地下都市編(18)

そうやって、マリコが悩んでいるとき、シルビもまた悩んでいた。

 

 


マリコ・・・ガラドゥ・・・・・・

 

 

マリコとガラドゥを助ける、そして、ヘルガも放置してはならない。
だが、どうすればいいのか。
ここから出るのはどうしたらいのか。
そもそも、この場所がどのあたりでガラドゥとマリコはどこの施設にいるのかさえ分からない。

 

そんな時、ウエスタが再び訪ねてきた。
その表情にはなんだかの決意が読み取れた。

 

 


俺さあ、散々考えたんだけどさあ・・・。
やっぱ、お前が羨ましい。

 


・・・?

 


こんな場所に捕まえられて、しかも、あんな酷い目にあった妹さんがいても、それでも・・・。

 


どうしたんだ、お前。

 


だってそうだろ?
俺は一緒にいた奴はどうでもよかった、自分のことだけだった。
他に捕まっている奴のことも、周りであっちの世界に行ったやつのことを気にかけることもなかった。
なるようになるかあ、程度で。
でも、お前やお前の妹さんは違った。
それが、羨ましいんだ。

 


ウエスタ?

 


何をどうしろなんて言わない。
決めるのはお前だ。
でも、すぐに決めて・・・決めた後はすぐに行動してくれ・・・。

 


 


銃、取り上げられてないんだろ。

 


そういえば、不思議だったんだ・・・。
何で・・・。

 


ヘルガの趣味。
謀反起こしたら起こしたで楽しめるからだよ。
だから、武器は取り上げない。

 


・・・なるほどな。

 


俺はヘルガにもその直属の奴隷にも信頼が厚い。
ここのことは知ろうと思えば、すぐに全部分かる。

 


お前、何考えてる・・・?

 


これ、地図書いた。
お前に渡す。
ここは無駄に広いけど、お前ならすぐ暗記できる。
俺達がいるのは、ここ地下5階A1実験室。
他に繋がる道はここ。
獣人の仲間は地下7階の実験体用のB3地下牢。
妹さんは地下10階のK5作業場。

 


お前、そんなこと話して!!

 


あと、これ渡す。

 

 

ちらほら変色した銃弾を一つ、シルビに渡しウエスタ。

 

 


なんだ、これ?

 


魔族の魔法を封じ込めることの出来る薬入れた。
面白がって作った薬品の一つ。
試したことないからどこまで効果があるか分からないけど。
あまり作ってないから、一つだけでごめんな。

 


・・・。

 


・・・決めろ、シルビ。

 


!!!

 


お前の監視役からヘルガにこの事が伝わる。
あいつら頭悪いからすぐには状況が読めない、すぐにはばれないけど時間の問題だ。

 


でも、お前は!

 


一緒に来いなんて言うなよ。
無意味だ。
俺は、行かない。
動かない。

 


なんで!!


決めたなら妹さん達の所へ行け。
とっとと行かないと俺がしたこと全てパーだ。

 


・・・ありがとう、ウエスタ。

 

 

シルビは銃とウエスタが作った銃弾を手に持ち、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ごめんな、シルビ。
苦しめるよな、きっと。
お前、いい奴だから。
・・・でも、足手まといなんてごめんだ。
それに、俺には俺を心配する奴も心配する相手もいない。
だから、別にいいんだ。

 

 

続く

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