エルフ村編(11)

魔族と魔物たちの群れの先頭を突破しながらマリコはヴァムに声をかけた。

 

 


・・・ヴァムはエルフの戦士としての誇りが高いのね。
私には誇りが無い。
貴女とは違って・・・。

 


僕はマリコがどうしてそのようなことを思うか理解できません。
誇り高い女性です、貴女は。
このようにいわれるのはお好きでないことは知っておりますが・・・
貴女は人々に希望を与える勇者です。

 


私は勇者なんかじゃないわ。

 

 

動きを止めることなくマリコとヴァムは会話を続ける。

 

 


僕は貴女に勇気をもらった。
アルテメシアを絶対倒す。
ヘルガという眷族に立ち向かったときの事をシルビ達からも聞きました。

 


だったら、私が勇者ではないことぐらいわかるでしょ。

 


まさか!

 


何で、まさか、になるのよ。

 


ガラドゥは言ってました。
貴女はどんな状況でもヘルガを倒すことしか考えてなかった、と。

 


ガラドゥが?

 

 

意外な人物の名が出てきた、マリコはそう思った。
ガラドゥはマリコは勇者ではないと言い切っていた。

 

 


絶望的状況下、絶対勝つ、その心を思い起こさせてもらったと。

 

 

ヴァムの眼は輝いていた。

 

 


 


そのような人物こそ、勇者なんだと。
僕は絶望的な状況下で、絶対勝つという意思を保てませんでした。
あなた方を連れてきても・・・という考えでしかなかった。
失礼な話ですが、族長の命とはいえ、焼け石に水程度にしか考えてませんでした。
でも、実際に出会って、心が変わりました。
あなたの、その眼の強さ魂の輝き言葉の力強さに希望を見出したのです。

 


・・・ヘルガを、魔王たちを許してはならないと思ったから戦った。
倒すと私自身の心に誓った。
それだけよ。
私に対して勇者なんて言葉、無意味だわ。

 


意味ならあります。
きっといつか貴女にも分かります。

 

 

続く

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