地下都市編(30)

ガラドゥとマリコが怒涛のどとうのようにヘルガに攻撃を仕掛けた。
二人のコンビネーションは既にかなりの域に達していた。
この地下都市に来るまでの間共に戦ってきたこともあるが、二人の天才的戦闘センスが大きい。
ガラドゥはマリコが直線的にならなくなったことにも、すぐに対応した。
しかし、ヘルガはそれのこと如くを楽しみながら防いでいた。

 

一方、シルビは銃を構えていた。
ヘルガはシルビの銃のこともあって常にバリアを張っている状態にあった。
そうでなくても、ヘルガは瞬時にバリアを張る事が出来る。

 

それに、”策”のこともある。
決定的なタイミングがこなければ迂闊にウエスタの銃弾は使えないとシルビは考えていた。
なので、今は辛抱のときだった。
そのようなことを考えながら、二人が攻撃している間を針の糸を通すが如くヘルガに向かってシルビは銃弾を飛ばしていった。

 

そして、ヘルガにシルビが放った弾丸が到達するその直前・・・
闇から出てきた何かで、ヘルガはシルビの弾を防いだ。

 

 


!!!!

 


あらあら、折角のお友達を手にかけるなんてアナタも残酷ねぇ♪

 


ウエスタ!!!!!

 

 

闇からヘルガが出したのは、ウエスタだった。
ウエスタは、シルビの銃弾を浴びて吐血した。
ヘルガは愉快そうにシルビの前にウエスタを放り投げた。
あまりのことに愕然とする三人。
最も動揺したのは、当然シルビだった。

 

 


おいおい、なんて顔してんだ、シルビ・・・。

 


喋るな、今止血する!!

 


・・・止血かあ、そうかあ。

 

 

満面の笑顔のウエスタ。
その表情は喜びに満ち溢れている。

 

ウエスタの胸からは大量の血があふれ出していた。
シルビは自分の服を破り、必死でウエスタの血を止めようと強く巻きつける。
しかし、ウエスタの傷は、明らかに致命傷だった。
それでも、シルビは必死でウエスタを助けようとした。

 

そんなシルビの様子に、笑顔でウエスタは言った。

 

 


・・・。
いやあ・・・、こんなまともに看取られ・・・て・・・死ぬなんて・・・
想像した・・・こ・・とな・・・・・・

 

 

それがウエスタのこの世での最後の言葉になった。
死に顔は穏やかな笑顔で満ちあふれている。

 

 


ウエスタ?
ウエスタあああああああああ!!!!!!!!!

 


あらら、死んじゃった♪

 


・・・。

 

 

まともに看取られるて死ぬとは思ったことなかったと笑顔で死んだウエスタ。
どこがまともなのだというのか。
どう考えてもまともじゃない。
それなのに、まともな死に方だとウエスタは言った。
ウエスタにとって、自分の死に苦しむシルビは、悲しみでもあり喜びでもあった。
それはあまりにも悲劇だった。

 

 


ウエスタは私の一番お気に入りの奴隷だったのよー
だ・か・ら、と~っても素敵な死に方をさせてあげないといけないって思ったの♪

 


何が素敵だ・・・。

 


だって素敵でしょ♪
ウエスタだって喜んでたじゃない☆
ちょっとつまんないけど。

 


ヘルガ、貴様あああああああああ!!!!!

 

 

そのままヘルガに突っ込んでいこうとするシルビをガラドゥが羽交い絞めにした。

 

 


シルビ殿、駄目だ!!

 


・・・。

 

 

マリコはシルビがあれほどまでに取り乱すのを初めて見た。
ずっと一緒で、いつも守ってくれていた、兄とよんでもおかしくない存在。
いや、兄なのだ。
その兄は、常に冷静で目の前にどんな残酷な光景が広がっていようが、なんだかんだ言いながらも取り乱すことなどなかった。
だが、今は違う。
目の前で友人が凄惨な死を遂げた。
・・・凄惨な言葉を残して。

 

 


離せ、ガラドゥ!!!!!

 


シルビ殿!!
それこそヘルガの思う壺だ!!!
ウエスタ殿を死を無駄死ににしたいのか!!!!

 


!!!

 

 

ガラドゥの言葉に、はっと我に返るシルビ。
ウエスタは自分がどうなるかをわかっていて、シルビに地図と銃弾を渡したのだ。
シルビが、今我を忘れてヘルガにやられでもしたら、ウエスタの死はなんだったのか。
そもそもウエスタは、自分を心配する奴も心配する相手もいないと言っていた。
ここへ来る前から、すでにウエスタには救いなどなかった。
だからこそ、ウエスタにとって、まともでないはずの死はシルビの悲しみによってまともな死になったのだ。

 

 

 

 

 

 


ウエスタ・・・。

 

 

続く

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