地下都市編(完)

ようやく、地上にまで登れたマリコ達。

 

 


へ~、これが外ってやつなんだ。
殺風景だね~。

 

 

砂漠のど真ん中である、そう思うのも無理ないが、カイは好奇心で周りをきょろきょろするという事をしない。
さすがに感慨深げではあるが。

 

 


ここは砂漠のど真ん中だもの、殺風景よ。
普通の町に行けばもっと良い風景が見れるわよ。

 


カイ・・・お前もっと感動したらどうだ?
初めてなんだろ?

 

 

カイの事はマリコから登りながら聞いていた。
マリコは言った、自分を奮い立たせてくれた子だ、と。
カイは、もちろん、バカバカしいという風な態度だった。

 

 


んなこと言われたって、知るかよ。
感動できねーよ、これじゃあ。

 


なら、感動できる場所に行けば良い。

 


どこも一緒じゃね。
風景が違うだけで。

 


そんなの、行って見ないと分からないじゃない。
相変わらずね、あんたは。

 


まあ、雑談はそれまでだ。
登ってきたときに俺達が話したこと、今度がお前は喋る番だ。
座っていれば、そこそこ喋れるだろ?

 

 

怪我で座っている状態のリスキンにシルビは冷たく言い放った。

 

 


・・・呪文だよ。
単純だろ?
それなりの魔力は必要だがな。
”入り口”から入るときと出るときの呪文が違う。
それだけ。
でも、それを知っているのはヘルガと俺だけだった。
メイラガ支配していたときも、それ位レベルの秘密事項だったようだがな。

 


じゃあ、それをしてもらう。

 


・・・。
今の俺じゃあ、無理だ。

 


え?

 


ヘルガからの魔力提供がなくなった。
今の俺の魔力はお前らとそう変わらない。

 


じゃあ、どうすればいいの・・・。

 


問題ない。

 


何が問題ないだ、てめえ、殴られてえか・・・?

 


落ち着かれよ、シルビ殿。
リスキン殿、何故問題ないのだ。

 


そこの子供、潜在的な魔力が強い。
詠唱の仕方を教えればいいだけだ。

 


!!??

 


俺のこと?

 


そうだ。

 


まあ、別にいいけど。
でも、混乱しちゃうんじゃね?
あいつらみたいに。

 

 

指差した先にはぞろぞろと出口を這い上がってくる、マリコ達を襲ってきた奴隷達がいた。
奴隷達はマリコ達を見つけ、動転した。
ある者は砂漠のど真ん中だというのに脱兎の如く走り去り、ある者は下に逃げ帰り・・・。

 

 


ちょっとちょっと、私たち、気にしてないわよ!!

 

 

そんなマリコの言葉は、奴隷達には耳に入っておらず、全員がその場から消えた。

 

 


あーあ、行っちゃった。

 


行っちゃったじゃないわよ!
どうしよう・・・。
ここ砂漠のど真ん中だし・・・。
下も迷宮だし・・・。

 


もう行ってしまったのだ。
我達は出来る限りのことをした。
後はあの者立ち次第だ。

 


さんせーい。

 


同じく。

 


・・・。

 


すまない・・・。

 


お前がどうこうじゃないだろ、アレは。
現実、このカイは動かなかった。

 


面倒だったしなー。

 


・・・。
とにかく、ここを開放しましょう・・・。
カイ、お願い・・・。

 


まあ、いいけどね。
俺、この後のこと、しらねえぜ?

 


・・・。
分かってる。

 


お前、どうにかしようとか考えるなよ?

 


私の出来ることなんか、ないわ。
・・・辛いけど、仕方がないことなのよね。
出入り口が開放されたことと、ヘルガを倒したことを伝える、私達に出来ることはそれだけ・・・。

 


・・・お前。

 

 

成長したと思ったが、ここまでとは思っていなかった。
何でもかんでも助ければいいと思っていたマリコが、自分が出来る範囲のことを、と言ったのだ。

 

 


それに元凶を片付けなきゃ意味ないわ。
魔王を倒す。
私達の目的は、それですもの。

 

 

続く

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