メイラ皇国編(11)

マリコ達、勇者一同が居るよりもずっと遠くの大陸を横断する列車の中。
とあるサーカス団が使っている、颯爽と走る列車の中・・。

 

 


ハイ皆今日のショーもお疲れ様でした~♪

 


ふふん、やっぱ俺様の炎の前にゃ今回の観客も虜になっちまったぜ。
次の公演の時はもっとハデに炎を使ってやるとするか。

 


おつかれ~・・て、アッシャー、何か手紙が来てるー。

 


手紙だぁ?この時期にとは随分と遅いな。
公演の依頼なら来年にでも開けな。

 


私もそうしたいけど、とりあえず確認しないと。
マージ、その手紙の差出人は?

 


えーと、えーと、えーと・・この字見たこと無いから読めない!

 


なら俺が読んでやる。
お前は向こうでジャグリングでもして遊んでな。

 

 

そう言うとマージからゾルダンがひょいと手紙を取り上げる。

 

 


あ~こいつぁアレだ、どっかのお偉いさんだな。
名前は無いがメイラ皇国から直筆の手紙だ。

 


あら、それは大変。
早く中身を読んでよ。

 


あ?んなモン自分で読めよ。
お前にも目と脳ぐらいあるだろ。

 


ったく・・このトカゲは・・。

 


今なんつった?

 

 

若干怒るゾルダンを無視してアッシャは手紙を取り上げると封を開ける。

 

 


へぇ~、今メイラ皇国に光の勇者様が来てるんだって。

 


光の勇者様?
それって流行の大道芸人??

 


違うバカ。
ここ最近どっかの大陸で活躍してる女の勇者ってヤツだ。
噂じゃ無敵の悪魔どもをいともカンタンに倒しちまったらしいぜ。

 


凄い!!
大道芸人じゃなくて銀幕スターなんだね!

 


だから見せモンじゃねーっての・・・・。

 


この手紙はバヌー大陸のメイラ皇国、皇王様直筆の依頼だわ。
彼の頼みとなったら、優先するしかないわね。

 


アッシャ!
そのバヌー大陸ってどこにあるの?

 


えっと・・・今がこのあたりだから~・・。

 

 

アッシャが地図をテーブルに広げるとゾルダンが道を辿っていく。

 

 


メイラ皇国はこの辺ね。

 


はぁ!?端から端じゃねーか!
んな所行ってたら次の公演に間に合わねーぞ?!

 


仕方ないじゃない。
彼のお願いだし、それに間違ってもバヌー大陸に降り立った勇者よ?
会ってみないと損じゃない。

 


ゾルダン、私もアッシャの意見に賛成です。

 

 

2人のやりとりに車内放送の様な声が流れる。

 

 


うるせぇ。貨物列車のクセに事ある毎に口挟むんじゃねぇ。

 


それにダルメラ皇王とは古き友です。
旧友の願いは優先してあげるのが紳士という者ですよ。

 


じゃあなんだよ、お前は自分が紳士で俺は荒くれ者とでも言いたいのか?

 


仰るとおりです。

 


テメー今度焼いて穴開けてやるから覚悟しろ・・・。

 


はいはい、ケンカはそこまで。
トレイン、バヌー大陸、メイラ皇国まで1日で行ける道を探して。

 


バカか。んな道ねーよ。
この距離だ。軽く見積もっても3,4日はかかるっての。

 


あります。

 


は?

 


1日で行ける道は、あります。
しかし速度も上げるので到着後はしばらく休憩が入りますけど。

 


貴方の休息は着いたらばっちり確保するわ。
その道を教えて。

 


・・・・この大陸をどう横断するってんだよ・・・。

 

 

ゾルダンは地図を睨みつけながらトレインの言う道を探そうとしている。
そこに閃いたかの様に今まで遊んでいたマージが口を開く。

 

 


まさかまさか!
水中トンネル!

 


ご名答です。
流石はマージお嬢様、発想が素晴らしいです。

 


水中だと・・・・・。

 

 

ゾルダンは顔をしかめる。

 

 


水中は解るけど、トンネルなんて掘ったかしら?

 


掘りながら行く!

 


おいバカやめろ!
んな事したら列車が潰れるだろ!!

 


幸いこの大陸の海底は空洞になってるので通過が可能です。
その道で行けば直線で1日で行けるでしょう。
まぁ私の身体に合わず多少揺れるかも知れませんが。

 


ウソだろ・・・おいウソだろ・・・。

 


マージ、全力で行くから今から釜をバンバン炊いちゃって。

 


承知ィ!!

 

 

そう言うとアッシャは操縦室へ、マージは機関室へ向かった。
すると列車は大きく揺れ、外から大きなものが着水した音がした。
そんな中、ゾルダンだけは一人おろおろしていた。

 

 


おいマジでやめろって!
俺ぁ水が大嫌いなんだよ!!

 


ウルサイですよ、ゾルダン。
偉大なドラゴンがこの程度でうろたえてはいけません。

 


頼むから陸を走ってくれーーー!!

 

 

ゾルダンの悲痛な叫びをよそに、列車は海底へと消え、メイラ皇国へ向かった・・。

 

 

続く

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