岩山編(3)

結局、無駄に大掛かりなもてなしを受けてげっそりになったシルビとマリコ。
下宿先は村長の屋敷の一番いい部屋を使うことになった。

 

 

 

シルビ
飯はうまかったが・・・面倒だなー、こういうの。
相変わらず慣れねえ。
しかもまともに情報ももらえなかったしな。

 

マリコ
ホントね・・・。
私たちは当たり前のことをしただけなのに・・・。
向こうもこっちもどうして”勇者”って言葉に弱いのかしら。

 

シルビ
勇者って称号は特別だからな。

 

マリコ
何それ(怒

 

シルビ
まあ、そういうもんだって話だ。
お前、疲れただろ。
怒涛の如くここまで来たしな。
三日どころか二日でご到着。
しかも休む暇もなく宴会。

 

マリコ
そうね、そのとおりだわ。
・・・あと、私べつに疲れてなんか無いわよ。

 

シルビ

いいから休めって。
嘘はよけい疲れるぞ。
最初の時だって宴会の時だって無理してクールにしてたんだろ?

 

マリコ
・・・。

 

シルビ
分かったんなら、ちゃんと休めよ。
(マリコの頭をポンポンッとたたく)

 

 

******************

 

 

朝になって村長に挨拶に行くマリコとシルビ

 

 

村長
おお!勇者様とシルビ殿!!
昨日はゆっくり休めましたか!?

 

マリコ
素敵なお部屋でよく休めたわ。
ありがとう。

 

村長
それは何よりです。
それと・・・このあとのことなのですが・・・

 

シルビ
(村長の言葉をさえぎるシルビ)
獣人たちは何で来なくなったんだ?
何があった?

 

村長
・・・それが。
我々でもよく分からないのですが、心配した村人の一人が獣人たちが住んでいる岩山まで行きまして・・・
そしたら、今まであったはずも無い鍵付きの扉があったとか・・・
警備隊も行ってみて扉をどうにかしようとしたのですが鉈でも斧でも剣でもどうにもならず・・

 

マリコ
変な話ね。
獣人だったらいちいち扉から出入りしなくても岩でも何でも飛び越えてこれるんじゃないの?

 

村長
そればかりは私達にも・・・

 

シルビ
とりあえず、入り口とやらに連れて行ってくれよ。
見てみないことにはどうにもならねー

 

村長
あ、あそこは我々が見に行ったときとは訳が違いますぞ!!
この周辺もあちらも魔物が沸きに沸いて・・・

 

マリコ
あ、そう。
なら場所を教えて頂戴。
私達なら魔物なんて蹴散らせるから。

 

村長
そ、そうでしたな!!
そういうことでしたら、是非お願いします!!
我が村は原因もわからない魔物の大量発生で孤立し・・・資金源だった獣人たちとの取引も出来ず・・・
なんとありがたいことか!
さすが勇者様!!

 

シルビ
・・・。

 

マリコ
任せて頂戴。
私達が解決するわ。

 

 

場所を詳しく聞いて村長の家から出るシルビとマリコ。
そこへ一人の小さな少女がやってくる。

 

 

リム
勇者様!
獣人さんたちはどうなってしまうんでしょうか!?
しょうがないことだけど・・・
みんな村のことに手一杯で、獣人さんたちではなくて魔物や鉱山の石の心配ばかり!
獣人さんたちがどうなってしまっているか誰も心配しないの・・・
(涙をながす)

 

 

(顔を合わせるマリコとシルビ)

 

 

リム
でもでも、私が行ったときには変な扉が出来ていて・・・
鍵もかかって・・・
みんなでいったときもどうしても開けなくて・・・!

 

シルビ
!?
まった!
最初に入り口見に行ったていう村人ってお譲ちゃんのことか!?

 

リム

そうですが・・・

 

シルビ
・・・よく無事だったな。

 

マリコ
ほんとに獣人達が心配なのね・・・あなたは。

 

リム
当たり前です!
皆さんとても強くて優しくて・・・
私は弱虫でいつもいじめられていたけど獣人さん達が庇ってくれたおかげでいじめられなくなったんです・・・
獣人さん達がいないときは一人ぼっちだけど・・・獣人さん達が来るといつも獣人さん達は一緒に遊んでくれたんです・・・
(なきじゃくる)

 

マリコ
あなたは弱虫じゃないわ。
勇敢よ。

 

リム
え?

 

マリコ
お友達を思いやって危険を顧みず助けようとしたわ。
この村にあなたのような子がいてよかった・・・。
必ず、私達はあなたの想いに応えるわ!

 

リム
ありがとう、勇者様!

 

マリコ
荒廃の中の一筋の湧き水ね、あなたは・・・。

 

シルビ
・・・。

 

 

 

 

続く
 

 

 

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