・・。
アッシャ、1つ聞きたいことがあるんだけどいいか?

 


サーカスの公演内容以外なら。

 


 

 

サーカスの催しの内容が少し気になってたマリコはちょっとガッカリした。

 

 


さっきゾルダンが色んなアッシャと一緒に大陸を廻ってるって言ったのが気になってるんだ。
・・・他の国にも魔族の手は及んでるのか?

 

 

シルビの質問に若干困った表情を浮かべるアッシャ。

 

 


そうね・・魔族だけじゃないわ。
中には魔族の支配によって国全体が魔族を崇拝して存在を隠してる、なんて国も見たことがあったわ。
だけどそれは随分と昔の話だから今はどうかは知らないけど。

 


魔族の存在を国全体が隠してるって言うの?!

 


ええそうよ。
魔族に下れば貧困を無くし、魔族の軍隊により敵国からの侵略もなくなると。
そう唄った魔族に堕ちていった小さな国は見た事がある。
そうなると流石の私も手が出せないわ。
いくら魔法が使えると言ってもただのサーカス芸人だからね・・。

 

 

アッシャはそう言うと溜息をつく

 

 


・・・。

 

 

皆がそれぞれ会話していてしらばく経った時、ダルメラが皆を呼びにきた。

 

 


皆の者、夕食の支度が出来ている。
折角来てくれたんだ、アッシャ達も一緒にどうだ?

 


あ、是非♪

 


貴重な話を聞かせてもらえて感謝する、ゾルダン殿。

 


おう気にすんな。
俺の話で良けりゃ獣人にならいくらでも話してやるぜ。

 


またお話しましょう。トレインさん。

 


いつかお前のように旅の話をしてみたいものだ。

 


楽しんでいただけたようで何よりで御座います。

 

 

皆は会話しつつ、宮殿の中に戻っていった


トレインはご飯に食べないの?

 


私は列車ですから。

 

 

続く

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