エルフ村編(10)

村に行く道すがら、魔族や魔物が続々と襲ってきた。
それを圧倒的な戦闘力で蹴散らすマリコとヴァム。
豪快なマリコとに対して、ヴァムの動きは華麗だった。

 

 


マリコが二人いる気分だぜ、俺・・・。

 

 

マリコとヴァムを援護しながら、ヴァムの剣戟を感心を通り越してあきれるシルビ達。

 

 


我もだ・・・。

 


エルフとは思えないぐらい、剣の腕が凄い。
普通、エルフといえば魔法と弓なんだがな。

 


ヴァムは我らが一族の中でも、族長の次に強いお方ですわ。
素晴らしいのです。

 

 

頬を赤らめながら言う、ミランヌ。

 

 


もしかしなくても・・・あんたヴァムにほれてる?

 

 

さらに頬を赤らめるミランヌ

 

 


な、何を仰るのです、シルビ!

 


・・・シルビ殿、そういう話はここの連中を倒してからにしろ。

 


確かに。

 

 

 

**************

 

 

 

一段落ついた後、シルビは感嘆の声をあげた。

 

 


お前、強いなー

 


いえ、マリコには及びません。

 


どこがよ。

 

 

本気でヴァムは自分のほうが下だと思っている。
だが、マリコには分かっている。
端から見れば豪快な動きをするマリコのほうが上に見えそうだが、実際の腕前は、同じか、ヴァムのほうが上だ。
動きに無駄が無い。

 

 


ヴァム殿は強い。
それは明白だ。

 


本当に強ければ、村はこんなことにはなっておりません。

 

 

一同は静かになった。
ヴァムは強い。
しかし、眷族には及ばなかったのだ。
マリコ一人ではヘルガには及ばなかったように・・・。

 

 


しかし、僕はエルフの戦士です。
絶対にこれ以上の犠牲は出させない。
僕には、その、絶対的な使命がある。
これ以上の負けは許されない。
皆様、一緒に戦ってくださりありがとうございます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァムはマリコを勇者だと言う。
しかし、そのヴァムこそが勇者そのものにマリコには思えた。
剣の腕前だけでなく、その誇り高さゆえに。
自分には何の誇りも無いのに、ヴァムにはエルフの戦士という絶対的な誇りがある。
自分には何一つ無い・・・。
マリコは何処か屈折した心を自らに抱いた。

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