地下都市編(20)

ガラドゥは静かにベルデアに問いかけた。

 

 


さっきの声の男が・・・か?

 

 

ベルデアはヘルガの映っていた場所を睨みつけたまま、小さく頷く。
あの声はベルデアの恋人のものだったのだ。

 

 


ランヴィ・・・・。

 


ヘルガの言いなりのまま進むのは不安だが・・他に道が無い・・・。

 

 

しばらくガラドゥがそのまま進んで行くと、わざとらしい開けた場所があった。
ここに来るまでさっきまでのような敵の妨害もなくなっていた。
すんなりとこの場所に来れた事をガラドゥはより気持ち悪く思っていた。

 

 


ランヴィ!!
ここに居るなら返事をしてランヴィ!

 

 

周囲をキョロキョロしながらベルデアはしきりに呼び続ける。
すると奥から人影が見えてきた。

 

 


はぁ~い、よくここまでたどり着きました~☆

 


また幻影か。
こそこそせずに出てきたらどうだ?

 


そう慌てないでワンちゃん。
アナタの相手は私じゃなくてもちゃ~んと、勤まるのよ♪

 


!!

 

 

ガラドゥの脳裏をスニークの顔が過ぎり、身構える

 

 


ベルデア、そなたは物陰に隠れていろ!

 


・・・。

 


大丈夫よ、私は義理堅いの。
そこのワンちゃんが倒れるまで誰にも、その女の子に手出しはさせないわ。
感動の再開もちゃ~んとさせてあげる。
ワンちゃんが倒れなかったら、ね♪

 

 

周囲にいっせいにヘルダストたちが襲い掛かり・・・それをガラドゥは手に持った斧で一掃し・・・。
再びヘルダストたちが現れ襲い掛かり・・・それをガラドゥは手に持った斧で一掃し・・・それの繰り返しが起きた。
それを繰り返し、繰り返し・・・
そして、ガラドゥの体力が切れ掛かったときに、それは収まった。

 

 


さぁ約束だ。
ベルデアの恋人を返してもらおうか。

 

 

ガラドゥの問いかけに指を顎にあてて困ったような顔を見せるヘルガ。

 

 


ん~、彼とは魔法を使って楽しんだ仲だから別れるのは辛いけど・・約束したんだから仕方がないわよねぇ。
解ったわ、ここまで来たんだし、返してあげるわ。

 

 

そう言って、ヘルガが呪文を唱えると黒い渦から影が出てきた。

 

 


はい、彼はもうアナタのも・の・よ♪

 


!!!!!!

 


なぜだ・・どうして来たんだ・・・

 


こ・・・この姿は・・・・・・!

 


ふふ、改めて紹介するわ。
彼の名は“BNK3R”。
この地下都市の技術で作り上げた改造人間。
とぉ~っても、強いのよ~♪
さぁ、その野良犬を始末しちゃいなさい☆

 


ううう・・・
ヴァーーー!!


ぐっ!

 

 

今の彼の変わり果てた姿に驚いたのは言うまでもなくベルデアだった。
いや、驚きという言葉では表せないほどに哀しく、ヘルガを憎んだ。
どうしてこうなったのだろうか。
死んだ彼と会うのは辛いだろう、どんな形でも生きていて欲しかった。
そう願っていた・・・。
だが、こんな形とは想像もしてなかった・・・。

 

そういったベルデアの思いをよそにBNK3Rはガラドゥに襲い掛かった。

 

 


つ、強い!!

 


ムダよ~、ムダムダ♪
今や彼は人間を超える存在となってるもの。
あらゆる属性の魔法を使い、あらゆる能力を引き出せるのよ。
水の力に花の力、それに当然闇に・・・あら、あと1つは何だったかしら?

 


うう・・た・・頼む、獣人、僕を・・・殺してくれ・・・

 


!!!
やめてランヴィ!
そんな事言わないで!

 


く・・くそ・・・!

 

 

ガラドゥの手には明らかな迷いが生じていた。
ヘルガがわざとランヴィとしての意志を残しておいたのは、改造された人間の精神がどうなっていくか面白そうだからという理由だけだった。
しかし、その為にガラドゥがランヴィ・・・BNK3R攻撃しにくくなると分かると楽しくて楽しくてしょうがなかった。
BNK3Rの攻撃はヘルガの命令に背くように時々大きなスキを見せる。
だが、ガラドゥは迷いで攻撃が出来なかった。

 

 


さぁ、パワープラントスラッシュよ♪

 


ガアァァァ!!!

 

 

攻撃の瞬間、BNK3Rの目が手よりも先にガラドゥを見た。
その意味をガラドゥは汲み取った。

 

 


・・・許せ、ランヴィ!

 

 

ガラドゥは懇親の力でナックルを振り、BNK3Rを吹き飛ばす

 

 


グアァァァァ!!

 


ランヴィ!!
ガラドゥ、彼にはまだ意識があるの!攻撃しないで!!
彼を殺さないで!

 


ベルデア、もうあの者の事は諦めろ!!

 


 

 

ガラドゥの一喝にベルデアはびくっとする

 

 


確かにおぬしの恋人かも知れない。
だが、あの姿を見れば解るだろう。
ヘルガの手によって改造され・・・あの者はもう人間ではない!

 


違うわ!
どんな姿になっても彼は彼よ!!

 


あらら、仲間割れ?
吠えるワンちゃんを躾けるのは大変だものねぇ。
BNK3R、パワーウォーターマジック♪

 


ウウウ・・・!!!

 

 

BNK3Rは立ち上がり魔法をガラドゥに浴びせる。
ベルデアに気をとられてしまって大きな隙ができていたので、直撃を受けてしまった。

 

 


ぐ・・・!

 


ワンちゃんは水の魔法が苦手なのよねぇ。
あと・・どんな魔法があったかしら。
あ、思い出したわ♪
“ディフューズアタック”。

 


何!!!!!

 

 

ガラドゥは急いでベルデアの元へ走った。
なぜならその魔法は「全体魔法」だったからだ。

 

 


ウガアアァァァ!!!

 


!!!

 

 

そして、魔法がベルデアにも飛んでいった。

 

 

続く

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