地下都市編(7)

シルビに用意された部屋は個室で無駄に豪華だった。
そして、此方を伺うようなヘルダストが一匹、立っていた。

 

 


・・・。
色々な意味で落ちつかねえ部屋だな・・・。

 

 

そして翌日、シルビはウエスタと組むよう命じられた。
そういったことを命じるのは、ヘルガ直属の奴隷らしい。
だが、同じ奴隷であるはずの彼、彼女らはヘルガの直属であるからか、尊大だった。

 

 


やったー!
俺、おまえの教育係になれたぜ~♪
要望書出して正解だったな。

 


要望書って何だ・・・?

 

 

無駄に着飾ったシルビがウエスタに聞いた。
別にシルビがそうしたかったわけじゃないが、そういう服しかここには揃ってなかった。

 

 


ん?
そのまんまだけど。
あの実験道具が欲しいとか、待遇改善しろとか、こんな服欲しいとか。
あ、一番要望が多いのは薬品だな。
こういう薬品を用意してくれないと実験すすまねー、っていうの。

 


待遇改善って何だよ・・・。
奴隷だろ・・・。

 


言ったじゃん、ここが一番重要なんだって。

 


・・・何の実験してるんだ?

 


男性魔族用の美用品の研究。

 


はあ???

 


ヘルガ曰く「魔王様のお肌に何かあってはいけないから最高級のものを作るの♪」、だってさ。
サプリメントとかローションとか保湿剤などなど。
あ、UVケアってのも重要。

 


・・・。

 


面白いだろ?

 


面白くねえよ。
男の肌気にしてどうすんだよ。

 


さあ?
ヘルガは魔王様命だからなー。
お肌も一流になって欲しいんじゃね?
まあ、「そのままでも素敵」とは思ってるだろうけど。

 


変な女だな。

 


女心を変とか言うなよ。
一途なんだぜ、ヘルガ。

 


おまえ、まさかヘルガのこと気に入ってるのか?

 


まさか~。
奴隷にされたんだぜ?
ただ、少しは楽しまなきゃ損だと思ってるだけ。

 


・・・俺にはおまえのほうがあっちの世界の住民に思えてきた。

 


そうか?
元々俺はこういう性格だぞ。
人生どう転ぼうとも少しでも楽しもう!、がモットー。

 


あ、そう・・・。

 


だいたい、研究所辞めてまで地下都市探しに旅にでたのだって半ば無理やり連れてこられたんだ。
おまえ頭いいから便利だ、って遊び仲間がさ。
まあ、でも探しているうちに興味持つようになったけどな。
それに、色々な本が読めて楽しかったし。

 


お前、何の研究してたんだ。

 


美用品。

 


・・・なるほど。

 


なあなあ、シルビはどういう研究してんだ?
ここにいる連中、元々、どっかの化学研究員だった奴だけだし。

 


俺?
軍人だよ。
魔族専門のな。

 


へ???

 


悪いか。

 


悪くないけど、何で軍人が???
あ!
化学班だったとか!!

 


俺は戦うの専門。
・・・まあ、化学班にも関わってはいたがな。
非常勤でな。

 

 

それはマリコは知らないことだった。
シルビは元々その頭脳を買われて化学班になるよう勧められていた。
だが、戦闘能力も飛びぬけて高いため通常の部隊も欲しがって揉めていた。
シルビはマリコを助けたかったこともあって戦闘部隊に入ることを決めていたが、揉め事を嫌ったため非常勤として化学班にも顔を出していた。
マリコは潔癖症のため化学班なるものを嫌っていた。
「薬品なんて使って、人にまで影響が合ったらどうするのよ!」と。
なので、シルビはそのことは黙っていたし、絶対隠すのを条件として化学班の非常勤になっていた。

 

 


やっぱりなー。
非常勤とはいえ、軍隊の化学班!
しかも魔族専門の!!
そりゃ、ここに落とされるわな。

 


そんなこと、分かるもんなのか。
探している奴の素性を前もって調べておいたとか?

 


さあ?
でも、何かしられでわかるんじゃね?
特殊だもんな、ここ。

 


・・・。
一ついいか?

 


なんだ?

 


地下都市が不吉なんて誰も言ってなかった。
これだけの人間が捕まっているのに。
地下都市探している奴がどんどん減ったら、おかしな噂があるもんだろう。

 


ああ、そのことね。
俺も疑問なんだけどな、まあ、ヘルガの力でなんかしてるんだろ。
ヘルガ、なんでもありっぽいしなー
あ、ちなみに、地下都市に落とされた奴は4割地下都市探検隊、6割ここの砂漠のど真ん中通ってた奴ね。

 


へ?
ここの砂漠が不吉だって噂も耳にしてないぜ!

 


ヘルガの仕業だろ。
もみ消してるんだよ、地下都市が不吉なんて噂立ったら面倒なことになりそうじゃん。
たぶん?
あちこちから拉致るのは、さすがにもみ消すの面倒だからやらないみたいだけどね。

 


なるほど・・・。

 


おおっと、ヘルダストがこっち視てる!
さっさと説明始めるぜ!

 


・・・。
じゃあ、質問。

 


お、さっそくか?
なんだなんだ?

 


・・・あそこにいるヘルダストっていうのなんだ?

 


なーんだ、研究に関係ないじゃん。

 


あるだろう。
見られてるんだから。

 


そう?
まあ、これから生活を共にするわけだから知っておかないとな。
いい?

 

 

ウエスタはヘルダストに向かって聞いた。

 

 


・・・、・・・・・・・・・。

 


いいってさ。

 


わかるのか!?
今ので???

 


駄目だったら首振るもん。

 


あ、そう・・・。

 


ヘルダストは、いわばヘルガの使い魔みたいなもん。
ヘルガの使いっ走り。
たくさんいるよー。
今みたいに監視したり、怪我人や病人運んだり、結構忙しくあちこち走り回ってる。
あと、一家に一匹ヘルダストだからさ、仲良くしとくといいいよ。

 


何だそりゃ。

 


基本的に、ここ個室制だけど、ヘルダストはそこにもいるの。
監視役ってやつね。
あ、監視役って言っても何もしないって分かれば仲良くしてくれるぜー。
俺、仲いい。
よく一緒に茶菓子食べるよ。
おいしいと喜ぶぜ。
ベットの上を飛び跳ねる、子供みたいにさ♪
まあ、無口な同室の奴とでも思えばいいんじゃね。

 


・・・。
おまえ、たいした奴だよ・・・。

本当に、ウエストはつかめない。
そう思うシルビだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


それにしたって、マリコ・・・・・・・・

 

 

不安を隠しきれないシルビ。
嫌な予感しかしなかった。

 

 

続く

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