岩山編(10)

二日後、ほとんどよくなったからと岩山に行くときかないマリコ。

 

 

女医
いくらあの隊員さんの治癒魔法や私の治療があったからといっても完治してないし、まだ横になっていなきゃいけない状態なのよ、マリコさん。
そもそも、動いちゃいけないわ。

 

シルビ
先生の言うとおりだ。
魔物は今ではここのへっぽこ警備隊でも十分どうにかなっている状態だ。
岩山は、あの警備隊でも見にける。
どうしても行きたがらない場合は・・・。
俺が一人で行ってくる。

 

マリコ
駄目よ。
私は行くと決めたし、そう約束したの。

 

シルビ
マリコ!

 

女医
・・・。
わかったわ。

 

シルビ
先生!

 

女医
シルビさん、マリコさんの目を見なさい。
あれじゃあ、とめても無駄よ。

 

シルビ
それは分かってますが・・・。

 

女医
マリコさん・・・あなたは助けたいだけなのかもしれない・・・。
でも、それはいずれあなたに大きな災厄を招くわ。
それはきちんと胸に刻んで欲しいの。
善意で人は救えない。
命は救えても、その心までは救えない事だらけなの。

 

マリコ
何が言いたいのですか???

 

女医
あなたは、幼い。
まだ分からないかもしれないけど、そういうものなの。

 

シルビ
・・・。

 

女医

ねえ、あなたは大切なのね、愛しているのね、この世界を。
守りたいのね、多くを。
そのために自ら傷ついても戦い続けている。
それは立派よ、誇っていいことだわ。
でも、それだけじゃ、駄目なの。

 

マリコ

何故ですか?

 

女医
裏切られたことはあるでしょ?
人の醜さを何度も見てきたでしょ?
あなたは何度も戦っているものね、あちらでもこちらでも。

 

マリコ
それとこれとでは、話が別だわ。
裏切るほうが恥をかくだけ。
醜さは私のものではない。
私はそんなことには負けない。

 

女医
そう・・・。
あなたは、いい子ね。
(かなしそうにマリコを見る女医。
しかし、それ以上は何も言わなかった。)

 

マリコ
お世話になりました、先生。
私、行って来ます。
じゃあ、シルビ、行くわよ!

 

シルビ
はいはい・・・。

 

 

**********************

 

 

そんなこんなで岩山までたどり着いたマリコとシルビ。

 

 

マリコ
想像以上に魔物の力は弱まったし数も減ったわね。

 

シルビ
そうだな。
ちょい、びっくり。
あいつの影響、凄かったんだなー。
・・・頭悪いやつだったけど。

 

マリコ
起動減の扉もなくなったわね
これなら入れそう・・・って、アレ?

 

シルビ
どうした?

 

マリコ
錠前が落ちてる・・・
これ、あの扉についていたものだわ!

 

 

じっくり錠前を眺めるマリコとシルビ。

 

 

シルビ
確かにこれだ。
色も形もあの悪趣味な扉と違って普通だったから覚えてる。

 

マリコ
シルビ。
また岩山に銃撃ち込んでくれない?

 

シルビ
ほいよっとな。

 

 

銃を岩山に撃つシルビ。
今度は跳ね返らず岩山に食い込んだ。

 

 

マリコ
変ね?
結界は消えたのに、錠前だけは残っている・・・。

 

シルビ
この錠前、あやしすぎるぜ。
なんせ普通すぎる。

 

マリコ
もって行きましょ。

 

シルビ
!?
何言ってるんだよお前!
もっと考えろよ!
即決過ぎるだろ!!

 

マリコ
あやしい、って行ったのはシルビよ。
ここに放っておいたら、何があるかわからない。

 

シルビ
だからって、お前なあ・・・。

 

マリコ
もって行くわ。
そして岩山を登りましょう。
獣人たちに会いに行くわ。

 

シルビ
自分に何かあってもいいのかよ・・・。

 

 

こちらに来てから、マリコは元々の性格が顕著に出ている。
シルビはマリコの力になると決めた。
マリコの背中は必ず守ると。
そして、魔王を一緒に倒す。
・・・その誓いは変わらない。
しかし、マリコが暴走し始めていることに頭を抱えはじめている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルビ
どうしたもんかな・・・師匠・・・。

 

 

 

続く
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