地下都市編(15)

ガラドゥは牢屋の格子をとんとんっと叩いてみる。

 

 


・・・やはりわからぬ。

 

 

ガラドゥがいた岩山ではさまざまな鉱石が採れる。
その中でも珍しい鉱石は沢山あったし、その岩山でしか採れないものもあった。
しかし、ここの牢屋の格子はそれのどれでもなかった。
他の大陸から採れる鉱石とも取引していたし、鉱石に関してはガラドゥはかなりの知識がある。
だが、分からない。

 

ガラドゥは獣人だ。
そこらへんの牢獄なら鉄格子だろうがなんだろうがこじ開ける事が出来る。
もしかしたら、この材質がわからない扉でも出来るかもしれないが何も考えないでそれを実行することは迂闊だと思って今後のことを思案していた。
そこへ、マリコの一件だ。

 

マリコは強い。
小さな少女とは思えないほどの飛びぬけた能力を持っている。
どんな強力な魔物が怒涛の如く襲って来ても一瞬にして蹴散らしてしまう。
光の勇者と呼ばれてもおかしくはない。

 

だが、心は別だ。

 

マリコはまだ幼い。
崇められることの重圧はいかほどか。
そして、崇められ、その末路への重圧は想像を絶するものだろう。
しかも、今はシルビがそばにいない。

 

 


マリコ殿・・・。

 

 

ガラドゥは自らの行動を恥じた。
明らかに怪しくともついていったのは、無論スニークと眷属との繋がりをすぐに察知したためである。
しかし、それはあまりにも軽率だった。
軽率だったが・・・他に方法はと聞かれれば何も思いつかない。

 

悩んでいるとベルデアが話しかけてきた。

 

 


心配なのね、光の勇者様って子が。

 


マリコ殿だ・・・。
強い光属性を持ってはいるが、ただの娘御だ。

 


・・・そう。
可愛そうね。
その子には、もう、未来がない・・・。

 


そうと決まったわけではない。

 


あなたの言葉は、いつも力強さで満ち溢れている。
そうはならない、そう聞くたびに錯覚しそうになるほど。
でも・・・未来はない・・・それは覆らないの・・・・・・。

 


何故そう思う。

 


言ったでしょ?
あの人も連れて行かれた。
力強くて人に勇気を与える人だったけど・・・。

 


マリコ殿は生きている。
諦めるのは早い。

 


そう・・・。

 

 

ベルデアはそれっきり黙った。
もはや帰らぬ恋人。
3年間、牢獄に入れられたままの生活。
様々な人々が実験体として連れていかれるのを見続けた。
諦めだけがベルデアの心を支配していた。

 

 

続く

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