一方、ウエスタは、外がざわついているのを静かに眺めていた。
シルビ、あいつ無事かな・・・。
そこへ、突然ヘルガが現れた。
ヘルガがここの研究室に来ること自体は珍しくないが、今のヘルガは禍々しい闇を放っていた。
研究員達はすぐにそれが分かり、顔をこわばらせた。
あら皆、いつも研究ご苦労様♪
大丈夫、私が用のあるのはウエスタだけだから。
ヘルガは優しく微笑んだ。
その言葉に、ほっと胸をなでおろす研究員達。
ウエスタ♪
私はあなたのこと、とーってもとーっても気に入ってたのよ。
いつも素晴らしい研究成果をどんどんあげていって、どんどん魔王様の化粧品を改良する、あなたが・・・。
ここの研究所、いえ、この地下都市で最も優れていた、あなたが・・・。
勿体無いけど、しょうがないわよね☆
あのお兄さんを逃がしたのは・・・あなたね♪
ヘルガ。
シルビは負けないよ。
いや、シルビ達、か。
そう言い放つウエスタ。
もう覚悟は決まっていた。
まあ、可愛いこと言うのね♪
素敵☆
でも、お痛が過ぎたわ☆
そこへ、ウエスタをかばうかのようにウエスタの前に現れたヘルダストが一匹・・・。
おまえ・・・。
・・・、・・・・・・、・・・・・・・!!!
ヘルダストはヘルガや他のヘルダストを威嚇した。
!!!
あら、可愛い。
あなたが自分の監視役のヘルダストを可愛がっているのは知っていたけど、自分の意思を持つようになるまで育て上げるなんて・・・さすが、ウエスタ♪
愉快そうにくすくすと笑うヘルガ。
何考えてるんだ、お前、やめろ!!!
お馬鹿な子♪
ほんと、素敵・・・。
素敵なあなた達には私自ら手をくだしてあげるわ♪
・・・、・・・・・・!!!!!!!!!!!!
そのままヘルガに攻撃を仕掛けようとしたヘルダストだが・・・
可愛い♪
ヘルガは持っている鎌をかざした。
!!!!!!!!!!!!!!!!!
声にならない叫び声をあげるウエスタ。
ウエスタとずっとともに暮らしていたヘルダストは黒煙を出し、この世から消滅した。
ヘルガが鎌をかざしただけなのに。
とーってもとーっても勿体無いけど、あなたも後を追ってもらうわ~☆
仲良く一緒に。
なんて私は優しいのかしら♪
ウエスタはヘルダストが黒煙を出して消えるのを見て、ようやく何かを思い出した。
ヘルダスト・・・俺にはお前がいたんだったなあ・・・・・・。
気がつかなくて、ごめんな・・・。
その言葉を最後に、ウエスタは闇に包まれた。
続く