メイラ皇国編(10)

数日後。

 

 


世界の国々へ書簡を送った。
返事もいくつか届いた。
マリコの国、エルダスが一番話が分かる。
既に魔族討伐部隊の強化にあたっているそうだ。
共に立ち向かおうとの返事を貰った。
ただ、他はまだ及び腰だな・・・。
遠方の国にはまだ書簡は届いてないだろうから、そこはまだ分からぬが。

 


・・・そうですか。
でも、我が母国エルダスの国王は戦うと仰って下さった。
エルダスは大国。
必ずや、後に続く国々が現れるでしょう。
私は、その力がエルダス国王陛下にはあると信じております。

 

 

マリコの眼は強い輝きを放ち、決意と希望に満ち溢れていた。

 

 


そなたが言うのだから間違いないであろう。
会った事の無い余などより、エルダス国王の人柄を知っておるのだからな。

 


はい。
必ずや国王陛下は国民のみならず、他国をも震え立たせて下さるでしょう。

 


確かに、あの陛下だったら心配無用ですね。

 

 

エルダス国王は、威厳に満ち溢れた人物だ。
国民の信頼も厚く、軍は国王に絶対の忠誠を誓っていたぐらいであった。
マリコとシルビもそうであった。

 

マリコだけでなく、シルビもエルダス国王には面識がある。
マリコと共に会った事が数度あるのだ。
シルビはこれといった目立つ活躍はないうえに平民だ。
普通なら会うことなど許されない。

 

しかし、国王は気がついていた。
シルビなしにマリコの活躍はありえないことを。
幾度となく魔族討伐部隊に顔を出してたとはいえ。
シルビは礼を言われた事がある、王宮で国王自らの口から。
マリコを支えている事実に対して。

 

マリコの後ろを常に守っていた存在などということはマリコと部隊長ぐらいしか気がついてないと思っていた。
目立たないようにしていたからだ。
しかし、エルダス国王は気がついた。

 

だが、それはシルビは別段褒めて欲しいことではなかった。
たとえ誰も気がつかなくともマリコの背中を守っていることは、勇者をではなく、単純にマリコ自身を守りたかっただけなのだから。
命とその重責から・・・。

 

 


うむ。
これはメイラ一国でどうにかできるものではない。
エルダスの王がそのような人物なのは安心できるというものだ。

 

 

ダルメラは心底安心した風に言った。

 

 


大魔王のこと、そなたらのみで背負おうとするでないぞ。
皆で背負うのだ。
そして、戦うのだ。
どんなに大魔王が強大であろうが。

 


はい!

 


お心、ありがとうございます。
残り少なくなったとはいえ、我がエルフ達も立ち向かいます。
過去、恐怖で全てを投げ出した事実があろうとも。

 


及ばずながら、私も戦います。
この治癒の力、無意味などと二度と思いません。

 

 

ミランヌは思っていたのだ。
治癒の力のみの自分に何が出来るであろうと。
だが、仲間は口々にその力は絶対に必要なのだと言った。
そして、ダルメラの言葉に後押しをされた。
戦う、皆で。
出来る事があるのならば、戦おう、自分も。

 

 


獣人族の誇りにかけて・・・!
我が一族に戦いを放棄するなど許されませぬ。

 


戦うなら多い方がいいってもんですからね。

 

 

そう言って、にやりとシルビは笑った。
心地よく、また力強くもある笑顔だった。
その笑顔を見ながら、リスキンも口を開く。

 

 


・・・俺は・・・そうして償えるなら・・・・・・。

 

 

そうせねば、立ち向かわねば、リスキンの罪業は増すだけであろう。
そして、リスキンは思い出す。
リスキンの体の時間を止める呪いをかけたのはヘルガではなく大魔王本人だった、と。
倒さねば、自分は呪われたままなのだ。

 

 


そうと決まれば、宴を開こうぞ。

 


え?

 


そなたらは戦ってばかりだった。
休息が必要だ。

 


休息なら、十分頂いております。

 

 

数日間、王宮にとどまって、労いを受け続けたのだ。
これ以上は・・・。
マリコはそう考えた
そんなマリコに眼をやって、笑顔をこぼしたダルメラ。

 

 


休息とは、体のみではないのだ。
知り合いのサーカス団を呼んである。
そろそろ着くと言っている。
心も休めるといい。

 

 

続く

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