■魔族■

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■獣人族■

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■デルタ村■

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マリコの火傷の傷は見る見る回復して行った。
獣人族秘伝の薬と一日一回の強い治癒魔法のおかげだった。
マリコの自己治癒能力の強さもあって、通常の人間ならリハビリも含めて3ヶ月以上はかかる所を一ヶ月少したったころには全快してしまった。

 

 

獣人の医師
もう大丈夫だよ。
完治、完治、凄いねー。
動きまくっても問題なし!
いくら薬と治癒魔法が効いてたっていっても凄い回復力だよ、マリコ君は。
びっくり。

 

マリコ
ありがとうございます、先生、隊員さん。
ご迷惑をおかけしました。

 

獣人の医師
いやいや、仕事だからねー。
気にしない気にしない。

 

警備隊員
そ、そんな。
光栄です~~~~~~~。
(大仰に頭を下げる隊員)

 

獣人の医師
前から思ってたけど、君、面白いよね。
(隊員をのほんと見ながら言う医師)

 

シルビ
ホント、世話になりました先生。
おい、そこの隊員。
光栄です~、じゃねえよ。
感謝するのはこっちなんだ、少しは背筋伸ばしたらどうだ?
だから名前呼びたくねえんだよ。

 

警備隊員
ははあぁぁぁぁぁ~~~~~

 

 

さらに大仰に頭を下げる隊員を見てシルビはあきれ返ってしまった。
ここへ着てからも、この態度はずっと変わらず、また、獣人達に対しても常におびえていた。
サリムによれば、この隊員は以前からこうで何故警備隊員になったか謎の存在だったらしい。

 

 

シルビ
・・・連れてきたいぐらいの治癒能力持ってるのに、これじゃあ駄目だな。

 

 

*************************************

 

 

数日後、荷物をまとめて地下都市へと出発しようとするマリコとシルビ。
マリコは一旦デルタ村に挨拶しに行くといったが、それをシルビが適当に”これから村は忙しくなる、邪魔するな。”、などなど色々と適当に大嘘をついてりして無理矢理いくのを諦めさせた。

 

 

シルビ
じゃあ、行くぜ。
世話になったな。

 

マリコ
ありがとう、皆さん。

 

ガラドゥ
其のことなんだが・・・。
我も一緒にそなたらに付いていくことにした。

 

マリコシルビ
!!??

 

ガラドゥ
これは一族の総意だ。
我がこの一族で一番腕が立つ、其の我が行かずして誰が行く。
我が留守の間は一族の事は我が子ミデドゥと側近のサリムに任せる事になった。

 

ガラドゥの娘
任せて、お父様!

 

ガラドゥの側近
お任せを、族長!!

 

 

口々に、お任せを、ご心配なく、と言う獣人達。

 

 

マリコ
でも、ガラドゥ・・・。

 

 

驚きを隠せないマリコとシルビ。
獣人族は魔王に封じ込められたし、そもそも700年前からの因縁がある。
誰かが声を上げるかもしれないとは思ってはいた。
だが、族長自ら一緒に行くと言い出すのは想像すらしてなかった。

 

 

ガラドゥ

そういうわけだ。
そなたらには恩義がある。
それに我が一族とて魔王とは無関係ではない。
いや、この世界全ての者たちは無関係ではあるまい。
魔王が復活する、それは破滅だ。
見過ごせん。

 

 

ガラドゥの決意をこめた眼や獣人達の姿を見て、マリコとシルビはガラドゥと共に行くことにした。

 

 

シルビ
ガラドゥのおっさん、ありがてぇ・・・。

 

マリコ
ガラドゥ、ありがとう。
お言葉に甘えるわ!!

 

 

そうして、マリコとシルビ、そしてガラドゥは地下都市を目指して砂漠の皇国メイラに行くこととなった。

 

 

続く
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途中にちらほら出てくる魔物を蹴散らせながら岩山を下るシルビとサリム。

 

 

ガラドゥの側近
それにしても、魔物の数が随分と減ったものですね。
力も完全に弱まっている。
雑魚だらけですな!
これもそれも、マリコ殿とシルビ殿のおかげ!
これ、感謝極まりない!!

 

シルビ
そりゃ、どーも。

 

ガラドゥの側近
しかし、マリコ殿は気の毒です。
あのような怪我を負って、しかも、村人のどうでもいい約束まで守るとは・・・。
我が集落へ足を運ぶ約束などどうでも良いのではないのですか、あの怪我なのですから。

 

シルビ
そう言って貰えて嬉しいよ。
獣人族は話が分かるから助かる。
マリコの怪我を考えて行動してくれているしな。

 

ガラドゥの側近
それもこれも族長のおかげ!!!
族長の一声で、みなはマリコ殿を思うことが出来たのです!!!

 

シルビ
確かに、ガラドゥは凄いな。
一声で全員黙らせられるし。
・・・でも、それだけじゃないだろ、あんた達は。

 

ガラドゥの側近
何がですか?

 

シルビ
マリコを必要以上に特別視していない。
確かに特別な存在だとは思っているようだけど、なんだかんだできちんとマリコを血を流し苦しむ人間としてみている。

 

ガラドゥの側近
???
光属性の娘御とはいえ、人間。
何を当たり前なことを言っているのですか、シルビ殿は。

 

シルビ
・・・其の当たり前が通じない人間ばかりなんだよ、あっちもこっちも。
光の勇者だかんなんだか知らないが、マリコは戦えば傷つく単なる人間だ。

 

ガラドゥの側近
頭が悪いとはいえあなた方が戦った眷属という奴は相当強かったと聞きますぞ?
魔法も使えたとの事。
前衛であるマリコ殿が無傷という事はありますまい。
さっきから何を言っておるんですか、シルビ殿は。

 

シルビ
ホント、話が分かるな。
頭が下がるぜ。
マリコは無駄に強いから怪我を負う事は少ないし、怪我を負っても其の痛みを表に出すこともない。
だから、周りはマリコが怪我を負ってもあまり気にしない・・・。

 

ガラドゥの側近
そういえば・・・医師の言葉に反してマリコ殿はずいぶんと暴れましたな。
痛みを表に出さない、なるほど。
凄い怪我しているはずなのに、よくあんなにも暴れる力があるものだと感心してしまいました。
無理していたのですな、酷いことを私は考えてしまったようです。
申し訳ない。
(深々と頭を下げるサリム)

 

シルビ
・・・。
そう思うのも無理はない。
あそこまで暴れれば元気だと思っちまうさ。
馬鹿だよ、マリコは。

 

ガラドゥの側近
はあ・・・馬鹿、ですか。
まあ、ある意味あの怪我で馬鹿な行動をしたと言われればそうですな。

 

シルビ
そういうことだ。

 

ガラドゥの側近
あ、そうそう!
わたくしめの強弓と狙撃銃は非常に似てますな!!
扱い方といい、戦い方も!
シルビ殿の腕前を拝見できて嬉しいです!
すばらしい腕前・・・。
正確無比に魔物たちを撃ち抜く・・・。
しかし、この程度の魔物たちでは完全な腕前は見れませぬな。

 

シルビ
そこまで似てるか?

 

ガラドゥの側近
似てますとも!

 

シルビ
・・・。
強弓は完全な後衛。
俺は中衛だ。
少し違う。
まあ、使う奴にもよるかがな。

 

ガラドゥの側近
そんなことはありませぬ!

 

シルビ
・・・そういうことにしておくよ。

 

 

*********************

 

 

村にたどり着くシルビとサムリ
村人達と警備隊員たちがいっせいに押しかける。

 

 

村長
おお!
これはこれは、サムリ殿!
お久しぶりです。
それにシルビ殿もご一緒!
と、いうことは完全に封印が解けたというわけですな!
いやあ、お帰りが少々遅かったゆえ、心配しておりました。
・・・って、勇者様は?

 

シルビ
あんた達の約束を無理して守ったせいで傷が相当悪化した。
今は獣人族の医師に任している。
ここへは来れない。

 

村長
なんということだ・・・!
おいたわしや、勇者様・・・。
そこまでして我々を守ってくださるとはなんという素晴らしいお方だ!
さすが、光の勇者様だ!!

 

 

口々にマリコを称えて騒ぐ村人達と警備隊員達。

 

 

ガラドゥの側近
素晴らしいという状況ではありませぬぞ、マリコ殿の怪我は。
何故そのような約束を押し付けたのですか?
理解に苦しみます。

 

村長
押し付けたわけではないですぞ。
約束とはなんですか?
勇者様は私達の現状を慮って行動をして下さったのです。

 

ガラドゥの側近
慮って、ではありますまい。
止めるべきだったのです。
大怪我を負っていたのですから。

 

村長
しかし、勇者様はお約束してくださった、絶対に我々を守ると。
それに勇者様はただの勇者様ではありませぬ。
光の勇者様です!

 

ガラドゥの側近
???
意味が分からぬ。

 

女医
私もよ。
貴方達、私はマリコさんの怪我がどんなに深刻か言ったはずよ。
マリコさんを止めなかった私に貴方達を責めることは出来ないけれど・・・。

 

シルビ
あ、先生。
マリコは後遺症は残らないようです。
先生の治療と治癒魔法のおかげだそうです。
ありがとうございます先生、それと、そこの隊員も。

 

女医
・・・それは良かったわ。
(胸をなでおろす女医)

 

警備隊員
そ、そんな!!
こ、光栄でございます~~~~~~~~~~~~

 

シルビ
お前には後でついてもらってもらう。
マリコに治癒魔法をまたしてもらいたい。

 

警備隊員
へ?
で、でも魔物が・・・・・・

 

シルビ
へたれこいてるんじゃねえよ、馬鹿隊員が。
これだからありがたみが減るんだ。
これでも、本当はあんたには感謝しきれないほど感謝してるんだ。
あんたの身の安全は保障する。
帰るときも送る。

 

 

鬼のような形相で隊員をにらめつけるシルビ。
其の様子に身震いがした隊員。

 

 

警備隊員
わ、わかりました・・・!
それなら・・・・・・。

 

ガラドゥの側近
それは私が引き受けましょう。
シルビ殿の出る幕ではありますまい。
取引も再開する会議もしたいことですし。

 

シルビ
ありがてえ。
マリコを二度とここへは戻らせたくはないしな。
てか、戻らせねぇ、マリコが何を言おうともだ。
なんせ、こいつら、今度は何をマリコに頼むか分かったもんじゃねえ。

 

村長
な、何を仰いますシルビ殿。

 

シルビ
マリコはあんたらの使い走りじゃねえ。
俺達には別の目的がそもそもあるんだ。

 

ガラドゥの側近
私達獣人族がいるんですぞ、村長殿?
別段マリコ殿に頼ることもありますまい。
以前どおりに、困ったことがあれば我々を頼ってくだされば良いのです。

 

村長
で、ですが。

 

ガラドゥの側近
???

 

シルビ
そんなに光の勇者様を村で独占したいのか。
言ったはずだ。
俺達には他に目的がある、と。

 

 

シルビのあまりの迫力に顔をこわばらせる村長。

 

 

ガラドゥの側近
・・・。
そういうことです。
村長殿も・・・皆様も分かってください。

 

村長
は、はい~~~~~~~

 

ガラドゥの側近
こんなに変な村でしたかな、ここ。

 

 

村人達には聞こえないような小さな声で言うサリム。
何か、シルビが言っていたことが分かり始めたサリムだった。

 

 

続く
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マリコの怪我が順調なので、ガラドゥにマリコを頼むと言って状況を報告にシルビはいったんガラドゥの側近のサリムと共にデルタ村に戻ることになった。
マリコが一緒に戻るときかなかなかったが、ガラドゥがシルビが見えなくなるまで羽交い絞めにして村に戻ることを許さなかった。

 

そして、集落の出入り口には腕の確かな者たちをそれぞれを立たせてマリコを絶対に外に出さないよう命じた。
怪我を負ってるため無理やり獣人達の猛者たちを相手に出来るはずのないマリコは村に戻ることを諦めざるを得なかった。

 

 

マリコ
私は、もう、動けるのに。

 

 

不満をかくしきれないマリコ。

 

 

ガラドゥ
マリコ殿・・・そなた、シルビ殿のことを考えたことはあるのか?
シルビ殿が、どれほどマリコ殿を心配しているのかを。

 

マリコ
・・・。
私はシルビに何かを押し付けたりはしてないわ。
心配をかけるような真似もしてない。

 

ガラドゥ
それはそなたが勝手にそう思っているだけだ。
マリコ殿は・・・シルビ殿に甘えすぎではないか?
シルビ殿が自分の全てを許してくれる、と。
でも、そなたの行動全てを許しているわけではない。

 

マリコ
どういう意味かしら。

 

ガラドゥ
・・・。
そなたの行動は、異常だ。
異常なほど勇者である己の立場に拘っている。

 

マリコ
異常とは聞き捨てならないわ。
勇者と呼ばれる、それは私の誇り。

 

ガラドゥ
其の誇りが、度を過ぎているというのだ。

 

マリコ
そんなことありえないわ。

 

ガラドゥ
我はそなたが勇者であることを認めるわけにはいかない。
そなたが勇者なのは戦においてだけだ。

 

マリコ
なにそれ。
意味が分からないわ。

 

ガラドゥ
シルビ殿の心配は、そこだ・・・。

 

 

そのまま、ガラドゥは押し黙った。

 

 

**************************

 

 

ガラドゥの娘
マリコ、あなた変な子よね。

 

 

出会いがしら、荷物を抱えながらミデドゥはマリコにそう言った。
マリコは、少しなら、という約束で外を出歩くことを許されるようになっていた。

 

 

マリコ
何故かしら。

 

ガラドゥの娘
だって、ここまで来る必要なかったんじゃないの?
シルビだけで十分だったはずよ。
だって、状況を伝えに来るだけだったんだから。

 

マリコ
私が行く、そう村の人たちに約束したの。
だから来た、それだけよ。

 

ガラドゥの娘
それが変だって言っているのよ。
あなたも・・・村の人たちもね。
勇者だかなんだか知らないけど、おとなしく村で療養していればよかったのよ。
腕のいい医者もいるし治癒魔法を使える警備隊員もいるって聞いたわ。
なのに、来た。
意味わかんない。

 

マリコ
私は私自身の決めたことをしただけ。
村の人たちを助けると約束した、何があっても。

 

ガラドゥの娘
・・・。
村の人達が何であなたに頼りきりになっちゃったか、何か分かっちゃった。

 

マリコ
頼るのは当然よ、戦い方を知らない人達なのだから。
戦える人間が動く、当然だわ。

 

ガラドゥの娘
あなたは戦うしか脳がないの?
頼られたら全て引き受けるのが良いことだと思ってるの?

 

マリコ
当然だわ。

 

ガラドゥの娘
異常よ、あなた。

 

マリコ
さすがガラドゥの娘ね。
同じことを言う。

 

ガラドゥの娘
だって、異常だもの。
私もちらって、お父様から聞いたわ。
あなたの病状だけだけどね。
・・・。
もう一度言うわ。
あなたがそこまでする意味は、なかった。

 

マリコ
意味ならある。
私は私の誇りをかけて自らの行動を決めた。
決めたことは覆さない、それは私にとっての絶対・・・誇りだわ。

 

 

マリコは絶対の決意を持って立っている。
其の様子にミデドゥはため息を吐いた。

 

 

ガラドゥの娘
絶対って、何?
誇りって、何?
いいじゃない、大怪我したんだし。
命がけで村人を守ったんだもの、少しぐらい覆ったって問題ないわ。
誰もあなたを責めないんじゃないの?
ヘッポコ村人達だってね。
大体、その程度のことであなたの誇りが傷つくなんて変な話よ。
守るって決めたって言うけど、ここには戦いに来るわけじゃなかったんでしょ。

 

マリコ
魔物が全ていなくなったわけじゃないわ。

 

ガラドゥの娘
・・・。
これじゃあ、シルビも大変ね。
同情しちゃう。

 

 

そういい捨てて、ミデドゥはすたすたと荷物を抱えて去っていった。

 

 

続く
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ガラドゥは外に出る間際、シルビに声をかけた。

 

 

ガラドゥ
シルビ殿、少し話を良いか?
マリコ殿、しばらくシルビ殿を借りる。

 

 

一緒に診療室の外に出るガラドゥとシルビ。

 

 

シルビ
何だ、ガラドゥ。

 

ガラドゥ
マリコ殿が、あそこまでの怪我を負ってまでここまで来た原因・・・。
それは、マリコ殿自身にあると思ってな。

 

シルビ
・・・何でそう思う?

 

ガラドゥ
マリコ殿はどこか異常な気がする。
医師殿の話を聞くと、ここにくること自体が出来ないはずだと。
治癒魔法を前もってかけられたとしても、そもそも来る前から動けなかったはずだと。
なのに、なぜかここまで来た。

 

シルビ
・・・すまねぇ。

 

ガラドゥ
何故おぬしが謝る?
誰にも何も出来ない何かがマリコ殿にはある。
まるで・・・何かにとり憑かれるているようにすら感じる。

 

シルビ
・・・。
俺達は元々、魔族討伐部隊にいた・・・。

 

ガラドゥ
それは噂に聞いておったが・・・本当だったのだな。

 

シルビ
あいつは、部隊に入ってすぐに其の戦闘能力を発揮してあっという間に副部隊長に抜擢された。
次は部隊長は確定、時期将軍にとまで言われていたよ・・・。
まだ15なのに。

 

ガラドゥ
・・・。

 

シルビ
颯爽と何をも恐れず勇敢に戦場を駆ける姿に皆は圧倒され、魅了された。
勇者が誕生した・・・誰も彼もがそう思うようになった・・・。
あいつは光を持って生まれた光属性だ・・・しかも、とりわけ強い光属性・・・。
だから皆はマリコを光の勇者と呼んだ。
特別な光を持って生まれた、特別な存在・・・そう誰も彼もがマリコを崇めた。
マリコも、それに応えるかのように、さらに戦場を駆け回っていたよ・・・。

 

ガラドゥ
なるほど・・・。
確かに誇り高い娘御だ、マリコ殿は。
異常すぎるほどに・・・な。

 

シルビ
確かに異常だよ、マリコは。

 

ガラドゥ
・・・。

 

 

シルビはどこか遠くを見るかのように淡々とマリコのことを喋る。

 

 

シルビ
マリコは誰にも痛いとか苦しいとか言わねえ。
どんなことがあろうとだ。

 

ガラドゥ
そうか・・・。

 

シルビ
そう育てられたしな、師匠・・・あいつの父親に。

 

ガラドゥ
そうなのか・・・。

 

シルビ
師匠は上に立つ者としてマリコを育てた。
なんせ強い光属性を持って生まれた。
どっちにしろ周囲からは特別視される。
それもあったんだろうな、厳しく育てたのは。

 

ガラドゥ
・・・。

 

シルビ
泣き言も痛みをあらわにする事も許さなかった。
上に立つ者にそれは許されない、と。
マリコ自身もそう思ってる。
自身の弱さは決して周りには知られてはならないと心に決めている。
崇められれば崇められるほど、それは強くなっていった・・・。

 

ガラドゥ
しかし、おぬしの前では弱さを伝えられる、痛いといえる・・・というわけか。

 

シルビ
まさか。

 

ガラドゥ
マリコ殿を見る限り、そう思えるが・・・。
シルビ殿と我々との態度には明らかな差がある。

 

シルビ
俺が勝手に分かっちまうだけだ。
なんせ、あいつとは赤ん坊の頃からの付き合いだからな。
実際、痛いだろ、と言っても黙るだけだ。
黙るだけで、結局痛いとも辛いとも言わない。
あいつが物心つく前からだ。
強情だよ、まったく。

 

 

悔しそうにこぶしを強く握りしめるシルビ。

 

 

ガラドゥ
痛いだろうと聞くと、黙る・・・。
・・・。
シルビ殿・・・。
それは、そうだと言っている様なものだ、違うか?
理解してくれている者がいる、口には出せなくとも、分かってくれる者がいる・・・。
それはマリコ殿にとってどんなに救いか・・・。
言えないのは単なる癖なのだ、マリコ殿の。
どんなことがあってもマリコ殿より先に死んではならぬぞ、シルビ殿。
そうでなければ・・・マリコ殿はいずれは壊れるだろう。
マリコ殿はまだ幼い。
勇者と崇められるには、あまりにも重たすぎるのだ。

 

シルビ
・・・。
 

 

 

 

 

 

 

続く
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