エルフ村編(21)

マリコの必殺技がアルテメシアに当たるその直前だった

 

 


アルテメシア様!!
お守りします!!!!!

 


!!

 

 

2人の魔族がアルテメシアの盾となり、マリコの必殺技を受けた。

 

 


お・・お怪我はないですかにゃ~・・・

 


我々はこの程度のダメージ・・平気で御座いますわ・・

 

 

そう言いながらも2人の体の殆どは黒い煙となって消えつつあった

 

 


自ら盾になるなんて・・・

 


気をつけてください!
まだアルテメシアがいます!!

 


・・・。

 

 

部下2人の姿をいて酷く悲しみ、怒りを覚えたアルテメシア。
自分が相手をしダメージを食らうのは構わないが、部下が傷つくことだけは許さなかった。

 

 


最期に・・

 


お受け取り下さい!!

 

 

そう言うと2人は黒い煙となるが、その煙はアルテメシアへ吸収されていった。

 

 


・・・・どうやらあなた達には本気の私が必要みたいね。

 

 

そう言うとアルテメシアは自分の周りに黒い壁を作り出し、マリコ、ミランヌ、ヴァムの3人を隔離した。

 

 


!!

 


お、おい!
なんだこりゃ!?

 


結界の一種か・・?
これでは中の様子も解らぬ・・・。

 


・・・・これは眷属が使うバリアを強化したものだ・・。
解除するには・・・ヤツを倒すしかない。

 


おい、あんま喋んな。
・・・大丈夫だよ、きっとマリコ達がやってくれる。

 

 

弱々しくふらつくリスキンにシルビは肩を貸しながら言う。

 

 


これで、どうでもいい奴らは居なくなったわ。
3人ともこの場で食い尽くしてあげる。

 

 

殺気をも越す殺意を視線に込めながらアルテメシアは3人を睨みつける。

 

 


我々は負けない。
我が名の誇りにかけても、お前を討つ。

 


いくわよ!

 

 

マリコとヴァムはコンビネーションを組みながら斬りかかる。

 

 


遅い、邪魔よ。

 

 

だがアルテメシアはその攻撃を片手で跳ね除けてしまった。

 

 


!?

 


可愛い私の3人の部下の命、あなた達3人でまず償ってもらうわ。

 

 

先ほどより強く禍々しいオーラを放ちながら歩み寄るアルテメシア。

 

 


その手は通用しません!

 

 

花の必殺で羽を瞬時にかき消すヴァム。
だが・・

 

 


言ったでしょ。
遅いって。

 


!?
いつの間に!!

 

 

アルテメシアはそう言うとまるで時間を切り取ったかのような速度でミランヌに接近し、凄まじい一撃をミランヌに直撃させ、壁まで一気に吹き飛ばしてしまった。

 

 


うぅ・・・・・

 


ミランヌ!!

 

 

慌ててミランヌに駆け寄るヴァム。

 

 


余所見をしてる場合じゃないわよ。

 

 

そこに間髪をいれずにヴァムの背後に近づいたアルテメシア。

 

 


アナタを生かしたのが失敗だったわ。
もっと早くに殺しておくべきだった。
だから、今ここで殺してあげる。

 

 

そう言うとアルテメシアの禍々しく変形した腕がヴァムの胴体を貫いた・・・

 

 


がはっ!!!

 

 

致命傷に大量の血を吐くヴァム。
その時、チラッとマリコを見た。
マリコはヴァムの意図を理解し、こくんと頷いた。

 

 


痛い?
私の可愛い部下はもっと痛い思いをしたの・・そう簡単に死ねると思わないで。

 


・・・功を焦りましたね。

 

 

そう言うとヴァムは自分の胴体に刺さったアルテメシアの腕を掴み、
そのまま引き抜くと同時に魔法を詠唱する。

 

 


な!?

 

 

ヴァムの詠唱がするとヴァムの傷はどんどん塞がり、逆にアルテメシアの腕は人の形ではどんどんなくなっていった。

 

 


お前の中にあるエルフのパワー、仲間の命を返してもらう!
マリコ!!!

 

 

その声を合図に、マリコの体が光で覆われる。

 

 


ソードシャイニング!!!!!!

 

 

マリコの光の一撃がアルテメシアを直撃した。

 

 


う・・ぐ・・・・・・中々やってくれる・・・・・じゃない。

 


なんてしぶとさなの・・!?

 

 

今までこの必殺技を受けて生きていた者は居ない。
マリコはアルテメシアの力に驚いていた。
だが、次の一撃が最期だとマリコは確信した。
また、ヴァムも自らの傷とミランヌのダメージを完治させたヴァムは悠然と立ち上がる。
だが、持ち上げる剣は先ほどより重そうだった。
・・・禁呪、再生能力を使ったせいだった。

 

 


大丈夫か?

 


はい・・すみません。
油断してしまいました・・・。

 

 

ミランヌの返事を聞いてヴァムは微笑むとアルテメシアに向き直る。

 

 


ヴァム、大丈夫?
疲れてるみたいだけど。

 


いえ・・・大丈夫です。

 

 

ヴァムによりエルフの力を失いマリコの攻撃を受けたアルテメシアは最早戦う力が残ってないのは見て明らかだった。
だが、アルテメシアにはまだ秘策があった・・・。

 

 


魔女よ、永遠の闇に還る時だ。

 


次こそ終わりよ!

 

 

マリコは叫ぶと、アルテメシアが苦しんでいる間に溜め込んだ光で体を覆った。
ヴァムも詠唱をした。

 

 


ビッグプラントスラッシュ!!!

 


ソードシャイニング!!!!!

 

 

マリコとヴァムの必殺技が炸裂た。アルテメシアの全身から黒い煙が吹き出した。

 

 


まさか・・・この私が・・この力を持ってしても・・!

 


早く死になさい。
お仲間がお待ちよ。

 


・・・・。

 

 

無残に朽ちてゆく魔女をマリコは冷ややかに、ヴァムは冷静に見ていた。
だが、ミランヌだけは疑問を持っていた。
“何かが怪しいと”
黒い影が残ってる・・・そんな感じを受けた。
そして完全に黒い煙となって実態が無くなり、結界も無くなかったのを見てマリコとヴァムは剣を収め、皆の下へ歩いていく。
ソードシャイニングを三発使ったせいで、よろめめきながらだった。

 

 


ヴァム、やっぱり戦いを見てて思ったんだけど、貴方の方が勇者に・・・

 

 

マリコが安堵してヴァムに話しかけた瞬間、黒い煙から人影が出てきた・・・。

 

 


・・・・逃がさない。

 

 

最後の力を振り絞ってアルテメシアは上半身だけでマリコめがけて猛スピードで迫ってきた。

 

 


!!
マリコ!危ない!!

 


きゃぁ!

 

 

異変に咄嗟に気づきマリコを突き飛ばすミランヌ。
そしてアルテメシアの攻撃が直撃し、ミランヌの胸に大きな風穴が開いた・・。

 

 


え・・・・あ・・・・がふっ・・。

 


!!!

 


ふふ、アナタは私が地獄へ連れていくわ・・。
そう・・私達だけじゃ死なせない・・道連れよ・・ふ、ふふ、、うふふふふ・・・。
私の可愛い部下達・・・あの子達の命も無駄にしないためにも・・・・・・。

 

 

ミランヌの心臓を握り締めながらアルテメシアは黒い煙となり、遂に完全に消えた。

 

 


ミランヌ!!!

 

 

慌てて駆け寄るヴァム。
だが既にミランヌは息をしていなかった・・。

 

 


どうして・・・どうして君が!!

 

 

悲しみのあまり泣き叫びながら訴えるヴァム。
その姿に一番心を苦しめたのはマリコであり、同時に自分を強く責めた。
自分が最後の最後に気を抜いたから・・・・と。

 

 


・・・・・・・・。

 


・・・・・・マリコ。

 

 

ヴァムは身体を震わせながらマリコを見る。
マリコはその目が恨みの目である覚悟をした。
だが、ヴァムの目はむしろ懇願するような目であった。

 

 


お願いだ・・・いや、お願いがあります。
必ず・・・必ずこの世界を魔族から救う事を約束してください・・・。

 

 

ヴァムの改まった願いに困惑するマリコだったが、ゆっくり、そして強く頷いた。

 

 


ミランヌ・・・。
どうかこんな僕を・・許してくれ・・・!

 

 

ヴァムは願いを込める一心でミランヌの手を取り、何かを詠唱する。

 

 


!!
ヴァムその術は!!

 

 

ヴァムを引きとめようとするリスキンをガラドゥは力強く掴んで静止した。

 

 


あの者の選んだ道だ・・・・。
我々が介入できる場ではない。

 


・・・・・・!
ヴァム、あなた身体が!!

 

 

ヴァムは詠唱を続けるうちにミランヌの傷は回復していくが、それと同時に
どんどんヴァムの身体は透けていくのが明らかだった。

 

 


僕は大丈夫です。
ですがマリコ・・・いえ、勇者様。

 

 

マリコはその呼ばれ方にはっとする。

 

 


僕に出来る事はこれが最後です・・。
どうか・・・どうか・・・・・彼女をその手で守ってあげて下さい。
僕からの・・・最後のお願いです。

 

 

そう言い残すとヴァムの身体は完全に消滅し、王冠だけがミランヌの身体の上に落ちた。

 

 


ヴァム・・・・。

 

 

勇者様、その一言がマリコの胸に刺さった。

 

 


うっ・・・

 


おい、大丈夫か!?

 


私は確か・・・・・!
ヴァム!
ヴァムはどこへ!?

 

 

ミランヌの問いかけには誰も答える事は出来なかったが、マリコは王冠に目を向けた。

 

 


貴女を・・・・・救ったわ。

 


!!!!

 

 

その一言に声を殺しながらも、泣き崩れるミランヌ。


ヴァム・・・・どうして・・・・。

 

 

眷属を倒すと言うにはあまりにも大きすぎる代償を心に焼付けられ、一同はその場に居ることしか出来なかった・・。

 

 

続く

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