エルフ村編(2)

地下都市を開放し、その混乱を横目にしながらマリコ達はメイラ皇国のオワシスの街ラビリスにいった。
案内役はリスキンだった。
徒歩で最も近くの機関車が通る駅まで行って、そこから一週間をすごした。
カイは、ラビリスの製糸工場に預けることになった。
ラビリスは隣国リゾッテに最も近いこともあって、交易と輸入した品を加工するのが主な街だった。

 

 


オワシスってこういうの言うんだなー

 

 

と、相変わらずな調子で言ったが、その割には周りをきょろきょろ周囲を眺めていた。
殺風景な場所で育ち、外に出てもやっぱり殺風景だったために、さすがのカイにとっても活気があるラビリスは驚きの場所だったようだ。

 

 


あなたには感謝しても感謝しきれないわ。

 


だから、何がだよ?

 


分からないんだったら、それでいいわ。
でも、私は忘れない。

 


あ、そう。

 

 

カイにはマリコが言いたいことは意味不明だった。
カイにとって”志も仲間もポイってか”という言葉はただの世間話に過ぎなかったからだ。
だが、マリコにとっては痛烈なまでに心に突き刺さった言葉だったのだ。

 

 

 

******************

 

 

 

ラビリスに着く頃には既に地下都市の件は、大きな噂になっていた。
メイラ皇国も動き、混乱の鎮静化を図っているという。
そして、そこを支配していたヘルガという魔王直属の眷属を倒した光の勇者のうわさも飛び交っていた。
ただ、マリコは外見が外見のため、女勇者という噂はあってもマリコが光の勇者だと気がつく者はいなかった。
それに、如何に光のオーラが一般人にも見えるといっても、照り返しの強いラビリスの街では分かりづらい。

 

 

ラビリスについてから、マリコとリスキンはよく一緒に鍛錬した。

 

 


何がヘルガからの魔力提供がなくなったから自分は凡人だ、よ!
速いじゃない!!!
捕らえきれないわ!

 


俺はそれしか取り柄がなくなった、ヘルガがいなくなったからな。
でも、マリコは動きが直線的で読みやすい。
シルビが脳みそ筋肉と言っている訳がよく分かる。

 


言うじゃない!

 

 

マリコは何とか単調な動きをやめるようにはしたが、やはり相手が強ければ読まれてしまう。
まだまだ修行不足というわけで、それを克服するのに素早さが高く頭の回転も速いリスキンは良い修行相手だった。
それはリスキンも同じで、動きが読めるとはいえマリコの踏み込みの凄さに対応するのはかなりの神経を使う。
お互いがお互いを良い修行相手としていた。
マリコは今まで父親と修行していたが、外に出てからまともに修行できるようになったのはリスキンが仲間になってからだ。
今までは、シルビとガラドゥとでは戦い方がそもそも違いすぎるために、それは叶わなかった。

 

 

そんな会話をしてた時、唐突にリスキンが剣を下げ、どこかしらを見つめていた。

 

 


リスキン?

 


ヘルダストだ。

 


え!?

 


ようやく事情が飲み込めたらしい・・・。
他の眷属に連絡をした。
ヘルガの敗北と地下都市の崩壊を・・・。

 


!!

 


俺は、ヘルガのそばにいた。
ヘルダストと会話が出来る。
ヘルダストは信号を送っている、エルフ村に・・・。

 

 

続く

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