地下都市編(25)

地下都市は、”都市”というぐらいだから広大だった。
シルビがガラドゥやマリコの元に行くのにも、実はかなりの時間を要した。
出口となると、さらに遠くなる。
マリコ達は、逃亡を聞きつけ押し寄せてくるヘルダストたちを蹴散らせながら、進んでいった。

 

出口は最下層25階で、入り口と出口では分かれている仕組みになっている。
地下都市は入り口からでは絶対に出れないよう設計されていたのだ。
また、各階の階段と階段を結ぶ道も入り組んでいた。
地下要塞でもいうべき場所。
ただ逃げ込む場所なだけならそんな面倒な仕組みにしなくてもいいはずだ。
それは何を意味するのか・・・。
ヘルガがそうしたのか・・・それとも・・・。

 

シルビは地図を一度見たから大丈夫だ、と言っていた。
だが、それだけでこれほどまでの広大な場所の全てを暗記していることは驚きだった。
ガラドゥはもちろん、マリコでさえシルビがそこまでの頭脳を持っていたとは知らないことだった。

 

そんなシルビをみながら、マリコは聞いてみた。

 

 


私、どうしたら、もっと強くなれるかしら・・・。

 


どうしたんだ、急に。

 


今もそう。
ただ、倒せばいいという攻撃しか出来ない。
これじゃあ、ヘルガに通用しない・・・。

 


脳みそ筋肉を今更自覚したか?

 

 

ぷっと吹き出すように笑うシルビ。

 

 


何ですって!

 


戦略は俺が立てる。
お前が自分の脳みそ筋肉ぶりを自覚したのはありがてえ。

 


何か策があるのか、シルビ殿?

 


まだ思いついてない。
困ったことに。

 


それじゃあ意味ないじゃない。

 


うるせえ。
それは走りながら考える。
ヘルガは悪趣味だ。
俺たちを一気に殺すという手段はとらない。
そこに打開策がある気がする。

 


なるほど。
だが、シルビ殿。
ヘルガの横にはスニークがいる。
あやつはどうする?
厄介な相手だと思うのだが。

 


そうね・・・。
あいつ・・・スピードだけなら私より上だったわ。

 


お前よりスピードは上、か。
ヘルガが側に置くわけだな。
たいした野郎だよ。
でも、ヘルガ自らお前と戦ったのは、スニークじゃあ、お前との間に決定的な力の差を見せ付けられないからだろう。
むしろ負ける可能性のほうが高い。
スピード自慢だけじゃあマリコは倒せない。

 

 

マリコの瞬発力と動体視力は、常人の想像をはるかかなたを超えるものだ。
どんなにスピードが速くとも、それだけではマリコを倒すのは難しい。

 

 


なるほど。
そういえば、最初からヘルガはスニークでは手に余ると言っていた。

 


そういうこと。
でも、どっちみちマリコよりスピードが上っていう時点で面倒な相手なのは確実だ。
だけど、さっきも言ったけど、ヘルガは悪趣味な上に一人でも俺たち三人を片付けられると思っているだろうから、すぐにはスニークを使わない。
そこが鍵だ。

 

 

続く

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