エルフ村編(17)

治療もすみ、落ち着いたところ、ヴァムが口を開いた。

 

 


僕達の村はもうすぐです。
ご案内します。

 

 

 

***************

 

 

 

案内されたエルフの村、そこにあったのは何も無い焼け野原だった。

 

 


皆、皮も骨も食いつくされてしまいました。
家々も、全て焼き払われてしまいました。
・・・・・・何もありません。

 


・・・。

 


アルテメシア達は族長の屋敷を根城にしております。
村とは少し離れた位置にあります。
案内します。

 

 

 

******************

 

 

 

焼け野原と化した村を抜け、しばらく行くと、大きな屋敷が見えてきた。
うっそうと茂る森の中にかすかに見えている。
近づくと、美しい女性が屋敷から外に出てきた。
アルテメシアだった。
アルテメシアの背後には2人の女魔族が控えていた。

 

全員が大きく身構えた。

 

アルテメシアはマリコを見ると、恍惚とした表情を浮かべた。

 

 


素晴らしい、素晴らしいわ・・・。
なんて素晴らしい・・・。
これならヘルガがやられるのも無理は無い・・・。
素晴らしいまでの光の輝き、そして何て愛らしい姿・・・・・・。
貴女は、私のもの・・・。

 


本当に素晴らしいですわ、アルテメシア様♪
これはさぞや美味でしょう。

 


・・・スニーク。

 

 

そんなアルテメシア達を見て、ミランヌはわなわなと震えた。

 

 


アルテメシア・・・。
もうそこまでの姿を・・・。

 


随分な変わりようだな、アルテメシア。
いや、ドゥ以外、全員、か。

 

 

アルテメシアと、その側近を見て顔を曇らせるリスキン。
全員、元々人型をしていなかった。
なのに、ドゥ以外は、まるで別の存在になっていた。

 

 


あら、誰かと思ったらヘルガの腰巾着のスニークじゃない。
ちょっと雰囲気が変わったから分からなかったわ。
私の可愛いカトゥーナを殺した罪、死を持って償わせるわ・・・。

 


・・・。
その様子だと随分と喰ったな。

 


そうよ・・・。
喰らったわ・・・。
美しいエルフ達を・・・。
素晴らしい魔力を持つエルフ達を・・・。
そして、近づきつつあるの、この世で最も素晴らしい存在に。

 

 

そのアルテメシアの言葉に、吐き捨てるようにマリコは言った。

 

 


くだらない。

 


何がかしら。

 


あなたは・・・どんなに見掛けを取り繕ったって、所詮、心は異形のまま。

 


さすが光の勇者・・・。
さすがだわ。
激高するでもなく、くだらないと威風堂々と言い放つその姿・・・。
貴女は紛れもなく、真実、光の勇者・・・・・・。
ああ、早く食べたい・・・・・・。

 


ヘルガとは別の意味で異常・・・ね。
なるほど。

 


自分に酔っておる・・・。

 


・・・。

 


あら、そこの腰巾着から聞いたの?
ヘルガと私は違うって・・・。
あなたはヘルガとは違って私を警戒してたものね・・・。

 


リスキン殿・・・スニークはヘルガに操られていたに過ぎない。
ここにいるのは、貴様の知っている者ではない。

 


操る・・・。
ヘルガが好みそうな手段ね。
なんて悪趣味・・・。

 


アルテメシア様はそんなくだらないことはしないにゃー。

 


ヘルガは野卑な女だったわ、アルテメシア様と大違いで。

 


アルテメシア・・・僕は・・・僕達はあなたが喰らった仲間の無念を裏切るわけには行かない!
エルフを・・・ただの食事と考えているあなたに負けは許されない!!

 


あら、降参してたと思ってたのよ、エルフたちは。
いつのまにそんなに強気になったのかしら。

 

 

ヴァムの様子にアルテメシアは優しく微笑んだ。
そして、恍惚とマリコを見つめた。
マリコこそが負けを認めて絶望してたはずのエルフを立ち上がらせたのだ、と。

 

 


光り輝く貴女・・・。
属性だけじゃなく、その誇りすら、光り輝いている・・・。
今まで多くの魂に光をささげてきたのでしょうね。

 


私が与えてきたのは、虚偽の光と、絶望だけよ。

 


まあ・・・そんな事考えるようになったのは・・・ヘルガの悪趣味のせいかしら?
あなた小さいものね、まだ。
でも、ヘルガの悪趣味も・・・乗り越えてきたじゃない・・・。
それは事実・・・。

 

 

そんなアルテメシア達をにらめつけ、マリコは言い放った。

 

 


お話はここまでよ、アルテメシア。
あなたは、ここで倒れる。

 


素晴らしい子・・・。
ふふふ・・・。

 

 

続く

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