岩山編(9)

リルが連れてきたのは、若い女医だった。
その女医にマリコの怪我を見てもらった。

 

 

シルビ
先生!
マリコの怪我の具合はどうですか!?

 

女医
心配しないで。
最初、どういう状態だったか聞いたときはどうなることかと思ったけど・・・。
治癒魔法、よく効いていていたわ。

 

シルビ
治癒魔法がよくきいていた・・・そうなんですか!?
てっきり少ししか効いてなかったのかと・・・。

 

女医
なんだかんだでいい腕なのよ、あの人。
実は怪我人をよく魔法を使ってもらって治療の手助けをしてもらっているの。
まあ、あの人は一日一回しか魔法を使えないけど・・・それでも助かっているわ。

 

シルビ
あの野郎・・・今までそんなこと何も言わねえで・・・。
助かったけどさ・・・・・・。

 

女医
・・・。
私の治療とあの隊員さんの治癒魔法ですぐに良くなるわよ。
マリコさんは今は薬で眠らせているわ。
無理やりでも休息してもらわないとね。

 

シルビ
よかった・・・。
先生、ありがとうございます・・・。

 

女医
・・・。
酷い目にあったわね、あなた達。
私は回診で忙しくてあんまり事情を知らなかったけど・・・。

 

シルビ
・・・。
村の連中は、もう、マリコがなんでもしてくれれると思い込んでいますよ。
マリコが何でもかんでも二つ返事で引き受けちまったおかげで。

 

女医
こんなことになって・・・。
許してなんていえないわね・・・。

 

シルビ
・・・。
先生が気に病むことじゃないですよ。

 

女医
・・・。
村の人たちやここの警備隊の皆さんは、沢山の人が死んで怪我を負って・・・いつ自分が死ぬか分からなくて・・・。
そうしているうちに、少しずつ壊れていった。
人はね、辛すぎると壊れていってしまうものなの。

 

シルビ
・・・。

 

女医
辛くて辛くて辛くて・・・
どんどん恐怖が心に染み付いて、誰も助けがない状態についには諦めが心を支配していった。
そして、なぜ自分達ばかりがこんな目にと思い続けて・・・。

 

シルビ
そう、ですか・・・。

 

女医
だけど、村の人たちのこと許してなんて言わないわ。
あの人たちはあなたたちに全てを押し付けた。
こんな小さい子に危険な目を全て押し付けて良しとした。
それは許されないことだわ。

 

 

 

続く
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