エルフ村編(6)

エルフ達がひそかに隠れている場所に着いたマリコ達。
そこにはエルフ達が十数名いるのみだった。
どのエルフも、弱々しくうなだれていた。
その眼には絶望が漂っている。
そこには族長らしき男性と一際美しい女性もいた。

 

 


光の勇者殿を連れてまいりました・・・族長・・・

 

 

すると、族長らしき男性が立ち上がり口を開いた。

 

 


・・・我が子ヴァム、ご苦労であった。
私にも見える・・・その方が光の勇者殿である、と。
私の名はエルダ。
エルフの族長・・・。
無理を承知でここへ赴いてもらい感謝いたします。

 

 

そこへ、ヴァムの顔を見て疲れた顔をしながらも喜びと安堵の顔をした、一際美しい女性・・・ミランヌが口を開いた。

 

 


ヴァム・・・お帰りなさ・・・
!!
貴女・・・は・・・!!!

 

 

エルフは特に、属性に関するオーラには敏感だ。
ミランヌはマリコの尋常でない光にすぐに気がつき、驚きを隠せないでいた。

 

 


勇者様、それに皆様・・・。
このような危険な地まで来てくださったこと、なんとお礼をしたら良いか・・・。
私の名はミランヌ。
ここで皆の治癒をしております。

 

 

口々に礼を言うエルフ達。

 

 


・・・私は勇者ではなくて、マリコよ。

 



は、はい。
では、マリコ様

 


マリコでいいわ。

 


は、はい、ではそのように・・・
マリコ方々、来てくださり感謝の言葉もありません・・・。

 


私からも再度お礼申し上げます。

 


私たちはまだ何もしてない。
お礼をするのはその後にして。
・・・。
でも、私たちは必ずこ眷族アルテメシアに勝つ。
それだけは覚えておいて。

 

 

絶対の決意を帯びた言葉を放つマリコ。
おおーー、と弱々しくも喜びの歓声を上げるエルフ達。
その眼は、マリコ達が来たばかりとは違い、希望に満ちていた。
マリコの光のオーラにではなく、マリコの魂の輝き、眼の輝き、余りある言葉の力強さに圧倒された。
ヴァムもミランヌも喜びの顔を隠さない。
エルダは微笑み、優しさに満ち溢れた目でマリコ達を見ている。

 

 


ありがとうございます、マリコ。
それにしても・・・私の思い違いかもしれませんが、マリコは勇者殿と呼ばれるのが気に入らないとお見受けいたしましたが・・・。

 


そうよ。
勇者でもないのにそう言われるのは、分不相応。
私は、勇者でもなんでもない、ただの子供。

 


・・・。

 


そのように仰る訳は・・・あえて問いません。
ただ、その眼は絶対の決意に満ち溢れ、諦めていた人々の心を諦めを捨て去らせる力を持っています。
諦めは、人を命だけでなく心をも死の淵に追いやる。
それを人々に拒絶させる力を貴女は持っているのです。
我々が、良い例。
今、私も含め、皆が貴女のその眼の強さと言葉に奮い立ちました。
希望を、今、見出したのです。

 


・・・意味が分からないわ。

 


貴女は仲間を見捨てたことはありますか?
志を裏切ったことはありますか?

 


・・・。

 


無いでしょう。

 


そうあってはならない、そう思い出してくれた人達がいた。
勇者としてではなく、人として。
私は勇者として戦っているんじゃない。
私が成さねばならない事と思ったからこそ、私はここに立っている。

 


それこそが、貴女を勇者たらしめている証・・・。
貴女が自らを勇者と認めたとき・・・貴女は真の勇者となるでしょう。

 

 

続く

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