エルフ村編(7)

エルフの村で起こったことを聞くマリコ達。

 

 


エルフのみに効く毒薬?
それをあんたらの村の川に撒いたって・・・!?

 


はい・・・。
この場所は、何とかまだ毒水が廻って無い場所・・・。
でも時間の問題でしょう。
逃げるのも、もはや限界。

 


ヘルガに作らせてたのはそれだったのか・・・。

 



知らなかったのか?
危険視してたのに。

 


俺が危険視してたのは、作らせているものではなくアルテメシア自身だった。
アルテメシアはヘルガの魔王への妄信を利用していたからな。

 


なるほど。

 

 

そのリスキンの言葉を、何か考えるような風に聞きながらエルダは話を続けた。

 

 


・・・アルテメシアは元々異形でした。

 


そういえば、そんなことおまえも言っていたな。

 

 

チラッと、リスキンを見るシルビ。
リスキンは顔を曇らせている。

 

 


アルテメシア・・・そしてその配下は我々を喰らうことで人型を手に入れました・・・。

 


なんと!

 


・・・。

 


そんな・・・喰らうだなんて!!

 


・・・。
アルテメシアは元々どんな姿だったんだ。

 


顔は牝牛。
胴は鰐。
尾は三匹の蛇でした。

 


げげっ!


エルフの戦士たちはアルテメシア達と戦い、その間我々は逃げていったのですが・・・。
あやつらは強すぎる・・・。
戦いに負けたものたちから順に、アルテメシアたちに喰われて行きました・・・。
そして、逃げ惑うものたちを生殺しにするかのように徐々にエルフの体を蝕む毒水を水源に撒いたのです。
・・・逃げ惑いながら、我々は徐々に衰弱しました。
そして、外に出ようとする者達から順に喰らうこともしました。
ヴァムがあなた方を連れてこれたのは、まさに、奇跡。

 


・・・。

 


・・・。
アルテメシアは徐々に我々を喰らっています。
何故か、一気に我々をアルテメシアは喰らわないのです。
今頃、とっくに全員喰らわれていてもおかしく無いのに。

 


何で、そんな回りくどい真似しているのかしら。

 


アルテメシアは異常だ。
苦しみ、逃げ惑うのを喜びにしているんだろう。

 


ヘルガと一緒じゃない!

 


・・・俺の印象だが、アルテメシアはヘルガとは違う。
ヘルガの楽しみとアルテメシアのそれは、何かが違っている。

 


???

 


ここのエルフを食べたことで、アルテメシアは人型を少しずつ得た。
アルテメシアは異形である自分の姿を嫌っていた。
その為に喰らったが、その中で楽しみも見出したのだろう・・・。
ヘルガが魔王のためにしていることの中に楽しみを見出したように・・・。

 


・・・。

 


行きましょう!
相手は強い。
でも、何もしないわけにはいかない。
時間が無いわ。

 


そうだな。
強さがヘルガ以上ってのが、気になるが。

 


俺が会ったときより、更に力を増しているだろう。

 


何故そう思う?


エルフという特殊な種族を喰った。
元々アルテメシアは喰らった相手の力を吸収する能力を持っている。
だからこそ、だ。

 

 

そこへ、ヴァムが唐突に口を開いた。

 

 


待ってください、僕も行きます、行かせてください!

 


まって、あなたは怪我をして・・・

 


今、ミランヌに治癒してもらいました。
問題はありません。
それに、これは本来は我々のみの力でどうにかせねばならなかった問題です。
戦士でまともに戦えるのは僕と父の族長エルダだけですが、あなた方ばかりに頼るわけにはいかない。

 


ヴァムの言う通りだ・・・。
ヴァムはエルフの戦士の中でもとりわけ強い。
どうか連れて行ってください。
役に立つでしょう・・・。
それとミランヌ。

 


は、はい!

 


あなたも一緒に行きなさい。
皆様、ミランヌは強い治癒魔法が使えます。

 


分かりました、族長。
皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。

 


強い治癒魔法!
そりゃあ、ありがてえ!

 


うむ。

 


・・・。

 


ありがとう、よろしくね。

 

 

マリコは脳裏に地下都市で自分たちについてきた人々の末路がよぎった。
そんなマリコの頭をぽんぽんっとしルビがたたいた。

 

 


そう暗くなるなって。

 


暗くなんてなって無いわよ。

 


嘘は疲れるぞってな。

 


なんでそうなるのよ・・・。

 


ここの皆は私が守ります。
どうぞ、ご心配なく・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


リスキン殿。

 


俺に何か・・・?

 


貴方が何に苦しみ、何を悔いているのかは分かりません・・・。
しかし、未来はあなたの上にも降っているのです・・・。
どうか、それだけは忘れないでください。

 

 

続く

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