地下都市編(5)

一方、シルビ。

 

 


いってーーーー
・・・。
って、なんだここ。

 

 

周囲を見渡すシルビ。
シルビが落とされた場所は、ちょっと大きめの実験室のような場所だった。

 

 


・・・。
俺、何か実験道具にされちゃうのか?

 


まあ、人によるけどな。

 


うおっ!
いきなり声かけるなよ。
びっくりしたー・・・。

 

 

すぐ後ろにはフラスコを手にした青年がいた。
青年はウエスタと名乗った。

 

 


まあまあ。
声かけてもらえるだけありがたいと思いな。
みんな、もう、あれやこれやで脳みそあっちの世界だし。

 

 

周りの人々の表情を見て納得するシルビ。

 

 


確かにあっちの世界だな。

 


そういうこと。

 


てか、ここどこだ?

 


ここは地下都市の底のそのまた底の実験室だよ。
で、実験を行ってるのはみんな奴隷達。
あんた、ここへ落とされたって事は実験係だな。
よかったなー。

 


おい、何がよかっただ。

 


さっき自分で実験道具がどうとか言ってたじゃんか。
そうされる奴が一番多いんだ。

 


!!!

 


わかったろ。
不幸中の幸いってやつ。
ホルマリン漬けとか、嫌じゃん。

 


・・・。
そりゃそうだけど、何か違うぞ、おまえ。

 


そうかもなー。
でも、俺こうだから脳内あっちの世界に行かなくってすんでるんじゃないかな。

 

 

呆れ返るシルビ。
ウエスタは前向きなんだか後ろ向きなのかが妙につかめない。

 

 


それにしても・・・どうやったら出れるんだ。

 


うわー、いいねえ、前向きで。
懐かしいわ、俺。

 


あ、やっぱり出れない仕組みか、ここ?

 


出れた奴はいないって聞いたぜ。

 


そういやあ、あの女。
何百年だかなんだか知らねえが、ずっと地下都市を支配しているのなんのとか威張ってたな。

 


あ、ヘルガのこと?
そうそう、見掛けによらず、年寄りだよなー。
可愛い女の子の見かけに反して。

 


・・・可愛いか?
服だけじゃないのか、可愛いのは。

 


おいおい。
んなこと言って、おまえ、人体実験の材料にされたいのか?

 


そりゃ、困る。
出れないのも困る。
それに一緒に来たツレたちも心配だ。

 


一緒に、か。
そういや、俺達も5人ぐらいできたなー。
みんな落とされたのに、ここには俺一人。
バラバラに落とすのが方針なんじゃなね、たぶん?
面倒なことしでかされるの、やだろうし。
ま、面倒事起こしたってどうにもならないけど。

 


うーん、面倒ごとかあ。
こっそりどうにかしたいんだけどなー。
・・・ガラドゥのおっさんはともかく・・・マリコの奴、面倒起こすぞ絶対。

 


いや、妹。

 

 

妹ではないのだが、妹と思っているので、ついそう口に出たシルビ。
実際、シルビとマリコは兄弟同然に育った。

 

 


なーんだ、つまんねえ。

 


何がつまんねえ、だ。

 


色恋沙汰の話でも聞けるかと思ったんだよ、面白そうじゃん?
ここ何年も話し相手いないかったし。
ん?話してもつまんねえってのがほんとか?
まあ、でもそういうこと。

 


あのなー。

 


それにしてもぼろぼろだな、あんた。
向こうに着替えあるから適当に選んで着替えてこいよ。
あ、シャワーも、あと消毒も忘れずに。

 

 

そういわれ、はっとシルビはある違和感を覚えた。
凄まじく今更、というレベルのことを。

 

 


ちょっと待った!

 


ん?

 


あんた奴隷・・・なんだろ?
一応。

 


そりゃそうだ。

 


実験係だから、消毒と着替えは分かる。
でも、なんで、みんな・・・・・・揃いも揃っておしゃれなんだ???

 


ここの実験は最も重要だからだってさ。
まあ、他のところもいいのを着させてもらえるらしいけど。
でも、ここが一番上等なものが着れる。
あ、ヘルガの身の回りの世話している奴隷は別格だから数に入れないけどね。

 


へ???

 


ヘルガの趣味。
曰く、奴隷といえども私の下僕だから綺麗にしときなさい、ってさ。
あ、人体実験にされる奴らもそうだぜ。
死ぬ死なないに関わらずな。
実験体だからこそ、だってさ。

 


なんだそりゃ。

 


うおっと、ヘルダストが来た!
実験再開っと!

 

 

そう言って、ウエスタはそそくさと実験を再会し始めた。
そこには此方を伺うようなヘルダストが一匹・・・。
何か嫌な予感がするシルビであった。

 

 

続く

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